植木職の手間代は地域で格差拡大|全国平均と今後の動向分析

住宅工事費

システム住宅工事費家具


植木職の手間代(小1日)は、2025年3月時点で全国平均2.194万円。京都や仙台、富山などでは2.6万円前後と高水準だが、長崎や佐賀、那覇などでは1.5万円前後と低く、地域格差が際立つ。価格差の背景には、人材不足、地域経済、気候、文化的需要の違いがある。今後は高齢化や需要変化により、都市部中心に価格上昇が見込まれる一方、地方では低水準が続く可能性もある。

住宅関連の都市別小売価格

植木職手間代の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 京都 仙台 富山 東京都区部 札幌 大津 長野 名古屋 新潟 神戸
最新値[万円] 2.194 2.71 2.667 2.64 2.607 2.564 2.533 2.483 2.483 2.471 2.464
平均比[%] 100 123.5 121.5 120.3 118.8 116.8 115.5 113.2 113.2 112.6 112.3
前年月同比[%] 1.794 1.244 0 0 0.462 2.397 0 0 8.836 2.732 2.637

植木職手間代の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 長崎 佐賀 那覇 盛岡 熊本 福岡 高知 大分 青森 鹿児島
最新値[万円] 2.194 1.383 1.553 1.58 1.808 1.813 1.853 1.853 1.867 1.88 1.886
平均比[%] 100 63.04 70.79 72.01 82.41 82.64 84.46 84.46 85.07 85.68 85.97
前年月同比[%] 1.794 0 6.881 -8.315 2.066 0 0.904 4.706 17.16 -6.917 4.043

 

これまでの住宅工事費の推移

植木職手間代の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

植木職手間代の現状と今後

日本の住宅関連工事の中でも、造園や緑地管理に関わる「植木職手間代」は、地域によって大きな価格差が見られます。本稿では、2010年1月から2025年3月までのデータをもとに、植木職手間代(小1日あたり)の動向、地域ごとの傾向、要因分析、そして今後の見通しについて解説します。


全国平均とその推移

2025年3月時点における全国平均の植木職手間代は2.194万円です。2010年代初頭には1.8万円台で推移していたものの、2020年代に入り徐々に上昇傾向が見られます。背景には人手不足、高齢化、技能者の減少、そして気候変動に伴う造園・剪定の重要性の増加が考えられます。


高価格地域の特徴

植木職手間代の高い地域には以下の都市が含まれます。

  • 京都(2.71万円 / 全国平均の123.5%)

  • 仙台(2.667万円 / 121.5%)

  • 富山(2.64万円 / 120.3%)

  • 東京都区部(2.607万円 / 118.8%)

  • 札幌(2.564万円 / 116.8%)

これらの地域では、文化的・歴史的な景観保持の需要(京都・富山・東京)や、厳しい気候条件(札幌)により手間が増える傾向があります。また、都市部では人件費や業者不足が価格を押し上げる一因となっています。


低価格地域の特徴

一方で、以下の地域は全国平均を大きく下回っています。

  • 長崎(1.383万円 / 平均の63.04%)

  • 佐賀(1.553万円 / 70.79%)

  • 那覇(1.58万円 / 72.01%)

  • 盛岡(1.808万円 / 82.41%)

  • 熊本(1.813万円 / 82.64%)

これらの地域では、植栽・剪定作業の季節的制約が比較的少ない、または施工需要が限定的であること、人件費の相対的低さが価格抑制に繋がっていると推察されます。


価格差の要因分析

植木職手間代の地域間格差には以下のような要因が関係しています。

  1. 人口密度と都市規模:都市部ほど需要が高く、人件費も上昇傾向にある。

  2. 文化的背景:京都や東京などでは庭園文化や景観保全の需要が高い。

  3. 技能者の供給:地方では後継者不足が深刻である一方、価格に転嫁できていない例も多い。

  4. 気候条件:積雪や猛暑が作業工程に影響し、対応力が求められる地域は高価格化しやすい。


将来的な動向と課題

今後、植木職手間代は以下のような傾向が見込まれます。

  • 上昇傾向の継続:高齢化による労働力不足、造園需要の持続により単価は上昇傾向に。

  • 地域格差の拡大:地方での価格抑制と都市部での高騰が並行して進行。

  • IT導入の遅れ:施工効率化のためのICT・ドローン技術の活用が進まない地域では労働負担が継続。


まとめ

日本の植木職手間代は、地域特性や文化的背景、気候要因によって大きな価格差があります。都市部では今後も高水準が維持されると予想され、地方部との格差拡大が懸念されます。人材育成や業務効率化の促進が喫緊の課題といえるでしょう。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました