小麦粉1kgの小売価格動向と地域別価格差、今後の予測

米・パン

2025年5月時点で小麦粉1kgの全国平均価格は349.6円で、前年より約8.2%上昇。熊本や那覇、府中などで特に価格が高く、為替変動や国際小麦価格の上昇、製粉や物流コスト増加が価格上昇の主な要因。国内生産が限られるため輸入依存度が高く、今後は生産拡大と物流効率化が重要課題となる。

都市別の小麦粉1kgの相場価格

2025年5月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均349.6+8.221
1熊本420+13.82
2那覇419+9.115
3宇部414+12.5
4高松408+14.29
5府中408+21.79
6広島407+11.2
7立川403+21.02
8札幌390+14.04
9大分390+10.17
10389+25.08
11和歌山388+19.38
12山口384+10.03
13北九州383+11.34
14今治381+4.959
15長崎379+3.552
16岡山379+10.5
17函館379+14.16
18松山378-0.787
19旭川375+10.95
20福山374+3.889
21東京都区部372+11.04
22盛岡371+6.304
23松江371+3.056
24川口369+6.647
25高知365+1.389
26福岡363+7.715
27大津363+15.61
28長岡362+20.67
29八戸362+13.48
30鹿児島360+16.88
31奈良360+8.761
32八王子360+15.76
33青森357+11.56
34新潟357+14.79
35横浜356+11.25
36松阪354+18.79
37藤沢349
38松本347+14.14
39大阪346+9.841
40長野345+9.524
41神戸344+11.33
42富山344+3.303
43西宮343+10.29
44山形343+2.388
45福井341+8.599
46名古屋341+7.571
47福島338+4.321
48所沢338+8.682
49宇都宮338
50豊橋336
51川崎336+9.446
52秋田335+4.037
53徳島334+2.454
54枚方333+8.469
55京都333+6.39
56鳥取332+5.063
57水戸332-2.065
58東大阪332+8.497
59さいたま331+7.818
60静岡330+12.24
61小山330-1.786
62相模原327+7.921
63姫路327+18.48
64327+7.566
65佐賀325+9.06
66伊丹323+4.531
67金沢322+2.548
68郡山321
69熊谷319-2.744
70千葉312+9.859
71岐阜311-5.183
72仙台310-2.208
73浜松309+11.15
74前橋306+5.882
75佐世保306-2.548
76303
77日立303-4.114
78宮崎303+9.783
79甲府296+1.024
80富士284-0.699
81浦安281-2.091
小麦粉1kg

詳細なデータとグラフ

小麦粉の小売価格の相場と推移

2025年5月時点での小麦粉1kgの全国平均小売価格は349.6円です。過去25年(2000年1月~2025年5月)を通じて価格は緩やかに上昇傾向にあり、前年同月比では平均約8.2%の増加となっています。これは主に原料小麦の国際価格変動、製粉・流通コストの上昇、そして需給バランスの変化が影響しています。


都市別価格ランキングと傾向

2025年5月の小麦粉1kgの価格が高い上位10都市は以下の通りです。

順位 都市名 価格(円/kg) 前年同月比増減率
1 熊本 420 +13.82%
2 那覇 419 +9.115%
3 宇部 414 +12.5%
4 高松 408 +14.29%
5 府中 408 +21.79%
6 広島 407 +11.2%
7 立川 403 +21.02%
8 札幌 390 +14.04%
9 大分 390 +10.17%
10 389 +25.08%

傾向分析

  • 9州地方(熊本、大分)、沖縄(那覇)、中国地方(宇部、広島)、4国(高松)、関東近郊(府中、立川)など、全国的に価格高騰がみられる。

  • 特に府中、立川、津では前年から20%以上の大幅な価格上昇が目立つ。

  • 北海道の札幌でも14%超の増加が見られ、広範囲にわたる価格上昇が示唆される。


価格高騰の背景と原因

  1. 国際小麦価格の上昇小麦は日本国内での生産量が限られているため、輸入に依存。国際市場の価格変動が国内価格に大きく反映されている。

  2. 為替変動の影響円安傾向により輸入コストが増加し、価格を押し上げる要因となっている。

  3. 製粉・物流コストの増加燃料費や人件費の上昇により製粉工場や流通過程のコストが上昇、これが価格に反映。

  4. 需給バランスの変化コロナ禍以降の外食需要の回復や家庭用消費の増加により、小麦粉の需要が増大している。

  5. 地方の物流コスト那覇や熊本、宇部など離島や地方都市では物流距離や輸送コストがかさみ価格が高めに推移。


小麦粉の生産と流通の特徴

  • 国内小麦生産の限界日本の小麦自給率は約15%前後であり、主に北海道など限られた地域で生産されている。大部分は輸入小麦に依存。

  • 製粉業の集約化大手製粉業者が原料の調達から製品化、販売まで1貫して担い、効率化を進めているが、原料価格の影響は避けられない。

  • 多様な製品展開強力粉、薄力粉、全粒粉など用途別に細分化されており、需要の多様化に対応している。

  • 流通の地域差都市部では競争が激しく価格が比較的安定しやすいが、地方や離島では物流コストの関係で価格が高止まりしやすい。


今後の課題と展望

  • 国内生産の拡大安定供給と価格安定のためには国内生産の拡大や高品質小麦の開発が課題。

  • 輸入リスク管理輸入先の多様化や備蓄体制の強化による価格変動リスクの緩和。

  • 物流効率化地方への配送効率改善やデジタル物流の活用でコスト抑制を目指す。

  • 消費者ニーズの変化対応健康志向の高まりに対応したグルテンフリー製品や機能性食品としての小麦粉の開発促進。

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