教養娯楽支出は福岡・さいたまが突出!都市別文化投資を徹底分析

教育・教養

2025年4月の教養娯楽支出は全国平均3.3万円。福岡市が5.4万円で首位、さいたま市や宇都宮市も高水準。東京都区部や名古屋市も堅調で、文化・知的活動への投資が地域ごとに大きく異なる。購入回数では佐賀市や岡山市が上位に入り、支出金額との違いも明確に表れた。

教養娯楽の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年5月
降順昇順
都市名支出額[万円]全国比[%]前年同月比[%]
全国3.331100+14.4
1東京都区部5.635169.2+35.67
2岡山市4.98149.5+29.76
3水戸市4.575137.4+37.37
4さいたま市4.419132.7-2.34
5長野市4.348130.6+34.17
6川崎市4.304129.2+39.8
7堺市4.277128.4+52.11
8名古屋市4.103123.2+31.19
9岐阜市3.895116.9+30.3
10大分市3.877116.4+25.9
11奈良市3.849115.6+14.5
12千葉市3.536106.2+22.94
13相模原市3.484104.6-4.793
14金沢市3.453103.7+21.04
15札幌市3.446103.4+33.5
16福岡市3.41102.4+17.44
17富山市3.389101.7+4.891
18横浜市3.32499.8+3.358
19広島市3.28698.65+26.99
20宮崎市3.25997.86+28.65
21鹿児島市3.18495.6+64.78
22佐賀市3.13394.06-4.584
23大津市3.08692.66-4.541
24甲府市3.07292.23+5.166
25山形市3.0792.19+4.393
26大阪市3.06892.12+18.66
27津市3.02490.79-17.13
28宇都宮市2.92887.9+12.19
29鳥取市2.88286.54-10.48
30松山市2.87486.28+42.93
31徳島市2.80584.22-35.28
32熊本市2.78383.56-11.72
33京都市2.76583.01+12.13
34前橋市2.70581.23+16.51
35福井市2.70181.09+5.939
36高松市2.60178.09+18.09
37新潟市2.58177.5+10.39
38盛岡市2.56577.01+8.507
39福島市2.55176.59-11.52
40山口市2.49674.94+2.868
41静岡市2.39571.91-8.223
42仙台市2.36771.07+6.55
43神戸市2.31969.63-11.54
44高知市2.26167.87+9.823
45秋田市2.24767.45-30.14
46松江市2.24167.28-27.05
47和歌山市2.20266.11-4.007
48青森市2.14364.33-1.062
49那覇市2.04461.36+1.003
50浜松市2.02660.82-39.6
51長崎市1.97159.19+9.914
52北九州市1.85955.82-31.46

月間支出の推移

教養娯楽の支出額

世帯当りの月間購入回数

2025年5月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国10.54100+2.033
1さいたま市13.34126.6+8.279
2札幌市12.33117+30.06
3高松市12.16115.4+28.68
4水戸市11.93113.2+9.651
5新潟市11.89112.8+19.62
6岡山市11.78111.8+7.091
7大津市11.76111.6+4.72
8長野市11.51109.2+2.402
9徳島市11.16105.9-12.68
10仙台市11.11105.4+21.82
11佐賀市11.08105.1-10.14
12山口市10.94103.8+8.64
13大分市10.93103.7+6.843
14山形市10.8102.5-16.8
15鳥取市10.77102.2-8.574
16東京都区部10.77102.2-2.446
17松江市10.75102-9.74
18名古屋市10.68101.3-5.487
19福島市10.5399.91-13.19
20盛岡市10.599.62-4.459
21松山市10.4899.43-1.964
22相模原市10.4599.15+2.956
23富山市10.4499.05-14.85
24奈良市10.4298.86-20.7
25川崎市10.498.67+3.175
26秋田市10.3698.29-8.561
27千葉市10.296.77-2.017
28横浜市10.1396.11-2.031
29甲府市10.0995.73+3.807
30金沢市10.0895.64-9.515
31宇都宮市10.0695.45-7.281
32堺市10.0695.45-10.34
33浜松市9.993.93+10.86
34前橋市9.8193.07+4.251
35京都市9.7992.88+13.7
36青森市9.7792.69-6.597
37熊本市9.7292.22-10.58
38津市9.792.03+8.623
39福岡市9.6691.65+6.74
40広島市9.6291.27-5.035
41宮崎市9.5890.89+8.494
42鹿児島市9.5590.61+8.523
43大阪市9.0986.24-4.013
44福井市9.0886.15-3.712
45岐阜市8.9484.82+1.361
46神戸市8.9384.72-9.524
47高知市8.8784.16+2.543
48長崎市8.3779.41-7.309
49和歌山市8.1277.04-6.667
50静岡市7.9375.24-18.42
51北九州市7.773.06-33.85
52那覇市7.268.31+7.143

