2025年4月の柿の卸売価格は都市ごとに大きな差があり、最も高い名古屋市(665円/kg)と最も安い豊橋市(168円/kg)では約500円の開きがあります。保存品中心の流通となる春先は価格変動が激しく、地域の需要や市場構造が大きく影響。今後は加工品需要や輸出の伸長により、高値維持の可能性もあります。
柿の卸売り市場価格
柿の高い順
名古屋市 | 神戸市 | 広島市 | 京都市 | 北九州市 | 大阪市 | 高松市 | 福岡市 | 金沢市 | 富山市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年1月 | 2025年2月 | 2025年1月 | 2025年4月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年2月 | 2025年1月 | 2021年12月 |
最大期 | 2014年6月 | 2016年8月 | 2022年8月 | 2016年6月 | 2012年8月 | 2011年7月 | 2013年7月 | 2024年8月 | 2011年7月 | 2019年7月 |
最新値[円/kg] | 665 | 613 | 601 | 586.7 | 585 | 574.7 | 569 | 546 | 529.3 | 515 |
最大値[円/kg] | 3024 | 874 | 1437 | 1743 | 1890 | 1323 | 1729 | 1856 | 1995 | 1410 |
前月比[%] | +15.85 | +49.27 | +16.85 | +48.15 | -9.302 | +29.43 | +20.13 | -2.383 | +24.84 | +52.37 |
前年同月比[%] | +16.91 | +25.73 | +18.92 | +20.98 | +41.54 | +10.08 | +9.291 | +41.1 |
柿の安い順
水戸市 | 三重県 | 函館市 | 広島市 | 富山市 | 豊橋市 | 岐阜市 | 松本市 | 長崎市 | 上尾市 | |
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最新 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2025年2月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 |
最大期 | 2010年7月 | 2014年7月 | 2010年7月 | 2022年8月 | 2019年7月 | 2012年7月 | 2019年7月 | 2011年7月 | 2023年6月 | 2011年7月 |
最新値[円/kg] | 385 | 264 | 366 | 601 | 515 | 168 | 221 | 392 | 294 | 286 |
最大値[円/kg] | 1225 | 1391 | 1082 | 1437 | 1410 | 945 | 1814 | 1235 | 1890 | 1509 |
前月比[%] | +14.24 | +57.14 | +46.99 | +16.85 | +52.37 | +20.86 | -4.329 | +15.63 | -8.125 | +5.926 |
前年同月比[%] | +12.9 | -3.65 | -5.67 | +25.73 | +41.1 | +12 | +132.6 | +3.43 | +46.27 | -1.379 |
柿の推移


その他のデータとグラフ
柿の価格についての推移と展望
柿は、日本の秋を代表する果物の一つであり、出荷時期は主に10月~12月です。それ以降の時期(春季)は、冷蔵保存柿が市場に出回り、その品質や量により価格が大きく動きます。特に旬外れの4月頃は価格の地域差が顕著に表れやすく、各都市の需給バランスや物流事情が価格に反映されます。
2025年4月時点の価格ランキング(都市別)
高価格都市(上位10都市):
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名古屋市:665円/kg(+15.85% 前月比)
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神戸市:613円/kg(+49.27%)
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広島市:601円/kg(+16.85%)
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京都市:586.7円/kg(+48.15%)
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北九州市:585円/kg(-9.302%)
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大阪市:574.7円/kg(+29.43%)
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高松市:569円/kg(+20.13%)
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福岡市:546円/kg(-2.383%)
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金沢市:529.3円/kg(+24.84%)
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富山市:515円/kg(+52.37%)
低価格都市(抜粋):
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豊橋市:168円/kg(+20.86%)
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岐阜市:221円/kg(-4.329%)
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上尾市:286円/kg(+5.926%)
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長崎市:294円/kg(-8.125%)
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三重県:264円/kg(+57.14%)
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函館市:366円/kg(+46.99%)
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松本市:392円/kg(+15.63%)
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水戸市:385円/kg(+14.24%)
価格の高低差は500円/kg近くあり、地域ごとの供給形態や需要、さらには市場サイズの違いが影響しています。
最近の価格変動とその背景
高騰する都市の傾向
富山市(+52.37%)、神戸市(+49.27%)、京都市(+48.15%)などは、保存柿の出荷が遅れたことや、高品質品への需要集中が急騰を招いた可能性があります。
価格下落や伸び悩み
北九州市(-9.302%)や福岡市(-2.383%)は、地元需要の鈍化や保存柿の質のばらつきが影響。一方、岐阜市や長崎市もマイナスで、特に地域内での過剰供給や選果基準のばらつきが価格を抑えていると考えられます。
前年同月比の注目点
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岐阜市(+132.6%)のように前年より大幅な上昇を見せたケースもあり、前年の相場が異常に低かった反動と見られます。
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長崎市(+46.27%)や高松市(+41.54%)も高い伸び率を示しており、新たな販路の拡大や品質向上の成果と推察できます。
地域別の価格特色と要因分析
名古屋・神戸・京都の高価格帯
これらの都市は、贈答需要や品質重視の消費傾向が強い地域。特に中京圏・関西圏では、「見た目・甘さ・サイズ」が価格に直結しやすい。
北陸・中四国エリアの上昇
金沢や富山では、寒冷地での保存管理技術の発展が価格にプラスに作用。流通においても新幹線物流などの活用で首都圏との競争力が上昇中。
低価格地域の事情
豊橋・岐阜・三重などは、産地型市場であり、B品や加工用柿の流通比率が高いため平均単価が下がる傾向にあります。また、地元消費向け出荷が多く、全国的な相場にあまり影響を受けない構造です。
今後の価格動向と予想
春先の価格は依然不安定
柿は本来の出荷期を過ぎた春には、市場に出回る量が限られ、一部の保存品に需要が集中して価格が跳ね上がる傾向がある。これが今後も続くと予想されます。
加工需要と輸出志向が鍵
今後、冷凍柿やドライ柿などの加工食品としての需要拡大が価格を下支えする要因に。また、東南アジアや台湾などへの輸出強化も価格を押し上げる可能性があります。
地域間格差はさらに拡大か
物流費・人件費の地域格差は、今後ますます影響を強めると考えられ、大都市圏と地方の価格差が定着・拡大する可能性があります。
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