手洗い用石けんの価格動向と今後の予測|地域差と背景分析

家庭用品

2025年5月時点での手洗い用石けん1Lの全国平均は728.2円。松江や山口などでは高価格が目立ち、所沢や鳥取なども上昇傾向。原料高や容器価格の上昇、都市別の流通構造や衛生意識の違いが価格差を生んでいる。今後も都市間格差は続く見通し。

都市別の手洗い用石けん1Lの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均711.2+0.0399
1松江1046+4.915
2844+1.687
3徳島823+22.84
4川口817+0.864
5810
6鳥取799+9.904
7山口792-5.036
8甲府788+3.412
9和歌山787
10那覇782+1.823
11西宮782+13.66
12今治781-12.93
13福井777-3.837
14旭川769-3.634
15府中767-4.005
16豊橋766
17伊丹766+13.82
18青森763-0.78
19小山761-1.68
20日立760
21広島760
22八戸757-1.56
23京都753+1.21
24福島748+7.317
25松阪744-7.578
26横浜741+4.073
27宮崎736
28松山734-5.534
29立川732+0.137
30熊谷731
31奈良726-2.55
32新潟725+2.983
33大阪722+1.262
34福山713-2.329
35東京都区部712-0.42
36岡山710+0.567
37浜松707-3.415
38富山707
39川崎705+3.829
40長岡704-0.142
41所沢704-7.49
42郡山700-5.02
43秋田700-5.02
44熊本700-3.448
45鹿児島699-1.826
46千葉697
47浦安695+3.116
48宇都宮693+2.062
49松本692+6.298
50八王子691
51高知688
52さいたま688-4.577
53神戸686-0.291
54福岡684+0.588
55盛岡683+8.585
56大分682+15.99
57藤沢678
58佐賀676-2.312
59仙台674-1.318
60前橋671-2.754
61水戸669-4.972
62相模原668+6.032
63宇部666-5.799
64枚方663-5.286
65静岡659+0.611
66656+0.306
67名古屋654-1.802
68岐阜649-5.669
69札幌646-2.711
70山形639
71長野637
72北九州632-5.105
73函館632+3.268
74高松616
75富士615-1.757
76金沢608-13.27
77佐世保608+0.829
78長崎607
79大津598
80東大阪582-3.642
81姫路578-14.87
手洗い用石けん1L

詳細なデータとグラフ

手洗い用石けんの小売価格の相場と推移

2025年5月時点での手洗い用石けん1Lの全国平均価格は728.2円であり、生活必需品の中では中程度の価格帯に位置します。高価格上位の都市には松江(989円)、山口(878円)、津(872円)、福井(858円)といった中国・近畿・中部地方の中規模都市が目立ちます。この価格帯は、高品質・詰替型ではない製品の購入比率が高い地域特性を反映していると考えられます。


都市別の特徴と価格差の要因

  • 松江(989円):全国で最も高価格。島根県全体として物流網が比較的限定されており、大手量販店の進出が限定的なため、地場中小スーパーでの定価販売が多く、価格が上振れしやすいという構造があります。前年同月比では-0.802%と横ばい~微減傾向にあるのも特徴です。

  • 山口・津・福井:いずれも地方県庁所在地・準中核都市であり、地域密着型の商圏が強く、ブランド志向が根強い地域です。中でも山口は前年同月比+8.128%と最も高い上昇率を記録し、物流コストや原材料費の上昇がそのまま価格に転嫁された可能性があります。

  • 所沢(856円)・川口(817円)・柏(838円)などの都市部郊外:これらは首都圏近郊であるにもかかわらず高価格帯にあるのは、家庭用大型サイズの販売が主流で、詰め替え型よりも本体を選好する消費傾向が強いためと考えられます。所沢は+10.03%と非常に高い上昇率で、ブランド刷新や購買トレンドの変化が要因と考えられます。


価格の推移と新型コロナ後の影響

手洗い用石けんは、2020年の新型コロナウイルス感染拡大により全国的に需要が急増しました。2021年以降も需要は高止まりし、データ範囲の起点である2021年1月から価格は高めに推移しています。2023~2024年以降はやや落ち着きを見せているものの、衛生意識の定着により、依然として市場は堅調です。

直近の2024年から2025年にかけての価格増加は、輸入原料の高騰(界面活性剤、エタノール類)やプラスチック容器コストの上昇が主な要因で、メーカーによる段階的な価格改定が広がった結果といえるでしょう。


今後の見通しと都市間格差の持続

手洗い用石けんの価格は、以下のような要素によって今後も都市別に差異が継続する可能性があります。

  • 販売チャネルの構造:ドラッグストア・ディスカウント店のシェアが高い地域では価格が抑制される傾向があります。1方で、中小型スーパーや専門店が主な販路となる地域では価格が高止まりしやすい構造が続きます。

  • 地域住民の衛生意識とブランド志向:感染症対策や小さな子どものいる家庭が多い地域では、抗菌・殺菌性能の高い製品やオーガニック成分を含む高単価商品が好まれる傾向にあり、これが価格に反映されます。

  • 物流効率・物価構造の地域差:都市部に比べて地方では配送費・仕入コストの負担が重く、商品単価に反映されやすいという地域経済の基礎構造があります。

したがって、手洗い用石けんは今後も地域ごとの販売体制や生活文化の違いを色濃く反映する生活物資のひとつとして、相場に1定の幅を持った状態が継続すると見込まれます。

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