2025年4月時点の果実計平均価格は540.6円/kgで、前月比で6.6%下落。地域ごとに価格差が広がっており、東京都は701円/kg、金沢市は413円/kgと開きが大きい。今後は気候変動や消費構造の変化、観光・輸出需要の影響を受け、価格の地域間格差が拡大する可能性がある。
果実計の卸売り市場価格
果実計の高い順
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 東京都 | 広島市 | 京都市 | 札幌市 | 主要市場 | 横浜市 | 高松市 | 仙台市 | 神戸市 | 名古屋市 |
最新値[円/kg] | 540.6 | 701 | 593.3 | 584.7 | 578.3 | 577.7 | 571.7 | 550.3 | 544.3 | 540 | 532.3 |
前月比[%] | -6.596 | -4.669 | -5.471 | -3.36 | -2.309 | -6.827 | -5.975 | -9.534 | -0.366 | -10.99 | -3.155 |
前年同月比[%] | +2.094 | +6.535 | +3.669 | +2.453 | -0.116 | +3.032 | +1.842 | -2.884 | +6.941 | -4.481 | +5.412 |
果実計の安い順
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 金沢市 | 沖縄県 | 福岡市 | 北九州市 | 大阪市 | 名古屋市 | 仙台市 | 高松市 | 横浜市 | 主要市場 |
最新値[円/kg] | 540.6 | 413 | 440.7 | 474.7 | 482.7 | 524.3 | 532.3 | 544.3 | 550.3 | 571.7 | 577.7 |
前月比[%] | -6.266 | +1.724 | -5.436 | -17.06 | -17.91 | -4.724 | -3.155 | -0.366 | -9.534 | -5.975 | -6.827 |
前年同月比[%] | +2.598 | -3.204 | +9.347 | +0.0717 | +1.119 | +2.143 | +5.412 | +6.941 | -2.884 | +1.842 | +3.032 |
果実計の推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
果実計の価格についての推移と展望
日本全国の果実計(果物全体の平均)市場価格は、2008年からの長期データを見ると、緩やかな上昇傾向にあります。背景には以下のような要因が挙げられます。
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高齢化による生産者の減少と、それに伴う供給量の不安定化
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災害や気候変動による収穫量の変動
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消費者の嗜好変化による高級果実志向
特に直近数年は、温暖化や台風の頻発などによって特定品種の不作が価格に反映されやすい状況が続いています。
2025年4月時点の最新動向と課題
2025年4月の果実計平均価格は540.6円/kgで、前月比で-6.596%と大きく下落しています。これは季節要因による果実の端境期や需給バランスの影響が考えられます。
また、以下の課題も顕在化しています。
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全体的に価格が下落傾向にある中、都市間での価格格差が拡大
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一部都市(福岡市や北九州市など)では前月比-17%前後の急落
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神戸市、高松市でも-10%以上の大幅下落が見られ、市場調整が不安定
地域別の価格特色と構造的要因
価格の高い都市(東京都、広島市、京都市など)では、以下の傾向が顕著です。
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消費地型市場で需要が高く、品質の高い果実が多く流通
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流通コストや地価の影響により卸価格が上昇しやすい
一方、低価格都市(金沢市、沖縄県、福岡市など)は次のような特色があります。
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地元生産物の流通が中心で、輸送コストが抑えられている
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果実の品質・規格が大都市よりも緩やかで、相場が安定しやすい
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沖縄県などは一部トロピカルフルーツ中心の構成で価格が異なる
前年同月比の増減に見る構造的変化
前年同月比で見ると、東京都(+6.535%)、仙台市(+6.941%)、沖縄県(+9.347%)などが堅調に上昇しています。これは以下の背景が考えられます。
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高付加価値果実(ブランド品や地域特産)の販売強化
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観光需要の回復に伴う業務用需要の増加(特に沖縄)
一方で神戸市(-4.481%)や金沢市(-3.204%)は価格が下がっており、地域の販売力や品目構成に課題がある可能性があります。
今後の市場価格の推移予想と展望
今後の市場価格動向については、次のような予想が立てられます。
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高価格帯市場の安定化:東京都や主要都市は消費が堅調で、価格は比較的維持されやすい
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地方市場の二極化:観光需要やブランド戦略に成功した地域は上昇、一方で構造改革が進まない地域では価格の伸び悩みが続く
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気候変動リスク:猛暑や長雨などによる果実の品質低下・収穫量減によって価格が乱高下するリスクが高まる
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輸出志向の強化:輸出に注力する生産地では国内価格よりも国際市場を意識した価格形成が進む可能性
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