日本の水稲生産は、日本の食文化と密接に関わる重要な産業ですが、近年は食生活の多様化や人口減少、農業従事者の高齢化の影響を受け、作付け面積は縮小傾向にあります。2024年の全国の作付け面積は101.1万haで、過去と比較すると減少しています。主要な生産地には新潟、北海道、秋田、宮城、福島などがあり、特に新潟は全国比率8.55%と高い割合を占めます。これらの地域は広大な作付け面積を持ち、安定した生産を続けています。
水稲のデータとグラフ
水稲の作付け面積のトップランキング
2024年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 合計 | 新潟 | 北海道 | 秋田 | 宮城 | 福島 | 茨城 | 山形 | 栃木 | 千葉 | 岩手 |
最新値[万ha] | 135.9 | 11.62 | 9.5 | 8.42 | 6.28 | 6.27 | 6.25 | 6.08 | 5.3 | 5.06 | 4.55 |
前年比[%] | 101.1 | 100.3 | 101.8 | 101.4 | 103.1 | 107.4 | 104.7 | 99.67 | 103.1 | 106.1 | 100.7 |
全体比[%] | 100 | 8.55 | 6.99 | 6.195 | 4.621 | 4.613 | 4.599 | 4.473 | 3.9 | 3.723 | 3.348 |
水稲の収穫量のトップランキング
2024年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 合計 | 新潟 | 北海道 | 秋田 | 宮城 | 福島 | 山形 | 茨城 | 千葉 | 栃木 | 青森 |
最新値[万t] | 734.5 | 62.28 | 56.24 | 49 | 36.61 | 35.68 | 35.45 | 33.88 | 28.79 | 28.62 | 26.42 |
前年比[%] | 102.5 | 105.3 | 104.1 | 106.9 | 106.2 | 108.9 | 98.66 | 107.1 | 108.4 | 100.7 | 106.2 |
全体比[%] | 100 | 8.479 | 7.657 | 6.671 | 4.984 | 4.858 | 4.826 | 4.613 | 3.92 | 3.897 | 3.597 |
水稲の10a当りの収穫量トップランキング
2024年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 青森 | 長野 | 北海道 | 山形 | 宮城 | 秋田 | 福島 | 岩手 | 千葉 | 茨城 |
最新値[kg] | 513.1 | 623 | 620 | 592 | 583 | 583 | 582 | 569 | 569 | 569 | 542 |
前年比[%] | 100.3 | 101.5 | 101 | 102.2 | 98.98 | 103 | 105.4 | 101.4 | 103.3 | 102.2 | 102.3 |
平均比[%] | 100 | 121.4 | 120.8 | 115.4 | 113.6 | 113.6 | 113.4 | 110.9 | 110.9 | 110.9 | 105.6 |
水稲の農業についての推移と展望
日本の農業における水稲(いわゆる米)の生産は、国の食文化と密接に関わる重要な産業です。1958年から2024年にかけてのデータをもとに、水稲の作付け面積や収穫量の推移、地域別の特徴、直面する課題、そして今後の展望について解説します。
水稲の作付け面積の推移と現状
かつて日本の水稲作付け面積は大きな規模を誇っていましたが、近年は食生活の多様化、人口減少、農業従事者の高齢化などの影響を受け、縮小傾向にあります。2024年時点の全国合計の作付け面積は101.1万haであり、1950年代と比較すると減少しています。
主要産地の作付け面積
最新のデータによると、主要な水稲作付け地域は以下の通りです:
- 新潟県:100.3万ha(全国比率 8.55%)
- 北海道:101.8万ha(全国比率 6.99%)
- 秋田県:101.4万ha(全国比率 6.195%)
- 宮城県:103.1万ha(全国比率 4.621%)
- 福島県:107.4万ha(全国比率 4.613%)
- 茨城県:104.7万ha(全国比率 4.599%)
- 山形県:99.67万ha(全国比率 4.473%)
- 栃木県:103.1万ha(全国比率 3.9%)
- 千葉県:106.1万ha(全国比率 3.723%)
- 岩手県:100.7万ha(全国比率 3.348%)
特に新潟、北海道、秋田といった地域では、日本国内でも有数の作付け面積を誇り、安定した生産が行われています。
水稲の収穫量の推移と現状
作付け面積と同様に、収穫量についても近年は減少傾向が見られます。2024年の全国合計の収穫量は102.5万tとなっており、各地域の収穫量は以下の通りです:
- 新潟県:105.3万t(全国比率 8.479%)
- 北海道:104.1万t(全国比率 7.657%)
- 秋田県:106.9万t(全国比率 6.671%)
- 宮城県:106.2万t(全国比率 4.984%)
- 福島県:108.9万t(全国比率 4.858%)
- 山形県:98.66万t(全国比率 4.826%)
- 茨城県:107.1万t(全国比率 4.613%)
- 千葉県:108.4万t(全国比率 3.92%)
- 栃木県:100.7万t(全国比率 3.897%)
- 青森県:106.2万t(全国比率 3.597%)
全国平均の10a当たり収穫量は100.3kgとなっており、地域ごとに気候や土壌条件に応じた生産が行われています。
地域別の水稲の特色
新潟県
新潟県は「コシヒカリ」の名産地として知られ、全国最大級の米生産地です。良質な水と適した気候条件が揃い、全国トップクラスの作付け面積と収穫量を誇ります。
北海道
北海道は比較的冷涼な気候ながら、品種改良によって高品質な米を生産しています。近年は「ななつぼし」や「ゆめぴりか」などのブランド米が評価を高めています。
秋田県
秋田県は「あきたこまち」が有名で、安定した品質と収穫量を誇ります。寒冷地に適した稲作技術が確立されており、収穫量も全国有数です。
宮城県・福島県
宮城県では「ひとめぼれ」、福島県では「あさか舞」などが生産されており、全国でも評価の高いブランド米の産地です。
関東地方(茨城・千葉・栃木)
関東地方では比較的温暖な気候を活かした稲作が行われ、都市圏への供給地として重要な役割を担っています。
水稲生産の課題と今後の展望
高齢化と担い手不足
農業従事者の高齢化が進み、後継者不足が深刻化しています。今後は農業法人の育成やスマート農業の導入が求められます。
気候変動の影響
温暖化による高温障害や異常気象の頻発が、品質や収穫量に影響を及ぼしています。耐暑性品種の開発や水管理技術の向上が必要です。
消費の多様化
食生活の変化により、米の消費量は減少傾向にあります。輸出市場の拡大や、新たな加工品開発がカギとなります。
まとめ
日本の水稲生産は、長い歴史の中で地域ごとに特色を持ちながら発展してきました。しかし、作付け面積や収穫量は減少傾向にあり、担い手不足や気候変動などの課題が山積しています。今後は、スマート農業の導入やブランド米の輸出強化など、新たな取り組みが必要です。各地域の特色を活かしながら、持続可能な稲作の発展を目指していくことが重要です。
作付け面積と収穫量の推移


直近の作付け面積と収穫量の割合


10a面積当たりの収穫量と作況指数


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