日本の小豆生産は1883年以降、農業政策や食文化の変化で増減を繰り返しました。2023年のデータでは、作付け面積は2.48万ha、収穫量は3.09万tで、北海道が圧倒的に多く、作付け面積の84.27%、収穫量の94.17%を占めています。近畿や関東・東山、四国などでは生産量が少なく、地域ごとに格差があります。課題は輸入依存と農業従事者の減少で、価格競争が激化し、北海道でも気候変動や労働力不足が影響を与えています。
小豆のデータとグラフ
小豆の作付け面積の全国データ
全国 | 北海道 | 近畿 | 東北 | 中国 | 関東・東山 | 北陸 | 九州 | 東海 | 四国 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 | 2021年 |
最大期 | 1931年 | 1961年 | 1959年 | 1958年 | 1956年 | 1955年 | 1955年 | 1957年 | 1957年 | 1957年 |
最新値[万ha] | 2.48 | 2.09 | 0.143 | 0.0735 | 0.0699 | 0.0683 | 0.0322 | 0.0264 | 0.0107 | 0.0066 |
最大値[万ha] | 17.63 | 6.8 | 0.336 | 2.62 | 1.08 | 2.21 | 0.833 | 1.24 | 0.57 | 0.209 |
前年比[%] | 6.897 | 9.424 | 15.32 | -18.15 | -4.508 | -24.61 | -1.829 | -15.92 | -6.957 | -22.35 |
全体比[%] | 100 | 84.27 | 5.766 | 2.964 | 2.819 | 2.754 | 1.298 | 1.065 | 0.4315 | 0.2661 |
小豆の収穫量の全国データ
全国 | 北海道 | 関東・東山 | 東北 | 近畿 | 中国 | 九州 | 北陸 | 東海 | 四国 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 |
最大期 | 1961年 | 1961年 | 1957年 | 1957年 | 1960年 | 1955年 | 1957年 | 1957年 | 1957年 | 1957年 |
最新値[万t] | 3.09 | 2.91 | 0.0805 | 0.0652 | 0.0633 | 0.0349 | 0.0193 | 0.0153 | 0.0075 | 0.006 |
最大値[万t] | 18.49 | 11.7 | 1.91 | 2.37 | 0.273 | 1.04 | 1.06 | 0.765 | 0.541 | 0.215 |
前年比[%] | -26.6 | -25.95 | -11.54 | -36.7 | -37.94 | -38.23 | -29.3 | -40.7 | -15.73 | -9.091 |
全体比[%] | 100 | 94.17 | 2.605 | 2.11 | 2.049 | 1.129 | 0.6246 | 0.4951 | 0.2427 | 0.1942 |
小豆の10a当りの収穫量データ
全国 | 北海道 | 関東・東山 | 東北 | 四国 | 東海 | 九州 | 近畿 | 中国 | 北陸 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 | 2018年 |
最大期 | 2014年 | 2017年 | 1987年 | 1972年 | 1957年 | 1984年 | 1995年 | 1984年 | 1963年 | 1957年 |
最新値[kg] | 125 | 139 | 89 | 73 | 71 | 65 | 61 | 51 | 48 | 47 |
最大値[kg] | 240 | 278 | 103 | 97 | 103 | 97 | 112 | 104 | 101 | 95 |
前年比[%] | -30.94 | -32.52 | 4.706 | -10.98 | 14.52 | -5.797 | -7.576 | -36.25 | -30.43 | -34.72 |
全国比[%] | 100 | 111.2 | 71.2 | 58.4 | 56.8 | 52 | 48.8 | 40.8 | 38.4 | 37.6 |
小豆の農業についての推移と展望
日本の小豆生産は1883年以降、農業政策や食文化の変化とともに増減を繰り返してきました。特に、和菓子や赤飯などの需要が高い一方で、輸入小豆の増加や国内農業の高齢化が影響し、作付け面積の減少が続いています。2023年の最新データでは全国の作付け面積は2.48万ha、収穫量は3.09万tであり、生産の多くが特定の地域に集中しています。
地域別の作付け面積と生産の特色
小豆の生産は北海道が圧倒的に多く、作付け面積は2.09万ha(全国比84.27%)、収穫量は2.91万t(全国比94.17%)を占めています。北海道は広大な農地と冷涼な気候を活かし、大規模な機械化農業が進んでいます。その他の地域では、近畿(作付け面積5.77%、収穫量2.05%)や関東・東山(作付け面積2.75%、収穫量2.61%)が続きますが、全体的な生産量は限られています。四国は作付け面積0.27%、収穫量0.19%と最も少なく、地域による生産規模の格差が顕著です。
近年の課題と問題点
国内小豆生産の最大の課題は、輸入依存度の高さと農業従事者の減少です。特に小豆は国内需要が高いものの、安価な海外産の流入により価格競争が激化し、生産コストの高い国内農業の持続が難しくなっています。また、作付け面積の大半を占める北海道でも、気候変動による影響や労働力不足が課題となっています。
今後の推移と必要な技術
今後の小豆生産を安定させるためには、以下のような技術革新や対策が必要です。
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機械化とスマート農業の推進: 労働力不足を補うため、ドローンやAIを活用した精密農業の導入が求められます。
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品種改良と耐候性向上: 気候変動に対応できる高収量・耐病性の品種開発が必要です。
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輸入依存の見直しと国内需要の確保: 国内産小豆のブランド化や付加価値の向上を通じて、消費者に支持される国産品の強化が重要です。
まとめ
日本の小豆生産は、北海道を中心に展開されており、大規模機械化農業によって高い生産量を維持しています。しかし、輸入品との競争や農業従事者の減少といった課題があり、持続的な生産のためには技術革新や政策支援が不可欠です。今後は、機械化・品種改良を進めることで安定した生産を目指し、国内市場での競争力を高めることが求められます。
作付け面積と収穫量の推移


直近の作付け面積と収穫量の割合


10a面積当たりの収穫量と作況指数

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