【2025年最新】全国卸売市場の輸入果実価格動向と地域別の特徴・今後の展望分析

果物価格(都市別)

2025年6月現在、全国の輸入果実市場価格は平均350.3円/kgで、広島・仙台など一部都市では高騰。一方で大半の都市では前年より価格下落傾向にある。数量は全国で増加しており、輸入安定と需要回復が背景。為替、物流、品質などが価格変動に影響を与えている。今後は2極化する市場戦略がカギとなる。

輸入果実の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]主要比前年同月比[%]
主要市場350.3100-7.728
1広島市409116.7+8.01
2仙台市409116.7+4.071
3東京都398.3113.7-5.759
4大阪市394.3112.6-7.867
5神戸市386110.2-20.85
6高松市382109-2.633
7名古屋市368105-3.412
8北九州市348.799.53-5.08
9沖縄県341.397.43-2.385
10横浜市340.397.15-10.99
11札幌市338.396.57-3.243
12金沢市33194.48+13.62
13京都市27377.93-34.22
14福岡市26776.21-3.957

市場価格の推移

輸入果実の市場価格

全国の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]主要比前年同月比[%]
主要市場20.03100+5.962
1大阪市5.5527.71+3.835
2福岡市3.17215.84+7.054
3名古屋市2.47912.38-0.562
4京都市1.919.536+84.54
5北九州市1.1665.822-5.126
6東京都1.1285.632+6.818
7金沢市0.9134.558-13.71
8札幌市0.7993.989+9.153
9仙台市0.7873.929+12.11
10横浜市0.713.545+18.14
11広島市0.5082.536+7.4
12神戸市0.4842.416-37.22
13沖縄県0.2951.473-1.007
14高松市0.1260.629-14.29

卸売数量の推移

輸入果実の卸売数量

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

輸入果実の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点における全国主要市場の輸入果実の平均価格は350.3円/kgである。この価格は、果実全体の平均に比べやや低水準にあるが、地域別では価格に大きなばらつきが見られる。

卸売数量に関しては、全国主要市場で20.03ktと、前年同月比で+5.962%の増加を示しており、価格の下落傾向とは対照的に、全体的な需要拡大の兆しがあるといえる。


都市別の価格構造と特徴

輸入果実の価格の上位都市は以下の通り:

  • 広島市:409円/kg(+8.01%)

  • 仙台市:409円/kg(+4.071%)

  • 東京都:398.3円/kg(-5.759%)

  • 大阪市:394.3円/kg(-7.867%)

  • 神戸市:386円/kg(-20.85%)

広島市と仙台市は例外的に価格上昇しており、これはおそらく高級果実(例:アメリカ産チェリーやマンゴー)の取り扱いが拡大したことが影響していると推察される。1方、神戸市や横浜市では前年同月比で大幅な価格下落が見られ、価格競争や在庫調整による調整局面が読み取れる。


卸売数量の多い都市とその傾向

卸売数量の多い順で見ると:

  • 大阪市:5.55kt(+3.835%)

  • 福岡市:3.172kt(+7.054%)

  • 名古屋市:2.479kt(-0.562%)

  • 京都市:1.91kt(+84.54%)

  • 北9州市:1.166kt(-5.126%)

大阪市は安定した流通量を保ちつつ、やや価格は下がっているため、輸入果実のコストパフォーマンスに優れる商材が主流とみられる。福岡市と京都市は著しい数量増があり、特に京都市の+84.54%は目を引く。これは小売・観光地需要の回復や、新たな供給ルートの開拓が背景にあると考えられる。


価格高騰・下落の背景と原因分析

輸入果実の価格変動には以下の要因がある:

  1. 為替変動 円安傾向の進行は輸入コストを押し上げるが、市場価格に転嫁しきれず、利益率が圧迫され価格下落を招くことも。

  2. 物流の回復と拡充 コロナ禍後の国際物流回復により、在庫が安定供給されるようになり、1部果実では価格が平常化。これにより市場価格が下落している都市も多い。

  3. 国際需給の変動 米国・南米などからの輸入品において、現地の天候異常や収穫期のずれが価格に影響。高温による小玉化などで品質差が価格差に表れたとみられる。

  4. 国内産果実との競合 価格が競合する時期(例:バナナと国産柑橘、ブドウと輸入チェリー)では価格調整が行われやすく、結果として輸入果実価格の押し下げに働く。


輸入果実の種類と流通特性

主な輸入果実には以下がある:

  • バナナ(フィリピン・エクアドル):価格安定・輸入量最大

  • オレンジ・グレープフルーツ(米国・南アフリカ)

  • キウイフルーツ(ニュージーランド)

  • チェリー・マンゴー(米国・メキシコ・ペルー)

これらは、季節性・贈答需要・機能性果実(健康志向)などによって価格・需要が左右されやすい。バナナのような基礎的果実は価格安定性が高く、1方で高級果実は都市ごとの販売戦略や嗜好性の違いに大きく影響される。


今後の展望と政策的課題

  • 脱円安依存のサプライチェーン強化 為替に左右されにくい調達体制の構築が必要。

  • 国際認証(GAP等)取得による安定調達 食の安全性確保と輸入元の信頼確保が市場価格の安定化に寄与。

  • 低価格帯と高級品の2極化戦略 日常消費向けと贈答・高級品向けに分けた販売戦略の構築が進む。

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