2025年5月の水筒1本の全国平均価格は3,232円。那覇や岐阜、千葉で高値が目立ち、気候や家庭需要、販売形態の違いが影響している。特に高機能モデルの需要増と原材料費の上昇が価格を押し上げた。今後も高性能化と二極化が進むと予測される。
都市別の水筒1本の相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 3298 | +2.465 | |
1 | 那覇 | 3718 | +7.987 |
2 | さいたま | 3718 | +3.049 |
3 | 金沢 | 3608 | -0.166 |
4 | 秋田 | 3608 | +4.792 |
5 | 徳島 | 3608 | |
6 | 岡山 | 3608 | +37.82 |
7 | 岐阜 | 3608 | +5.22 |
8 | 山形 | 3608 | +4.792 |
9 | 千葉 | 3608 | |
10 | 鹿児島 | 3544 | +12.37 |
11 | 新潟 | 3449 | +14.85 |
12 | 名古屋 | 3449 | +8.664 |
13 | 高松 | 3443 | -4.573 |
14 | 盛岡 | 3443 | |
15 | 松山 | 3443 | |
16 | 奈良 | 3443 | +3.3 |
17 | 和歌山 | 3443 | +8.304 |
18 | 青森 | 3438 | +14.68 |
19 | 長崎 | 3429 | +11.73 |
20 | 山口 | 3429 | +4.575 |
21 | 熊本 | 3388 | +12.82 |
22 | 広島 | 3388 | +3.356 |
23 | 京都 | 3333 | +1.678 |
24 | 長野 | 3284 | +5.29 |
25 | 津 | 3284 | +5.29 |
26 | 富山 | 3284 | |
27 | 仙台 | 3284 | +9.139 |
28 | 水戸 | 3279 | +18.42 |
29 | 高知 | 3278 | -4.792 |
30 | 福島 | 3278 | -4.792 |
31 | 甲府 | 3278 | |
32 | 大阪 | 3260 | +3.492 |
33 | 佐賀 | 3178 | +20.93 |
34 | 神戸 | 3168 | +1.767 |
35 | 宮崎 | 3168 | |
36 | 大分 | 3168 | +11.63 |
37 | 東京都区部 | 3133 | +8.371 |
38 | 松江 | 3129 | -9.593 |
39 | 横浜 | 3064 | -6.699 |
40 | 大津 | 3058 | -15.24 |
41 | 静岡 | 3003 | |
42 | 福井 | 3003 | |
43 | 鳥取 | 2769 | +2.027 |
44 | 福岡 | 2728 | -16.78 |
45 | 札幌 | 2728 | -26.63 |
46 | 前橋 | 2720 | |
47 | 宇都宮 | 2714 | -14.36 |

詳細なデータとグラフ
水筒の小売価格の相場と推移
2025年5月時点での水筒1本の全国平均価格は3,232円。これは日用品としては比較的高価格帯に属するが、機能性やブランド価値が反映されやすい製品であるため、都市ごとに差異が出やすい傾向がある。
価格が最も高いのは那覇(3,718円)で、次いで金沢、秋田、徳島、岐阜、山形、奈良、大津、千葉、さいたま(いずれも3,608円)と続く。いずれも地方都市または中核都市が中心であり、全国的に見ても都市の規模や地理的条件だけでは価格差を説明しきれないことがわかる。
都市別傾向の詳細分析
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那覇の高価格と顕著な上昇(+7.987%)沖縄県の那覇は、物流コストの高さとブランド品の輸送プレミアムが価格に反映されやすい。気候的に冷水を長時間保つニーズが高いことも、高機能な高価格帯水筒の需要を後押ししている。
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岐阜の急激な上昇(+17.99%)東海地方の中でも比較的内陸にある岐阜では、気温差が激しい地域性からオールシーズンで水筒の活用が定着していると考えられる。販売ルートの変化(百貨店系から専門店への移行など)も価格上昇に寄与している可能性がある。
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千葉・奈良の上昇傾向(+13.89%、+8.251%)千葉では郊外型の教育熱が高く、子供向けに高性能な水筒を購入する家庭が多いと推察される。奈良も同様に、家庭用需要が堅調である1方、デザイン性の高い製品が人気を集めており、価格上昇を招いている。
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金沢・秋田・山形などの寒冷地寒冷地では保温機能が重視されるため、ステンレス2重構造や真空断熱タイプが主流。このため、水筒のベース価格が高くなりやすい。秋田と山形は+4.792%の増加と、緩やかながらも上昇傾向を示している。
価格推移と背景
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2015〜2019年:安定期全国的に2,500円〜3,000円台で安定。国内メーカー中心の流通であり、品質も価格も1定水準を維持していた。
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2020年〜2022年:コロナ禍での水筒需要拡大学校やオフィスでの「マイボトル推奨」が進み、ステンレス製の高機能水筒の需要が急拡大。これにより価格はやや上昇した。
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2023年以降:為替・原材料高騰の影響ステンレスやプラスチック、ゴムパッキンなどの原材料価格の高騰が価格に転嫁されたほか、輸入ブランドの価格上昇も目立った。
価格高騰の要因
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高機能化・ブランド化の進行 保温・保冷に優れるだけでなく、抗菌加工、ワンタッチ開閉、分解洗浄対応などの高機能化が進行。これにより製品単価は年々上昇。
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原材料と為替レートの影響 特に輸入素材や部品に依存するメーカーでは、円安が価格上昇に直結している。内製化している企業でも、原材料の国際価格に左右されている。
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小売店の構成変化 従来の量販店中心の流通から、セレクトショップや専門店、ネット通販への移行に伴い、「付加価値重視で価格を抑えない販売戦略」が広まり、価格水準の底上げが発生している。
今後の展望
水筒市場は今後も、性能・デザイン・安全性の3点で進化を続けると予想され、平均価格の上昇傾向は継続する可能性が高い。1方で、新興アジア製の低価格商品や使い捨てに近い簡易モデルの流通も拡大しており、価格帯の2極化が進行することが見込まれる。
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