携帯電話本体価格の月間支出動向と地域差、今後の価格推移の見通し

2025年4月時点の携帯電話本体価格の全国平均は6.614万円で、東北や東海で特に高い。前年同月比で全国平均20%以上の増加が見られ、地域差も大きい。支出世帯割合は約3%で緩やかに増加中。高額な端末代は家計負担の課題となり、今後は中古市場活性化や価格競争による負担軽減が期待される。

携帯電話の本体価格は、近年のスマートフォンの高性能化や多機能化により、支出額が大きくなっています。2025年4月時点での全国平均は6.614万円と高額で、支出する世帯の割合は約3%にとどまるものの、1度の購入でまとまった費用がかかるため、家計への影響は大きいと言えます。特に東北（8.759万円）、東海（7.841万円）、大都市（7.785万円）などでは全国平均を上回る傾向が見られ、地域差が明確です。

地域別の支出額と背景要因

地域別に見ると、東北や東海で高額の支出が目立ちます。これらの地域では高性能モデルの普及率が高いほか、新機種購入の頻度や1括購入の割合が大きい可能性があります。1方、北海道（6.163万円）や中都市（6.264万円）はやや控えめで、経済状況や購買傾向、または中古端末の利用状況が影響していると考えられます。

前年同月比の支出増加と要因

前年同月比では、全国平均で20.57%の増加と大きく上昇しています。特に東海（+74%）、中国（+55.75%）、東北（+45.92%）、北海道（+44.31%）といった地域で顕著な伸びを示し、新モデルの発売や乗り換えキャンペーンの影響が強いと推察されます。1方、関東（+8.29%）、中都市（+5.72%）は比較的緩やかな増加にとどまっています。

支出する世帯割合の動向

携帯電話本体に支出する世帯割合は全国で約3%ですが、4国（3.66%）、北陸（3.41%）、関東（3.39%）などで高めに推移しています。前年同月比でも平均+8.17%の増加があり、大都市（+20.44%）や9州・沖縄（+34.51%）、小都市B（+40.69%）などで特に顕著です。これは新機種購入のタイミングが集中していることや、機種変更促進のプロモーション効果が影響していると見られます。

課題と消費者の負担

携帯電話本体の価格高騰は家計負担を押し上げる大きな要因です。端末代の分割払いが普及しているものの、支払い総額は依然として高く、特に低所得層や高齢者には負担感が強まります。また、高額端末の購入が多い地域では経済格差が拡大する懸念もあります。さらに、頻繁な機種変更や最新モデルへの欲求が支出増加の背景にありますが、長期利用を促す啓発やリユース促進が課題です。

今後の推移と期待される変化

今後は、技術進歩と競争激化による価格の平準化が期待されます。特に中古スマホ市場の活性化やリース契約の普及が進めば、初期費用の抑制に寄与するでしょう。また、環境意識の高まりによりリユース・リサイクルの推進も重要です。メーカーやキャリアが消費者にとって透明かつ合理的な価格設定を行うことで、消費者の負担軽減と持続可能な市場形成が望まれます。