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

教養娯楽の月間支出の現状と今後

「教養娯楽」支出は、書籍・映画・音楽・旅行・趣味・スポーツ・文化活動など、知的・精神的な充実や余暇の過ごし方に関わる出費を広く含みます。これは単なる娯楽費ではなく、地域住民の文化的関心や生活水準のバロメーターとも言える指標です。

2025年4月時点における全国平均は32,950円(3.295万円)で、前年同月比で+10.81%の増加が見られました。


支出トップは福岡市 ― 豊かな都市型文化の浸透

福岡市は支出額が54,580円(5.458万円)で全国トップ。前年同月比でも+55.46%と急伸しており、特筆すべき文化消費都市といえます。大型書店やホール、映画館、アート施設が多く、かつアクセス性の高いコンパクトシティ構造が市民の娯楽活動を活発にしていると考えられます。


さいたま市・宇都宮市 ― 首都圏郊外の「知的生活層」

さいたま市(44,260円)宇都宮市(43,130円)はいずれも全国平均を大きく上回る支出を示し、前年比でもそれぞれ+32.59%、+46.6%の増加となりました。これらの都市は東京近郊でありながら、住宅地としての整備が進み、比較的高学歴・中所得の住民層が多い傾向があり、家庭での文化・趣味支出が盛んです。

また、さいたま市は月間平均12.82回の購入頻度でも全国2位と高く、書籍・趣味用品・カルチャー教室など多様なジャンルの消費が日常的に行われていることを示します。


大都市圏の安定した高支出 ― 横浜・東京・名古屋

横浜市(42,500円)東京都区部(41,260円)、名古屋市(39,120円)も教養娯楽支出が高く、文化インフラが整っている都市ならではの傾向が見られます。東京都区部は前年比+10.64%と全国平均並みの増加率で、堅調な文化消費が続いています。名古屋市は+38.99%と特に大きな伸びを示しており、エンタメ産業やイベント再開による消費喚起が背景にあると考えられます。


支出金額と回数の乖離に見る地域特性

水戸市は支出額こそ37,610円で上位に入っていますが、月間平均購入回数は11.49回と多めにもかかわらず、前年比では-6.357%と減少。これは単価の低い文化消費が中心となっており、家庭での娯楽が縮小している可能性があります。

逆に高松市徳島市熊本市では回数が11回以上で高水準でありながら、支出金額の上位には入っておらず、比較的安価な娯楽への3加が多い傾向が示唆されます。


文化支出の中心地から読み解く日本の余暇の質

このデータから見えるのは、単なる消費ではなく、各都市における「生活の質の選択の違い」です。たとえば福岡やさいたま、宇都宮のように、都市型生活を送りながらも日々の中で知的・文化的活動に多くの時間とお金を割く層が育っている地域と、地方での安価かつ頻度の高い文化活動が根付いている地域とに分かれる傾向が見られます。

支出の増加はコロナ禍以降の制限解除による反動もありますが、長期的には地域文化の成熟度や教育・所得水準に比例する部分が大きく、今後の地方創生や都市計画にも示唆を与える重要な要素です。

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