65〜69歳層のリフォーム費が大幅増加し高齢者層が市場を牽引。80歳以上は減少傾向。高齢化進展で二極化が進む見込み。
年齢別のリフォーム費
1世帯当りの月間支出
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 85歳~ | 65~69歳 | 65~74歳 | 65歳~ | 80歳~ | 75~79歳 | 70歳~ | 70~79歳 | 60歳~ | 75~84歳 |
最新値[円] | 6740 | 13780 | 11710 | 10210 | 9880 | 9674 | 9295 | 9186 | 9016 | 8949 | 8778 |
前年月同比[%] | -10.26 | -1.162 | +57.71 | +25.24 | +8.823 | -26.29 | +13.77 | -5.406 | +5.611 | -4.053 | -10.2 |
これまでの年齢別の推移


詳細なデータとグラフ
年齢別の現状と今後
リフォーム費用は住宅の維持や快適な生活環境のために必要不可欠であり、年齢層ごとの支出傾向は生活のフェーズや健康状態、住宅の老朽化状況により大きく異なる。2015年から2025年3月までのデータを元に、年齢別のリフォーム費用支出動向を分析し、問題点や今後の展望を探る。
年齢別リフォーム費の現状
最新の平均月間支出は6,740円だが、85歳以上の層は13,780円と最も高く、65〜69歳も11,710円と高額。70歳〜79歳の支出は約9,000円前後、60歳台は8,949円とやや低めの傾向。年齢層が上がるほどリフォーム費用が高くなる傾向はあるが、一部の高齢層で減少も見られる。
増減率の分析
前年同期比では、65〜69歳(+57.71%)、65〜74歳(+25.24%)、65歳以上全体(+8.82%)で大幅な増加が確認される。一方、80歳以上(-26.29%)、70歳〜(-5.41%)、75〜84歳(-10.2%)では減少傾向。これはリフォームニーズのピークが65〜70代に集中し、その後高齢層での支出が抑えられていることを示唆する。
年齢別特徴と課題
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65〜69歳層:住宅の老朽化が進み、子育て世帯からの独立や定年退職を機に快適性向上のためリフォーム需要が増加。経済的余裕もあり積極的な改修が多い。
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70歳代前半〜中盤:費用は高いが、健康状態や体力の低下で大規模リフォームよりもバリアフリー化や安全性向上が中心。
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80歳以上:リフォーム費用は高いものの、減少傾向は高齢化による生活環境の簡素化や経済的制約による支出抑制が原因。介護施設や住み替えも選択肢となる。
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60歳代:住宅購入後のメンテナンス的リフォームが主体。増減幅は小さく、安定的な支出傾向。
今後の推移予測
日本の高齢化は進展を続け、65歳以上の世帯がリフォーム市場の主力となる見込み。65〜69歳層を中心にリフォーム需要は増加し、特にバリアフリーや省エネ化、高齢者向け改修が成長分野となる。一方で80歳以上層は支出減少が続き、介護施設や住宅の住み替えニーズが高まるため、リフォーム市場には二極化が進む可能性がある。
課題と対応策
高齢者のリフォーム費用負担は大きく、特に固定収入の年金世帯では経済的負担が課題。公的補助やローン商品の充実が求められる。また、高齢者に配慮した安全・安心設計の普及と情報提供も不可欠である。
まとめ
年齢別リフォーム費用は65歳前後でピークを迎え、以降高齢になるほど支出が抑制される傾向にある。今後は高齢者向けリフォームの需要増加と経済的負担のバランス調整がリフォーム市場の鍵となる。
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