揚げかまぼこ100gの価格動向と今後の推移を地域別に徹底解説

加工食品



揚げかまぼこの平均価格は128.1円で、前年同月比+0.5%。那覇や松阪では高値、姫路や佐賀では安値傾向が続く。価格差の背景には原材料、調理法、地域の購買性向など複数の要素が影響。今後はコスト増加と高タンパク食需要が交錯し、価格は安定しつつ緩やかに上昇の見込み。

小売物価統計

揚げかまぼこ小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 那覇 今治 旭川 高知 鹿児島 松阪 山口 静岡 豊橋 福井
最新値[円] 128.1 179 165 163 160 153 153 152 151 148 148
前年同月比[%] +0.514 +0.562 +2.484 +10.14 +2.564 +5.517 +27.5 +7.801 +2.027 -10.3

揚げかまぼこ小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 姫路 佐賀 福島 郡山 仙台 小山 長岡 広島 北九州 東大阪
最新値[円] 128.1 85 91 92 98 99 99 100 103 105 108
前年同月比[%] +0.514 -1.163 +1.111 +3.371 +1.031 -5.714 +5.319 +2.041 +5.102 -0.917

 

揚げかまぼこの推移

揚げかまぼこ小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

揚げかまぼこの現状と今後

2025年4月の揚げかまぼこ100gあたりの平均価格は128.1円。前年同月比では+0.514%とごくわずかな上昇にとどまっており、2016年からの約9年間でみても価格は安定傾向にあります。1般的な食品価格がここ数年でインフレ傾向にある中、揚げかまぼこの価格が比較的抑えられているのは注目すべき点です。

この安定の背景には、大規模量販向けの供給体制の確立や、油揚げ工程による長期保存性の高さがコストパフォーマンスを保っている点があると見られます。


地域別の価格分布とその特性

高価格地域(上位10)

  • 那覇:179円(+0.562%)

  • 今治:165円(+2.484%)

  • 旭川:163円(+10.14%)

  • 高知:160円(+2.564%)

  • 鹿児島・松阪:153円(+5.5%、+27.5%)

これらの地域では、地域特有の魚種を使った揚げかまぼこや、惣菜としての高付加価値商品が流通しており、価格を押し上げています。特に松阪の前年比+27.5%という急上昇は、地元業者の価格改定や高級ラインへの転換などが影響している可能性が高いです。

また、旭川や鹿児島などは家庭用ではなく業務用の流通価格が店頭に反映されにくい地域であり、地方スーパーでの表示価格に地域性が現れやすいという特徴があります。

低価格地域(下位10)

  • 姫路:85円(-1.163%)

  • 佐賀:91円(+1.111%)

  • 福島:92円(+3.371%)

  • 郡山・仙台・小山:98〜99円

これらの地域では、廉価志向の強い地域スーパーやPB商品が主流で、価格競争が激しい傾向があります。姫路などは揚げかまぼこに限らず、ちくわや豆腐など日配品全般で単価が全国最安水準になることが多く、伝統的な「安さ重視」のマーケット文化が背景にあると考えられます。


揚げかまぼこ価格に影響する3つの要素

原材料と魚種構成の違い

揚げかまぼこは通常のかまぼこと異なり、すり身に混ぜ物(野菜、豆腐、こんにゃくなど)を入れた商品も多く、原材料の多様性が価格に影響します。特に低価格帯の商品では、安価な冷凍すり身や混合すり身が用いられることが多く、価格の安定性を支えています。

油の価格と調理コスト

油揚げを伴う加工品のため、食用油価格の影響を直接受ける食品です。2022~2023年には食用油の価格が高騰しましたが、それを価格に転嫁しない戦略を取った企業が多く、価格は抑制傾向にありました。今後は油価格が落ち着いてきており、再び原価安定化が期待されます。

消費習慣と流通構造

揚げかまぼこは惣菜売場と日配売場の中間に位置する商品であり、弁当のおかずや夕食の1品として根強い人気があります。ただし、都市部ではコンビニおでんや冷凍食品の台頭に押されつつあることも事実です。


価格動向に見る地域市場の「揺らぎ」

興味深いのは、松阪(+27.5%)や旭川(+10.1%)といった局地的な急騰が見られる1方、福井(-10.3%)や仙台(-5.7%)などの急落地域も存在することです。

これは、

  • 商品ラインナップの変更(高級・低価格帯へのシフト)

  • 地元業者の撤退や価格改定

  • 仕入れ先・小売り業態の変化(スーパーからドラッグストアへの切替)

などが複雑に絡み合った結果と見られます。特に福井のようにかつて価格が高めだった地域での急落は、地域経済の収縮や購買層の高齢化など社会的な影響も無視できません。


今後の価格展望と消費傾向

今後の揚げかまぼこ価格は、全体的には安定〜やや上昇と見込まれます。

上昇要因

  • 健康志向による高タンパク低脂肪食品としての再評価

  • 中食市場向けの高付加価値商品の拡充

  • 人件費や油・電力コストの持続的上昇

抑制要因

  • 安価な輸入すり身の供給継続

  • 大手スーパーやPB商品の価格据え置き戦略

  • 若年層の加工魚離れ、家庭調理の簡便化志向

とくに「食べやすさ」「コスパ」「保存性」の3拍子が揃う揚げかまぼこは、中高年層に支持されつつも、若者層への訴求が今後の鍵になります。惣菜系たんぱく源としてのポジションが確立されれば、プレミアム志向商品と日常用途商品が並立する市場構造がより明確になるでしょう。

 

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