2025年5月までの野菜価格動向:都市別の価格差と下落傾向を詳解

野菜価格(都市別)

全国の卸売市場における野菜価格は、2025年5月時点で平均250円/kgと大幅に下落。地域によって価格に大きな差があり、金沢や東京は高く、福岡や沖縄は低価格。気候や物流、地場供給力の違いが要因で、今後も短期的な価格回復と中長期的な地域格差の拡大が見込まれる。

野菜全体の卸売り市場価格

野菜全体の高い順

2025年5月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 金沢市 東京都 京都市 仙台市 横浜市 札幌市 高松市 主要市場 北九州市 名古屋市
最新値[円/kg] 250 295 276.3 265.7 261.7 260.7 260 259 254.7 254.3 253.3
前月比[%] -10.74 -12.72 -10.38 -14.85 -7.101 -9.906 -1.887 -9.756 -10.75 -4.745 -8.654
前年同月比[%] -14.93 -13.83 -11.05 -14.85 -8.292 -11.54 -7.693 -15.64 -13.67 -12.7 -12.74

野菜全体の安い順

2025年5月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福岡市 沖縄県 広島市 大阪市 名古屋市 北九州市 主要市場 高松市 札幌市 横浜市
最新値[円/kg] 250.7 191.7 201.3 234.7 241 253.3 254.3 254.7 259 260 260.7
前月比[%] -10.86 -12.61 -21.46 -12.65 -14.44 -8.654 -4.745 -10.75 -9.756 -1.887 -9.906
前年同月比[%] -15.06 -16.67 -30.97 -23.89 -17.18 -12.74 -12.7 -13.67 -15.64 -7.693 -11.54

野菜全体の推移

野菜全体の市場価格
野菜全体の市場価格

最新の価格データ

最新データ

その他のデータとグラフ

野菜全体の価格についての推移と展望

2008年以降、日本の卸売市場における野菜の価格は季節要因や気候変動の影響を受けつつも、概ね安定した推移を見せてきました。直近(2025年5月)の全国平均は250円/kgで、前月比では-10.74%と大幅な下落となりました。これは例年にない天候不順や流通量の急増などが要因と考えられます。

 最近の課題と背景要因

最近の価格下落の要因には、以下のような背景が見られます。

  • 供給過多:温暖な気候で育成が早まり、出荷が集中したことによる価格下落。

  • 消費の鈍化:物価高による節約志向が続き、野菜の購入量自体が減少。

  • 流通の課題:人手不足や物流コストの上昇により、市場に届くまでの価格調整が難化。

特に沖縄県(-21.46%)、京都市(-14.85%)、大阪市(-14.44%)などでは、前月比・前年比ともに大きな減少が目立ちます。過去に比べて下落幅が大きく、価格の不安定さが際立っています。

 地域別価格の特色と格差

現在の価格の高い順・低い順を見ると、次のような地域差が明確です:

高価格地域:

  • 金沢市:295円/kg(全国最高)

  • 東京都:276.3円/kg

  • 京都市:265.7円/kgこれらの地域では、地場産出が限られ外部依存度が高いため、流通コストが価格を押し上げる傾向があります。

低価格地域:

  • 福岡市:191.7円/kg

  • 沖縄県:201.3円/kg

  • 広島市:234.7円/kgこれらの地域は比較的地場生産が盛んで、流通距離も短いため、価格が抑えられやすくなっています。

また、札幌市(260円/kg)などの北国では保存型作物(じゃがいも、玉ねぎ等)の出荷が中心で価格が安定する傾向にあります。

 今後の価格推移の予想と期待

今後の見通しとして、以下のような展開が予想されます:

  • 短期的には価格回復の兆し春から初夏にかけての需給調整によって、現在の下落傾向は1時的と見られ、価格は徐々に回復する見通しです。

  • 中長期的にはさらなる地域格差の拡大も生産者の高齢化や担い手不足が進む中、地場供給が難しくなる都市では価格が上昇する1方、物流の効率化が進む地域では抑制傾向が強まり、地域間格差が拡大する可能性があります。

  • 輸入野菜との競合円安の影響を受けながらも、輸入野菜の価格が安価である場合、国産野菜の競争力維持が課題となり、市場価格の上下動にさらなる影響を与える可能性があります。

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