2025年4月の全国野菜価格は平均280.1円/kgで、前月比8.2%の下落が見られました。都市間では価格差が大きく、金沢や京都など都市部では高値、福岡や沖縄では低値傾向です。消費減少と供給増による価格低下が続く中、今後は気象変動や流通改革が価格の鍵を握ると見られます。
野菜全体の卸売り市場価格
野菜全体の高い順
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 金沢市 | 京都市 | 東京都 | 横浜市 | 高松市 | 主要市場 | 大阪市 | 仙台市 | 名古屋市 | 広島市 |
最新値[円/kg] | 280.1 | 338 | 312 | 308.3 | 289.3 | 287 | 285.3 | 281.7 | 281.7 | 277.3 | 268.7 |
前月比[%] | -8.242 | -9.22 | -5.834 | -8.867 | -9.207 | -8.695 | -8.056 | -7.749 | -10.49 | -5.99 | -13.8 |
前年同月比[%] | -4.559 | -3.243 | -4.391 | -4.147 | -6.062 | +0.818 | -4.572 | -1.97 | -0.234 | -0.599 | -10.04 |
野菜全体の安い順
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福岡市 | 沖縄県 | 札幌市 | 北九州市 | 広島市 | 名古屋市 | 仙台市 | 大阪市 | 主要市場 | 高松市 |
最新値[円/kg] | 281.2 | 219.3 | 256.3 | 265 | 267 | 268.7 | 277.3 | 281.7 | 281.7 | 285.3 | 287 |
前月比[%] | -8.086 | -6.401 | -9.209 | -2.813 | -5.319 | -13.8 | -5.99 | -10.49 | -7.749 | -8.056 | -8.695 |
前年同月比[%] | -4.434 | -5.187 | -12.12 | -5.694 | -4.414 | -10.04 | -0.599 | -0.234 | -1.97 | -4.572 | +0.818 |

野菜全体の推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
野菜全体の価格についての推移と展望
2008年からの野菜価格の変動には、天候・自然災害・燃料コスト・流通改革など多岐にわたる要因が影響しています。特に夏季の猛暑・台風、冬季の寒波などにより生産量が減少するたびに市場価格は乱高下する傾向がありました。過去15年以上の傾向を見ると、平均価格はおおむね上昇傾向にあるものの、年ごとの振れ幅が大きく、価格の安定性には課題が残ります。
2025年4月の最新動向と直面する課題
2025年4月時点での全国平均価格は280.1円/kgですが、前月比では-8.242%と大きく下落しています。とくに広島市(-13.8%)、仙台市(-10.49%)のように、10%以上の下落が見られる地域もあり、市場全体で調整局面に入っていると考えられます。
前年同月比では高松市(+0.818%)以外はすべてマイナスで、特に沖縄県(-12.12%)、広島市(-10.04%)などでの下落が顕著です。これは、昨年春の価格が一時的に高騰していた反動、あるいは消費者の節約志向による需要の弱さが一因と考えられます。
地域別の価格差とその背景
価格の高い都市では金沢市(338円/kg)、京都市(312円/kg)、東京都(308.3円/kg)が上位を占めており、これは以下の理由によるものと見られます:
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消費地であり、輸送・保管コストが高い
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高品質・ブランド野菜への需要が根強い
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観光都市であるため、業務需要が多い
一方、価格の低い都市としては福岡市(219.3円/kg)、沖縄県(256.3円/kg)、札幌市(265円/kg)などが挙げられます。これらの地域では:
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地元生産物の流通比率が高く、輸送コストが抑えられている
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地価や人件費が相対的に安いため、市場全体での調整が早い
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価格競争が激しく、価格が低めに抑えられる傾向がある
今後の動向と期待される政策対応
■短期的な展望
今後数か月は、春から初夏にかけての収穫増加により、価格はやや落ち着く見込みです。しかし、気温の急上昇や梅雨入りの遅れ・豪雨による災害などが起これば、供給不足で価格反転の可能性もあります。
■中長期的な展望
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スマート農業の導入や流通構造の改革により、コスト低減が進めば、価格の安定が期待されます。
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一方で、農業就業人口の高齢化や資材価格の高騰が継続すれば、一定の物価上昇圧力は避けられません。
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地方と都市部の価格格差は今後も維持される見通しで、輸送網の見直しや分散型物流の導入などが求められます。
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