日本の月極駐車場(車庫借料)は地域によって価格差が大きく、東京都区部では2.7万円、地方都市では5千円以下の地域も存在します。都市部では土地の希少性と高い需要により価格が高止まりし、地方では地価や需要の少なさが影響します。今後も再開発やEV化などの影響で動向に注視が必要です。
自動車・交通の都市別小売価格
車庫借料価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 東京都区部 | 府中 | 高松 | 大阪 | 川崎 | 那覇 | 横浜 | 西宮 | 神戸 | 千葉 |
最新値[万円] | 1.053 | 2.714 | 2.083 | 2.033 | 2 | 1.9 | 1.773 | 1.663 | 1.648 | 1.622 | 1.616 |
平均比[%] | 100 | 257.8 | 197.9 | 193.1 | 190 | 180.5 | 168.4 | 158 | 156.5 | 154.1 | 153.5 |
前年月同比[%] | 2.106 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 22.86 | 0 | 0 | 0 | 0.981 |
車庫借料価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 今治 | 宇部 | 豊橋 | 郡山 | 長野 | 浜松 | 富山 | 甲府 | 八戸 | 山形 |
最新値[万円] | 1.053 | 0.45 | 0.45 | 0.478 | 0.517 | 0.533 | 0.567 | 0.583 | 0.6 | 0.633 | 0.633 |
平均比[%] | 100 | 42.74 | 42.74 | 45.43 | 49.08 | 50.65 | 53.83 | 55.4 | 56.99 | 60.15 | 60.15 |
前年月同比[%] | 2.106 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8.572 | 18.75 |
これまでの駐車料・免許の推移


詳細なデータとグラフ
車庫借料の現状と今後
車庫借料とは、月極駐車場を借りる際に支払う月額使用料を指します。都市化・自動車保有率・土地価格・需要と供給のバランスなどがこの価格に大きく影響します。月極駐車場は都市生活における必需品であり、その価格動向は消費者の生活コストにも直結します。
全国平均とその推移
2025年3月時点での全国平均は 1.053万円。この価格は、長期的に見るとほぼ横ばいから微増傾向にありますが、地域間での価格差は非常に大きくなっています。特に都市部と地方部での価格差が顕著です。
高額地域の特徴と背景
車庫借料が高い上位都市:
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東京都区部:2.714万円
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府中:2.083万円
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高松:2.033万円
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大阪:2万円
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川崎:1.9万円
これらの都市に共通しているのは、人口密集度が高いこと、土地の希少性、および住宅と商業施設の混在が進んでいることです。とりわけ東京都区部では、マイカー通勤者やタワーマンション居住者向けの月極駐車場の需要が常に高く、土地価格も上昇していることから、全国平均の2倍以上の水準となっています。
また、那覇(1.773万円)のような観光都市でも価格は高めで、前年同期比 +22.86% の急上昇を見せており、インバウンド需要や都市再開発の影響がうかがえます。
低額地域の特徴と要因
車庫借料が低い都市:
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今治・宇部:0.45万円
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豊橋:0.478万円
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郡山:0.517万円
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長野:0.533万円
これらの地域は共通して、地価が安く、土地の余裕がある中小都市や地方都市です。都市の中心部でも駐車スペースの供給が十分に確保されており、競争が価格を押し下げています。
とはいえ、例えば山形(0.633万円)では、前年同期比 +18.75% と大幅な上昇が見られており、地方であっても需要増や都市整備の影響で価格上昇が発生しています。
地域差の構造的要因
都市別の価格差は以下のような要素によって生じます:
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土地価格と不動産税負担
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自動車依存度(公共交通機関の整備状況)
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都市の再開発・人口増加
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観光・ビジネスの流動人口
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オフィスビルやマンションの供給状況
特に東京都区部や大阪などは、土地の転用が難しく、駐車場の新設も難しいため、希少性が価格を押し上げています。
最近の価格上昇要因
近年の価格上昇には、以下のような複合的要因が絡んでいます:
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観光・インバウンド回復に伴う需要増(例:那覇)
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マンション・再開発の進展で月極駐車場の減少
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EV化に伴う充電設備付き駐車場の登場で単価上昇
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インフレ・資材費上昇による設備維持コスト増
課題と今後の展望
今後は以下のような点が課題です:
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地方部では「土地はあるが借り手がいない」という状況が続く可能性
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都市部では駐車スペースの絶対数が不足し、価格高止まりの傾向
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EV普及による設備更新と価格転嫁の問題
自治体は、適切な土地活用や駐車場供給のガイドライン策定を通じて、適正価格と利便性の両立を図る必要があります。
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