2025年4月の子供用下着の全国平均価格は988.7円で、熊本や札幌などでは1,200円超と高騰。一方、函館や松江では700円未満も見られ、地域間の価格格差が拡大。製造・物流コストの上昇や品質志向が価格を押し上げる一方、低価格地域では特売や需要低迷の影響も。今後は品質と価格のバランスが課題となる。
衣類・美容の都市別小売価格
下着価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 熊本 | 札幌 | 富山 | 大津 | 宇都宮 | 福山 | 山口 | 前橋 | 相模原 | 広島 |
最新値[円] | 988.7 | 1210 | 1210 | 1210 | 1210 | 1206 | 1170 | 1166 | 1166 | 1159 | 1144 |
平均比[%] | 100 | 122.4 | 122.4 | 122.4 | 122.4 | 122 | 118.3 | 117.9 | 117.9 | 117.2 | 115.7 |
前年月同比[%] | +1.217 | +0.666 | +10.04 | +6.752 | +15.22 | +10.49 |
下着価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 函館 | 松江 | 秋田 | 鳥取 | 小山 | 長岡 | 千葉 | 岐阜 | 松本 | 水戸 |
最新値[円] | 988.7 | 658 | 719 | 748 | 748 | 772 | 802 | 806 | 825 | 825 | 829 |
平均比[%] | 100 | 66.55 | 72.72 | 75.65 | 75.65 | 78.08 | 81.12 | 81.52 | 83.44 | 83.44 | 83.85 |
前年月同比[%] | +1.217 | -30.37 | -10.68 | -5.076 | -11.16 | +4.695 | -5.281 | -14.97 |
これまでの子供服の推移


詳細なデータとグラフ
下着の現状と今後
2025年4月時点での日本の子供用下着1枚の平均価格は988.7円。2020年1月からのデータを見ると、この5年間で緩やかな価格上昇が続いてきました。かつては700円台が中心だった地域でも、現在は1,000円近くが1般的になっており、衣料品全体の値上がり傾向が反映されています。
この背景には、素材価格の上昇、製造・輸送コストの増加、消費者の品質志向など複合的な要因があります。
価格が高い都市とその要因
高価格上位都市は以下の通りです(すべて2025年4月のデータ):
都市 | 価格(円) | 前年同期比 |
---|---|---|
熊本 | 1,210円 | — |
札幌 | 1,210円 | +0.666% |
富山 | 1,210円 | — |
大津 | 1,210円 | — |
宇都宮 | 1,206円 | +10.04% |
福山 | 1,170円 | +6.752% |
山口 | 1,166円 | +15.22% |
前橋 | 1,166円 | — |
相模原 | 1,159円 | +10.49% |
広島 | 1,144円 | — |
これらの都市では、以下のような共通点が見られます:
-
品質志向の高まり:宇都宮や相模原では、安全性・素材品質・国内製造を重視する傾向が強く、高価格帯商品が選ばれやすい。
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地域独自の小売構造:熊本や福山などでは中小店舗主導の価格設定が多く、チェーン価格競争の影響が少ない可能性。
-
生活水準と購買傾向:富山や前橋など比較的生活水準が高い都市では、価格よりも機能性・快適性を重視する家庭が多い。
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物流費の上昇:札幌のように輸送コストがかさむ地域では、小売価格にもその影響が表れやすい。
価格が低い都市の傾向と背景
低価格上位都市は以下の通り:
都市 | 価格(円) | 前年同期比 |
---|---|---|
函館 | 658円 | -30.37% |
松江 | 719円 | -10.68% |
秋田 | 748円 | — |
鳥取 | 748円 | -5.08% |
小山 | 772円 | -11.16% |
長岡 | 802円 | — |
千葉 | 806円 | — |
岐阜 | 825円 | +4.70% |
松本 | 825円 | -5.28% |
水戸 | 829円 | -14.97% |
低価格地域に共通する点は以下の通り:
-
大手チェーンの価格競争:千葉や岐阜のように大規模チェーンが浸透している地域では、低価格での販売が可能。
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人口密度の低さと購買力の制約:松江、鳥取、函館など人口規模が小さく、購買力に制限がある地域では低価格品の需要が多い。
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過剰在庫処分の可能性:前年同期比で30%近い下落となった函館などは、特売や在庫処分による1時的な値下がりが考えられます。
価格変動の主な要因
原材料費の高騰
綿やポリエステルなど、下着に使用される基本素材の国際価格が上昇しており、製造コストが増加。
製造拠点の変化と人件費上昇
かつては低コストだった中国・東南アジアの生産コストも上昇しており、国内回帰の動きもコスト増に影響。
機能性と安全性への志向
敏感肌対応、抗菌防臭、無縫製などの機能が求められ、従来の「消耗品」としての下着よりも高価格帯にシフト。
地域別価格戦略
都市ごとに競合の有無や消費者ニーズが異なり、全国1律価格ではなく、地域別に戦略的価格設定が行われている。
今後の見通しと課題
物価高が続く中でも、子供用下着の価格は今後も緩やかに上昇する見込みです。家庭の支出全体における衣料品の割合が低下する中、少ない枚数を高品質でそろえる選択が増えていくと予想されます。
しかし、価格格差の拡大は家庭の負担や地域間の購買機会の格差にもつながりかねません。政府や業界団体による適正価格ガイドラインや補助制度の検討も求められています。
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