2025年4月の干ししいたけ1kg平均価格は1893円で前年比+15.19%と大幅上昇。地域差は約3倍で、郡山や新潟での価格上昇が特に顕著。価格変動は生しいたけ原料価格、天候変動、流通コスト増が主因。今後は生産技術の革新や流通効率化、健康志向の高まりで価格安定と価値向上が期待される。
小売物価統計
干ししいたけ小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 郡山 | 鳥取 | 佐賀 | 新潟 | 藤沢 | 熊谷 | 東京都区部 | 高松 | 相模原 | 川崎 |
最新値[円] | 1893 | 3665 | 2723 | 2683 | 2567 | 2510 | 2510 | 2394 | 2365 | 2338 | 2338 |
前年同月比[%] | +15.19 | +51.95 | +55.33 | +11.01 | +70.11 | +9.273 | +13.89 | +47.26 | +10.13 | +10.13 |
干ししいたけ小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 松阪 | 和歌山 | 宮崎 | 小山 | 長崎 | 福島 | 那覇 | 立川 | 八戸 | 松江 |
最新値[円] | 1893 | 1198 | 1247 | 1273 | 1290 | 1292 | 1341 | 1368 | 1402 | 1508 | 1531 |
前年同月比[%] | +15.19 | +23.59 | +18.31 | -26 | -10.12 | -9.404 | +30.3 | +7.714 | +7.59 |
干ししいたけの推移


詳細なデータとグラフ
干ししいたけの現状と今後
2025年4月時点での干ししいたけの1kgあたりの全国平均小売価格は約1893円であり、前年同月比では大幅な上昇で+15.19%となっています。地域別に見ると価格差は非常に大きく、最も高い郡山の3665円から最も低い松阪の1198円まで、約3倍の差が見られます。
高価格地域は東北や中国地方、関東の1部が中心で、新潟の70.11%という突出した前年比上昇率や鳥取の55.33%、郡山の51.95%など大幅な価格上昇が目立ちます。1方で、長崎や福島、那覇では前年から価格が減少するなど、地域によって大きな増減差があります。
干ししいたけ価格の長期的推移と背景
干ししいたけの価格動向は、2010年からの約15年間で供給量の変動や需要の増減により複雑に推移してきました。近年では特に以下の要因が価格に影響しています。
-
原材料である生しいたけの価格変動 生しいたけの価格上昇が干ししいたけの原料コストを押し上げ、干ししいたけの価格上昇に連動しています。
-
天候の影響と収穫量の変動 干ししいたけの原料である生しいたけの栽培は天候に非常に左右されやすく、悪天候による収穫減少が価格高騰の1因です。
-
加工・流通コストの増加 製造過程や物流費の上昇が加わり、消費者価格に反映されやすい構造となっています。
-
国内外需要の変化 健康志向や和食人気の高まりから国内消費が増加し、加えて輸出も拡大傾向にあることが価格上昇に寄与しています。
地域別価格差の要因と特徴
干ししいたけの価格差は生産地域の違い、流通形態、消費者の購買力の地域差などで説明できます。
-
生産地の近接性と加工技術 松阪や和歌山など1部の西日本地域は生産地に近く原料コストが比較的低いため価格が抑えられる傾向があります。1方で郡山や新潟のような地域は加工工場の立地や流通経費の高さが価格に反映されています。
-
地域ごとの需要と消費傾向 大都市圏の東京都区部や川崎などは安定した需要があるものの、物価上昇の影響で値上げ圧力もかかっています。逆に沖縄・那覇などは消費が抑制されており価格が下落傾向にある地域もあります。
-
価格変動のばらつき 1部地域では前年比で30%を超える価格上昇が見られる1方、マイナス成長の地域もあり、全体としては不均1な価格動向を示しています。
干ししいたけ価格の課題と今後の見通し
干ししいたけの価格がこれほど大きく変動する背景には、農業・加工・流通にわたる多様な課題があります。
-
生産安定化の難しさ 気候変動や自然災害に左右されやすい栽培環境は、安定供給の最大の障壁です。これにより価格の乱高下が避けられません。
-
コスト増加の圧力 人件費や物流費、エネルギーコストの上昇は今後も続く見込みで、これが干ししいたけ価格のさらなる上昇要因となります。
-
市場の価格調整メカニズムの必要性 供給過多・不足を柔軟に調整し、価格の安定化を図るためには、生産者、卸売業者、販売業者の連携強化が不可欠です。
将来に向けては、技術革新による生産効率の向上、流通の効率化、ブランド戦略による付加価値の創出、そして消費者の健康志向を取り込んだ販促活動が価格の安定と適正化に寄与すると期待されます。
まとめと提言
干ししいたけは日本の食文化において重要な食材である1方、価格は大きな地域差と変動性を持ち、消費者にとっては購入時の判断材料の1つとなっています。生産者と流通業者は価格の安定化と供給の持続可能性に努める必要があり、消費者も地域差を理解したうえで購入の工夫をすることが望まれます。
コメント