2025年時点で無職世帯の交通費は全国平均3,551円。都市部ほど高く、特に小都市Bは前年比+142.1%と急増。高齢層の移動ニーズや公共交通の縮小が背景にあり、今後は都市・地方で二極化が進む見込み。政策的支援が重要となる。
交通の家計調査結果
交通の多い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
---|---|---|---|---|---|
名称 | 全国 | 大都市 | 小都市B | 中都市 | 小都市A |
最新値[円] | 3551 | 4556 | 3273 | 3218 | 3054 |
前年月同比[%] | +13.67 | +8.605 | +142.1 | -13.91 | +38.13 |
交通の少ない都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
---|---|---|---|---|---|
名称 | 全国 | 小都市A | 中都市 | 小都市B | 大都市 |
最新値[円] | 3551 | 3054 | 3218 | 3273 | 4556 |
前年月同比[%] | +13.67 | +38.13 | -13.91 | +142.1 | +8.605 |
これまでの交通の推移


詳細なデータとグラフ
交通の現状と今後
2025年3月時点での無職世帯における1カ月あたりの交通費全国平均は3,551円。現役世帯に比べると交通費は低い傾向にありますが、無職世帯の多くは高齢者であり、通院・買い物・公共施設の利用といった生活維持のための移動を必要としています。交通費は生活の自立度に直結する支出項目といえるでしょう。
都市別の支出傾向と背景
都市別に見ると、交通費が最も高いのは大都市(4,556円)。これは交通網が発達しており、日常的な移動手段として公共交通機関が積極的に利用されているためです。また、タクシーや短距離移動の利用も都市部では比較的多くなります。
注目すべきは小都市B(3,273円)の前年比+142.1%という急増です。これはマイカー依存度の高い地域で燃料費や車両維持費が急騰した可能性に加え、近年の公共交通の縮小が影響していると考えられます。
一方で中都市(3,218円)は前年同期比-13.91%と減少傾向にあり、交通手段の見直しや移動自体の減少があったと推察されます。小都市A(3,054円)は+38.13%と増加しているものの、依然として最も低い水準にあります。
世代的特性と支出の構造
無職世帯の多くは60歳以上の高齢世帯です。特に75歳以上の高齢層では、移動能力や安全面の問題からバス・タクシーの利用が中心になります。交通費支出は、可処分所得に対する比重が大きく、移動を制限することで支出を抑えている傾向もあります。
一方、比較的若い無職層(60~70代)では自家用車利用が維持されており、燃料費や駐車代、整備費用が支出に反映されています。都市部ではマイカーの保有率が低く、公共交通依存が進んでいるため、比較的高いが安定した支出になっています。
今後の推移と政策課題
今後の見通しとして、交通費は都市部と地方部で二極化が進むと見られます。地方では公共交通の縮小や高齢化の進展により、自家用車への依存がさらに高まる可能性があり、それに伴い交通費の上昇圧力が続くと考えられます。
都市部では、交通インフラの維持・拡充により安定的な支出となる一方、物価上昇や料金改定が緩やかな上昇をもたらす可能性があります。政策的には、高齢者への移動支援やバス・タクシー利用補助、自動運転バスの導入支援などが鍵となります。
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