2025年の灯油価格動向:地域差と価格上昇要因を解説

灯油

2025年5月の全国平均灯油価格(18L)は2301円で、前年同月比+8.2%と大幅上昇。那覇・鹿児島など地理的に不利な地域で特に高価格が見られた。物流・気候・地域需要が価格形成の鍵となり、今後も格差の拡大が懸念される。

都市別の灯油18Lの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均2233+5.067
1川崎2493+9.679
2那覇2482+0.405
3川口2430+12.19
4立川2417+8.825
5横浜2401+5.958
6広島2400+5.263
7静岡2382+4.474
8東京都区部2380+3.613
9福井2376+2.282
10函館2368+3.406
11鹿児島2364+4.509
12豊橋2358
13藤沢2358
14松山2345+3.761
15旭川2340+6.267
16岡山2340+5.121
17宇都宮2325-1.525
18大阪2325+4.213
19相模原2316+5.753
20枚方2310+7.542
21名古屋2310+5.191
22千葉2310+6.061
23佐賀2296+5.758
24姫路2292+4.372
25小山2286+13.06
26宮崎2280+5.263
27岐阜2274+7.416
28神戸2268+6.18
29熊本2268+1.34
30青森2265+9.792
31富山2262+5.602
32奈良2262+15.64
33京都2262+4.432
34高松2256+3.014
35府中2253+4.888
36高知2250+9.329
37福岡2250+9.329
38熊谷2250+5.337
39浦安2250+12.61
40佐世保2249+4.946
41徳島2244+5.352
42富士2244+4.762
43松江2232-0.535
44札幌2232+6.286
45東大阪2231+9.956
46さいたま2227+9.167
47福山2226+5.398
48鳥取2214+3.361
49和歌山2202+6.377
50長岡2196+4.871
512196+4.472
52浜松2184+8.333
53福島2178+3.419
54今治2178+1.114
552172
562166+8.084
57甲府2160+6.825
58前橋2160+10.43
59郡山2153+6.69
60北九州2151+7.443
61新潟2148+2.286
62大津2146+2.093
63日立2142+2.586
64西宮2135+6.219
65長崎2125+5.564
66水戸2120+2.465
67松本2120+2.515
68松阪2118+4.748
69大分2118-0.889
70山形2109+2.23
71所沢2106+8.389
72八王子2106-1.404
73仙台2097+11.66
74秋田2094+6.728
75長野2082-0.573
76盛岡2082+2.36
77伊丹2082-0.287
78金沢2064-2.825
79山口2058-4.19
80宇部1986-4.611
81八戸1986+2.16
全国灯油18L

詳細なデータとグラフ

全国の小売価格の相場と推移

2025年5月時点で、全国平均の灯油価格(18L)は2301円で、前年同月比では+8.206%と比較的大きな上昇がみられました。特に冬季の暖房用として広く使われる灯油は、気候や地域のエネルギー需要によって価格に大きなばらつきが出る傾向があります。原油価格や物流費、地域別の競争環境などが主な価格形成要因です。


都市別価格の特徴と地域差

高価格帯都市の傾向(2400円以上)

  • 那覇(2682円)

    • 全国で最も高い価格。沖縄は離島輸送コストの高さが価格に大きく反映される。暖房需要は低いが、供給体制が小規模なため価格は高止まり。

  • 宇都宮(2544円)、鹿児島(2502円)

    • 本土の中でも高価格。物流網の整備状況やスタンドの密度の低さが影響。特に鹿児島は9州南端に位置し、地理的制約が顕著

  • 川崎(2493円)、福井(2475円)

    • 都市圏に近い川崎は、都市部特有の物価水準の高さが反映。福井は寒冷地に該当し、冬季需要の高さが価格に転嫁されているとみられます。

  • 横浜(2431円)、川口(2430円)、函館(2427円)、立川(2423円)、松山(2421円)

    • 大都市圏や寒冷地、地方中核都市が並びます。需要の多さや季節変動による供給調整の影響で価格が高め。


前年同月比の増加率から見える価格上昇の地域差

  • 全国平均の増加率は+8.206%と顕著な上昇。

  • 最も上昇率が高かったのは川口(+12.19%)、次いで鹿児島(+10.61%)、那覇(+9.828%)と続きます。

    • これらの地域では、燃料輸送の効率化が進まない1方で、原油価格や為替変動の影響を直に受けやすい構造があり、コスト上昇が価格転嫁されやすいのが特徴です。

  • 1方、増加が相対的に小さかったのは函館(+5.983%)、福井(+6.543%)など、過去に価格が高かった地域で安定傾向が見られます。


灯油価格に影響する主な要因

原油価格と為替の動向

  • 灯油価格は原油相場と連動するため、国際原油価格の高騰や円安によって日本国内での仕入れ価格が上昇する傾向があります。

流通コスト・地理的要因

  • 離島(那覇)や南端(鹿児島)では、輸送費が灯油価格の相当部分を占める。都市部(川崎・横浜など)でも物価水準の高さが影響します。

気候と季節性の需要

  • 北海道や日本海側の寒冷地では、冬場の暖房需要が集中し、その需要を先取りする形で秋〜初冬に価格が上がる傾向があります。松山や宇都宮のような非寒冷地でも、冬場に1時的な上昇が見られます。

地域ごとの競争環境

  • 都市部では競合スタンドの数が多いため、価格競争が起こりやすくなる1方で、供給が限られる地方都市では価格が固定化しやすい傾向にあります。


今後の見通しと課題

灯油価格は引き続き原油市場と円相場の影響を強く受けることが予想されます。加えて、高齢化社会における灯油利用者の減少住宅の断熱性能の向上による暖房依存度の低下なども今後の需要を左右します。1方で、過疎地や寒冷地では灯油暖房が依然として重要であり、地域間の価格格差は今後さらに顕著になる可能性もあります。

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