日本全国のレタス価格は季節や気候、輸送コストに大きく左右され、2025年3月の全国平均価格は215円/kgで、過去に比べやや高め。特に北海道・東北地方では冬季の供給制約が価格高騰の主因。一方、九州や西日本地域では安定した地元生産と低い物流コストから価格が安定している。
レタスのデータとグラフ
レタスの高い順
主要市場 | 室蘭市 | 函館市 | 青森市 | 高岡市 | 盛岡市 | 八戸市 | 札幌市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2011年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2011年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2025年3月 |
最大期 | 2024年12月 | 2009年1月 | 2012年12月 | 2017年12月 | 2011年2月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2017年12月 |
最新値[円/kg] | 215 | 359 | 323 | 297 | 290 | 280 | 275 | 270.3 |
最大値[円/kg] | 419.7 | 443 | 561 | 639 | 340 | 574 | 555 | 685 |
前月比[%] | -26.7 | 93.01 | -12.94 | 55.5 | 97.28 | 39.3 | 35.47 | -22.76 |
平均比[%] | 100 | 167 | 150.2 | 138.1 | 134.9 | 130.2 | 127.9 | 125.7 |
レタスの安い順
主要市場 | 下関市 | 北九州市 | 宮崎市 | 長崎市 | 熊本市 | 鹿児島市 | 宇都宮市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2011年12月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2024年12月 | 2011年9月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2017年12月 | 2017年12月 |
最新値[円/kg] | 215 | 114 | 133.3 | 105 | 120 | 130 | 108 | 218 |
最大値[円/kg] | 419.7 | 352 | 441 | 518 | 529 | 395 | 482 | 581 |
前月比[%] | -26.7 | 50 | -32.89 | 11.7 | 12.15 | 41.3 | 25.58 | 46.31 |
平均比[%] | 100 | 53.02 | 62.01 | 48.84 | 55.81 | 60.47 | 50.23 | 101.4 |

レタスの推移


最新の価格データ

その他のデータとグラフ
レタスの価格についての推移と展望
日本におけるレタスの価格は、気候や生産地の供給状況、輸送コストなどの要因に大きく左右されており、季節ごとに大きな変動があります。2025年3月時点の全国平均価格は215円/kgで、過去の傾向と比較するとやや高値圏にあります。とくに2024年から2025年にかけては、異常気象や燃料費の高騰、輸送費の増加などが影響して、全体的な価格の上昇傾向がみられます。
価格の高い地域の特徴と背景
以下の都市では、全国平均を大きく上回る価格となっています。
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室蘭市:359円/kg(平均比167%、前月比+93.01%)
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函館市:323円/kg(平均比150.2%、前月比-12.94%)
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青森市:297円/kg(平均比138.1%、前月比+55.5%)
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高岡市:290円/kg(平均比134.9%、前月比+97.28%)
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盛岡市:280円/kg(平均比130.2%、前月比+39.3%)
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八戸市:275円/kg(平均比127.9%、前月比+35.47%)
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札幌市:270.3円/kg(平均比125.7%、前月比-22.76%)
これらの地域に共通しているのは、気候が寒冷で、冬場の地元生産が難しいことから、他地域からの輸送に頼っている点です。とくに北海道・東北地方では、冬季における供給制約が価格高騰の大きな要因となっています。また、2025年初頭の気温や降雪の影響により、供給減と物流費の上昇が顕著になっていると考えられます。
価格の低い地域の特色
一方、以下の地域では比較的安価にレタスが流通しています。
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宮崎市:105円/kg(平均比48.84%、前月比+11.7%)
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鹿児島市:108円/kg(平均比50.23%、前月比+25.58%)
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長崎市:120円/kg(平均比55.81%、前月比+12.15%)
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下関市:114円/kg(平均比53.02%、前月比+50%)
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熊本市:130円/kg(平均比60.47%、前月比+41.3%)
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北九州市:133.3円/kg(平均比62.01%、前月比-32.89%)
九州や西日本地域では、比較的温暖な気候と安定した地元生産が可能であること、そして物流コストも比較的抑えられる点から、価格が安定・低水準に保たれています。特に宮崎や鹿児島などでは、冬季でも露地または簡易ハウスでの栽培が可能であることが利点です。
現在の問題点と課題
現在の価格動向からは以下の課題が浮き彫りになっています:
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寒冷地の価格上昇が顕著で、地域格差が広がっている。
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物流費の高騰が地方の価格に直結しており、都市ごとの価格差が過去よりも大きくなっている。
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前月比で急騰している地域が複数存在し、消費者や販売業者にとっては価格変動への対応が困難になっている。
特に室蘭市や高岡市のように、前月比で約2倍近い価格上昇を記録している地域では、需要と供給のバランスに加え、輸送体制の脆弱さが問題とされています。
今後の期待と価格予想
今後のレタス価格の動向は、以下の要因に左右されると考えられます:
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春以降の気温上昇による生産回復:例年、春から初夏にかけては供給が安定し、価格も落ち着く傾向があります。
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燃料費・輸送費の動向:これが落ち着けば、遠隔地の価格も徐々に平均に近づくと予想されます。
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地域自給率の向上施策:寒冷地でもLED栽培などによる周年供給体制が進めば、価格安定が期待されます。
しかし、短期的には高騰地域と低価格地域の二極化が継続する可能性が高く、政策的な対応や補助制度の整備が求められます。
まとめ
都市別のレタス価格の違いは、気候、輸送コスト、生産体制の差異から生じており、今後の農業政策や気候変動の影響を受けながら、変動が続くと見られます。価格の安定には、地域ごとの自給力強化と物流体制の効率化が鍵となります。
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