2025年3月時点での年収別自動車整備費の平均支出は5263円。高所得層(1500〜2000万円)が最も多く10380円と突出し、前年比68.96%の大幅増加を示しました。中所得層は増減が分かれるものの、全体的に支出は増加傾向です。低所得層では支出減少も見られ、所得格差が維持されたまま支出の二極化が進んでいます。今後は車の種類や維持方法の多様化と経済状況に応じた支出の変動が予想されます。
年収別の自動車整備費
1世帯当りの月間支出
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 1500~2000万 | 1000~1250万 | 2000万~ | 1250~1500万 | 800~900万 | 400~500万 | 500~600万 | 300~400万 | 700~800万 | 600~700万 |
最新値[円] | 5263 | 10380 | 7353 | 6883 | 6756 | 5777 | 4944 | 4721 | 4575 | 4056 | 4012 |
前年月同比[%] | +14.32 | +68.96 | +64.17 | +2.609 | -0.074 | +50.99 | -6.91 | +33.21 | +15.76 | +0.471 | -8.485 |
これまでの年収別の推移


詳細なデータとグラフ
年収別の現状と今後
自動車整備費の支出は家計の収入水準に大きく影響されるため、年収別にみると支出額やその変動率には特徴があります。本章では2002年から2025年3月までのデータを踏まえ、年収別の支出傾向と問題点、将来の予測を解説します。
年収別の自動車整備費の現状
最新の年収別の月間平均支出額は以下の通りです。
年収階層 | 支出額(月間) | 前年同期比増減率 |
---|---|---|
1500〜2000万円 | 10,380円 | +68.96% |
1000〜1250万円 | 7,353円 | +64.17% |
2000万円以上 | 6,883円 | +2.61% |
1250〜1500万円 | 6,756円 | -0.07% |
800〜900万円 | 5,777円 | +50.99% |
400〜500万円 | 4,944円 | -6.91% |
500〜600万円 | 4,721円 | +33.21% |
300〜400万円 | 4,575円 | +15.76% |
700〜800万円 | 4,056円 | +0.47% |
600〜700万円 | 4,012円 | -8.49% |
年収階層ごとの支出動向と特徴
超高所得層(1500万円以上)
1500〜2000万円層の支出は突出しており、前年比で約69%増加と急激な伸びを示しています。高所得層は高級車や複数台所有の割合が高く、整備やカスタマイズ費用も増加しやすい傾向です。2000万円以上層は増加率が鈍化していますが、依然として支出額は高水準です。
中高所得層(800〜1500万円)
1000〜1250万円層も大幅な増加(+64%)を記録しており、高級車や輸入車の整備費用増加が要因と推察されます。800〜900万円層も約51%増加しており、こちらは比較的安価な車種から中価格帯車に移行する家庭が増えている可能性があります。
中低所得層(300〜800万円)
この層は支出増減が入り混じります。500〜600万円層は33%増加する一方、700〜800万円、600〜700万円層では微増・減少が見られます。コスト意識が強くなり、維持費を抑える傾向が強まっていることがうかがえます。
低所得層(300万円以下)
全体的に支出減少傾向がみられ、車両所有自体の減少やカーシェアリング等の代替手段利用が進んでいる可能性があります。維持費の負担軽減が家計の優先課題となっています。
年収別支出の問題点
-
高所得層の急増する整備費用高所得者の車両は高価格・高性能化が進み、整備費用も高額化。安全性や快適性向上のための整備が増え、家計内の支出割合も大きくなっています。
-
中所得層の二極化車の種類や生活スタイルの多様化により、同じ所得層内でも支出に差が大きくなりつつあります。経済不安も影響し、支出を抑える層も増加。
-
低所得層の車離れと維持費削減車所有から公共交通やカーシェアに移行し、維持費そのものが減少傾向。地域によっては交通手段の不足が問題化。
今後の推移と予測
-
高所得層の支出拡大傾向継続高性能車やEV、最新技術の導入で維持費がさらに増加。個別のカスタマイズ需要も高まる可能性があります。
-
中所得層の分散化進行経済状況や価値観の多様化により、支出幅が拡大。節約志向の層と車を趣味や快適さとして捉える層の差が拡大。
-
低所得層の車両保有抑制が続く代替交通手段の普及と都市集中化で、車所有の必要性が減少し、支出は抑制される見込み。
-
全体としては物価上昇・整備技術高度化による支出増加圧力が存在車の高度化で整備費用の最低ラインが上がる一方、経済格差で支出の二極化も継続。
まとめと政策的示唆
-
年収別に見た自動車整備費は、所得階層ごとの車の所有状況や維持意識の違いが反映されている。
-
高所得層の急激な増加には、高価格車の整備費増加が影響し、税制や補助制度の検討が必要。
-
中低所得層の負担軽減のためには、公共交通の充実や維持費削減技術の普及支援が重要。
-
車社会の多様化に合わせた柔軟な施策で、所得格差を超えた交通手段の確保と経済負担軽減を図るべきである。
このように年収別の自動車整備費は、社会経済の変化や個々の生活様式の多様化を映し出し、今後も細やかな分析と政策対応が求められます。
コメント