日本の建設業における労働時間の変化と働き方改革の影響

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毎月勤労統計調査

毎月勤労統計調査全国調査は、日本標準産業分類に基づく16大産業の常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を毎月把握する調査です。約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象に、名目賃金や実質賃金、労働時間などのデータを収集します。2012年から最新のデータを含め労働者数や給料のデータをグラフ化しています。

 

建設業の労働時間の最新と最大データ

全体平均 男性計 一般労働者 女性計 パートタイム労働者
最新 2025年1月 2024年12月 2024年12月 2024年12月 2024年12月
最大期 2013年11月 2013年11月 2013年11月 2014年7月 2014年7月
最新値[時間] 146.9 169.2 168.5 144.3 84.2
最大値[時間] 181.7 186.5 185.5 158.8 115.1
前月比[%] -10.54 -2.982 -2.657 -1.367 -3.107
前年同月比[%] 1.171 -1.226 -1.231 2.705 -3.991

建設業の労働日数の最新と最大データ

男性計 一般労働者 女性計 パートタイム労働者
最新 2024年12月 2024年12月 2024年12月 2024年12月
最大期 2013年11月 2013年11月 2014年7月 2014年7月
最新値[日] 20.4 20.3 18.7 14.3
最大値[日] 22.7 22.6 20.9 17.8
前月比[%] -2.857 -2.871 -2.094 -2.055
前年同月比[%] -1.449 -1.932 0.5376 -0.6944

建設業の労働時間と労働日数の傾向

日本の建設業の労働時間は、経済の動向や労働市場の影響を受けながら推移してきました。本稿では、2012年1月から2025年1月までのデータを基に、建設業における労働時間の傾向や特徴を分析し、今後の展望について考察します。

建設業の平均労働時間の推移

最新のデータ(2025年1月時点)によると、5人以上の事業所における平均労働時間は146.9時間です。これは過去の最大値181.7時間と比較すると低下しており、労働環境の変化や働き方改革の影響が反映されていると考えられます。

男女別の労働時間の差

建設業では、男性と女性の労働時間に違いが見られます。最新のデータでは、

  • 男性労働者の最大労働時間:169.2時間

  • 女性労働者の最大労働時間:144.3時間この差は、男性の方が現場作業や長時間勤務を伴う業務に従事する傾向が強いことが一因と考えられます。

雇用形態別の労働時間の違い

雇用形態別に見ると、

  • 一般労働者の最大労働時間:168.5時間

  • パートタイム労働者の最大労働時間:84.2時間フルタイム勤務が前提となる建設業において、パートタイム労働者の労働時間が短いのは当然の結果といえます。

企業規模別の労働時間の特徴

企業規模別に見ると、労働時間の違いが明確になります。最新のデータでは、

  • 男性労働者の最大労働日数:20.4日

  • 女性労働者の最大労働日数:18.7日

  • パートタイム労働者の最大労働日数:14.3日従業員数が多い企業では比較的労働時間が長くなる傾向があり、これは大規模プロジェクトの管理や工期の厳守が影響していると考えられます。

労働時間の課題と今後の展望

建設業の労働時間に関する主な課題として、

  1. 長時間労働の改善

  2. 男女間の労働環境の格差是正

  3. パートタイム労働者の労働環境向上が挙げられます。今後、働き方改革や技術革新の進展により、労働時間の短縮や柔軟な働き方の導入が進むことが期待されます。

まとめ

建設業の労働時間は、経済状況や雇用環境の変化に応じて変動してきました。男女別、雇用別、企業規模別の違いを理解し、より良い労働環境を整備することが求められます。今後の動向を注視しながら、業界全体で持続可能な働き方を模索する必要があります。

建設業の労働時間の推移

建設業の労働日数の推移

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