全国の柿の価格は都市ごとに大きな差があり、北九州や神戸など都市部では高価格を記録。一方、八戸や鳥取では価格が低迷。価格変動も大きく、今後はブランド化や流通改善が課題。価格安定にはデータ活用や地域連携がカギとなる。
柿のデータとグラフ
柿の高い順
主要市場 | 北九州市 | 神戸市 | 広島市 | 京都市 | 大阪市 | 名古屋市 | 高松市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2025年3月 | 2025年1月 | 2025年2月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年3月 | 2025年1月 |
最大期 | 2024年6月 | 2012年8月 | 2016年8月 | 2022年8月 | 2016年6月 | 2011年7月 | 2014年6月 | 2013年7月 |
最新値[円/kg] | 562 | 645 | 613 | 601 | 586.7 | 574.7 | 574 | 569 |
最大値[円/kg] | 1340 | 1890 | 874 | 1437 | 1743 | 1323 | 3024 | 1729 |
前月比[%] | -4.15 | 43.87 | 49.27 | 16.85 | 48.15 | 29.43 | 3.113 | 20.13 |
平均比[%] | 100 | 114.8 | 109.1 | 106.9 | 104.4 | 102.3 | 102.1 | 101.2 |
柿の安い順
主要市場 | 水戸市 | 三重県 | 函館市 | 広島市 | 富山市 | 豊橋市 | 岐阜市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2025年2月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2024年6月 | 2010年7月 | 2014年7月 | 2010年7月 | 2022年8月 | 2019年7月 | 2012年7月 | 2019年7月 |
最新値[円/kg] | 562 | 385 | 264 | 366 | 601 | 515 | 168 | 221 |
最大値[円/kg] | 1340 | 1225 | 1391 | 1082 | 1437 | 1410 | 945 | 1814 |
前月比[%] | -4.15 | 14.24 | 57.14 | 46.99 | 16.85 | 52.37 | 20.86 | -4.329 |
平均比[%] | 100 | 68.51 | 46.98 | 65.12 | 106.9 | 91.64 | 29.89 | 39.32 |

柿の推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
柿の価格についての推移と展望
日本の農業において、果実価格は気候、需要、収穫量、輸送コストなど多くの要因に左右されます。とくに「柿」は秋の風物詩として広く消費されている果実であり、その価格動向は地域経済や消費動向にも影響を与えます。今回は、2021年から2025年3月までのデータをもとに、全国の柿の価格動向を都市別に比較・分析し、今後の展望を探ります。
全国平均と価格上位都市の動き
最新の全国平均価格
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562円/kg(2025年3月時点)
高価格都市とその背景
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北九州市(645円/kg):全国平均比で114.8%、前月比43.87%の大幅上昇
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神戸市(613円/kg):平均比109.1%、前月比49.27%
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広島市(601円/kg)、京都市(586.7円/kg)、大阪市(574.7円/kg)、名古屋市(574円/kg)、高松市(569円/kg)
これらの都市は大都市圏に近く、流通経路や需要の強さ、ブランド柿の存在などが価格上昇の要因と見られます。前月比で大幅に上昇しているのは季節的な供給減や需要の集中も影響していると考えられます。
価格の低い地域とその特徴
低価格都市
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八戸市(151円/kg):平均比26.87%、前月比は-52.06%と急落
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鳥取市(206円/kg)
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岐阜市(221円/kg)
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久留米市(238円/kg)
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鹿児島市(291円/kg)
これらの都市は産地型で供給が多い、あるいは市場規模が小さく価格競争が激しいなどの特徴があります。特に八戸市では前月比で価格が半減しており、供給過剰や品質要因、販路の課題が背景にあると見られます。
最近の問題と課題
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地域ごとの価格格差の拡大都市部と地方部で価格差が倍以上に開いており、生産者の収益性や流通の公平性に課題があります。
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価格変動の激しさ一部都市で月単位で30~50%の変動が見られ、安定供給や販売戦略の見直しが必要です。
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平均価格の高騰と消費者負担全国平均が562円/kgと高水準にあり、消費者の購買意欲低下も懸念されます。
今後の展望と期待
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生産地ブランド化による価格安定化高価格帯の都市はブランド柿や高品質路線が奏功しており、地方でもそのような付加価値戦略が期待されます。
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地域連携による流通改善中小産地間での流通連携や共同販路の整備により、安定的な市場形成が進む可能性があります。
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データ活用と気候対応型栽培価格の変動要因に対して、生産者が市場データや気象情報を活用することで、計画的な出荷が促され、価格の安定化に繋がります。
まとめ
全国的に見ると、都市部での需要集中とブランド化が柿の高価格を支えていますが、地方部では供給過多や販路課題から低価格傾向が続いています。今後は地域ごとの課題に応じた流通・生産・販売の改革が求められ、特に地方都市での価値創造が重要となるでしょう。
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