情報通信業の給与動向|男女・雇用別格差とDX時代の展望

各産業



情報通信業の平均給与は43.69万円で、前年比4.6%の増加と堅調に推移。正社員の待遇は上昇傾向にあり、女性の給与伸び率も高い。一方で、男女間や非正規との格差は依然大きく、DX推進と多様な働き方の整備が今後の鍵となる。

男女別の給料の推移

最近の給料データ

合計 男性計 一般労働者 女性計 パートタイム労働者
最新 2025年1月 2025年1月 2025年1月 2025年1月 2025年1月
最大期 2024年12月 2024年12月 2024年12月 2024年12月 2024年12月
最新値[万円] 43.69 47.39 45.13 35.21 14.07
最大値[万円] 99.27 111.5 104.8 72.7 17.77
前年同月比[%] 4.615 3.5 3.735 8.158 0.3659

 

情報通信業の給料の推移

給料の推移
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

日本の全産業の労働者数の特徴

情報通信業は、デジタル社会の中核を担う産業であり、IT技術の進展とともに成長してきました。本稿では、この業界における給与の特徴や男女別・雇用別の格差、最近の動向と今後の展望について考察します。


全体の給与水準とその動向

  • 最新の平均給与(5人以上計):43.69万円

  • 前年同月比:+4.615%

情報通信業の給与水準は、全産業平均よりも高く、高度専門職が多い産業特性を反映しています。前年同月比で4.6%と堅調な伸びを示しており、デジタル人材需要の高まりが背景にあります。


雇用形態別の特徴と現状の課題

一般労働者(正規雇用)

  • 平均給与:45.13万円(前年比 +3.735%)

正社員の給与は業界の中核を成し、エンジニア、プログラマー、コンサルタントなどが多くを占めます。AI・DX(デジタル変革)対応人材が重視され、報酬水準は引き上げ傾向です。

パートタイム労働者

  • 平均給与:14.07万円(前年比 +0.3659%)

パート労働者の給与は伸びが鈍く、ほぼ横ばいです。業務内容の多くが補助的・単純作業に集中しており、スキル反映型の報酬体系が適用されにくい構造が課題となっています。


男女別の給与格差とその背景

男性労働者

  • 平均給与:47.39万円(前年比 +3.5%)

依然として男性が業界の主要技術職を占め、給与水準も高めです。長時間労働や高度専門性を要する業務が中心であることが反映されています。

女性労働者

  • 平均給与:35.21万円(前年比 +8.158%)

女性の給与は前年比で大きく伸びていますが、依然として約12万円の差が存在します。原因には、技術職や管理職への登用の遅れや、非正規雇用比率の高さが挙げられます。一方、リモートワークの普及により就業継続がしやすくなったことは、女性の活躍を後押ししています。


業界特有の背景と現在の構造的課題

技術革新のスピードと賃金形成

技術革新の進展により、一部のスキルに特化した人材の需要と報酬が急上昇しています。これにより、給与格差が社内外で広がる可能性が指摘されています。

人材流動性の高さと給与水準の差

情報通信業は他業種に比べて転職市場が活発であり、外資系・ベンチャー企業への流出も多いため、給与水準が企業規模によって大きく変動します。


今後の展望と期待される変化

DX推進による高報酬層の拡大

政府主導のDX(デジタルトランスフォーメーション)政策の加速により、専門技術を持つ人材はさらに評価が高まり、給与水準の上昇が続くと見られます。

女性の職域拡大と賃金是正

今後、女性エンジニアやマネジメント層の育成・登用が進むことで、男女間の賃金格差は緩和される見込みです。すでにリモートワーク環境を活かした柔軟な働き方改革が成果を見せ始めています。

パート・非正規の待遇改善は限定的か

非正規雇用については、今後もスキルの反映が遅れ、待遇改善のペースは緩やかと予想されます。一方で、業務委託型(フリーランス)との競合も生まれつつあります。


まとめ

情報通信業は、給与水準は高く、上昇基調が続く好調な産業である一方、男女間や雇用形態間の格差が依然として課題です。今後は、DX人材の強化とともに、構造的な格差是正と多様な働き方の受け皿整備が重要なテーマとなります。

 

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