日本の建設業労働者数減少の背景と人手不足問題の現状

労働者数
勤労統計各産業



毎月勤労統計調査

毎月勤労統計調査全国調査は、日本標準産業分類に基づく16大産業の常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を毎月把握する調査です。約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象に、名目賃金や実質賃金、労働時間などのデータを収集します。2012年から最新のデータを含め労働者数や給料のデータをグラフ化しています。

 

男女別、雇用別の最新と最大データ

全体平均 一般労働者 男性計 女性計 パートタイム労働者
最新 2025年1月 2024年12月 2024年12月 2024年12月 2024年12月
最大期 2017年12月 2017年12月 2017年12月 2023年12月 2017年12月
最新値[万人] 254.4 241.1 202.9 51.56 13.44
最大値[万人] 308.7 288.9 256.4 54.39 19.83
前月比[%] -0.05513 0.2275 0.5915 -0.5679 2.687
前年同月比[%] 2.159 -7.631 -9.47 -5.206 -23.57

従業員数規模別の最新と最大データ

5-29人 30-99人 100-499人 1000人以上 500-999人
最新 2025年1月 2025年1月 2025年1月 2024年12月 2024年12月
最大期 2017年12月 2019年8月 2015年7月 2017年6月 2023年5月
最新値[万人] 156.1 56.7 31.37 5.705 4.548
最大値[万人] 209.6 61.33 35.64 7.575 7.458
前月比[%] -0.05905 0.111 -0.2899 0.05613 -0.04615
前年同月比[%] 2.725 -0.3192 3.987 -12.55 -34.92

建設業の労働者数の傾向

日本の建設業の労働者数は、2012年から2025年にかけて変動を続けており、最新のデータでは5人以上の事業所での労働者数が254.4万人となっています。過去の最大値である308.7万人から減少しており、業界全体として人手不足が懸念される状況にあります。この減少の背景には、高齢化による労働力の減少、若年層の建設業離れ、経済の変動による建設需要の変化などが影響していると考えられます。

男女別・雇用別の労働者数の特徴

男女別の特徴

建設業では男性労働者が圧倒的に多く、最新のデータでは男性労働者が202.9万人、女性労働者が51.56万人となっています。過去の最大値と比較すると、男性労働者は256.4万人から減少、女性労働者も54.39万人から減少しており、特に男性労働者の減少幅が大きいことが分かります。

雇用別の特徴

一般労働者は241.1万人であり、業界全体の大半を占めています。一方で、パートタイム労働者は13.44万人と少数ですが、過去の最大値19.83万人と比較すると減少しています。建設業はフルタイムの職種が中心であるため、パートタイムの比率は低い傾向があります。

企業規模別の労働者数の特徴

企業規模別に見ると、小規模事業者(5-29人)が最も多く、最新のデータでは156.1万人となっています。これは建設業の多くが中小企業で構成されていることを示しています。

  • 5-29人: 156.1万人(過去最大209.6万人)

  • 30-99人: 56.7万人(過去最大61.33万人)

  • 100-499人: 31.37万人(過去最大35.64万人)

  • 500-999人: 4.548万人(過去最大7.458万人)

  • 1000人以上: 5.705万人(過去最大7.575万人)

全体として、小規模事業者ほど労働者数の減少幅が大きい傾向にあり、特に5-29人規模の企業では最大値の209.6万人から156.1万人へと大幅に減少しています。

建設業の労働者数減少の課題と今後の展望

課題

  1. 高齢化と人手不足: ベテラン技術者の引退が進む一方で、若年層の建設業への就業が少なく、技術の継承が課題となっています。

  2. 女性労働者の増加の停滞: 過去の最大値から減少しており、女性が働きやすい環境整備が必要です。

  3. 中小企業の人材確保: 労働者の減少が特に小規模事業者で顕著であり、若手人材の確保が急務となっています。

  4. 労働環境の改善: 長時間労働や過酷な作業環境が建設業の就業意欲を低下させているため、労働条件の改善が求められています。

今後の期待

  1. 若手労働者の確保: IT技術や自動化技術の導入により、若年層が興味を持ちやすい職場環境を作ることが重要です。

  2. 女性の活躍推進: 女性が働きやすい職場環境の整備や、育児支援の充実により、女性労働者の増加が期待されます。

  3. 中小企業の支援: 技能実習制度の拡充や外国人労働者の受け入れ拡大により、人手不足の解消が求められます。

  4. 労働環境の改善: AIやロボット技術を活用し、労働負担を軽減することで、労働環境の改善が期待されます。

まとめ

日本の建設業の労働者数は減少傾向にあり、特に男性労働者の減少幅が大きいことが特徴です。また、小規模事業者での労働者減少が顕著であり、業界全体の課題として人手不足が挙げられます。今後は若手労働者の確保、女性の活躍推進、労働環境の改善が求められ、技術革新を活用した建設業の発展が期待されます。

労働者数の推移

月間の労働者数の増減

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