婦人用衣類の2025年4月の月間支出は平均9.911万円で、北海道が最も高く前年比+80.15%と大幅増。支出世帯割合は全国平均0.549%と低いが、地域差が大きく、高価格品を選ぶ傾向が見られる。今後は高品質志向や個別需要の拡大が進み、購買行動は選別型に移行する可能性が高い。
家計調査結果
婦人用衣類の相場
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 北海道 | 近畿 | 大都市 | 九州・沖縄 | 小都市B | 中都市 | 関東 | 全国 | 東海 | 北陸 |
最新値[万円] | 9.911 | 17.51 | 11.95 | 11.32 | 10.81 | 10.47 | 10.28 | 10.14 | 9.998 | 9.502 | 8.358 |
前年同月比[%] | +7.008 | +80.15 | +20.47 | +1.136 | +2.629 | +11.26 | +17.93 | +6.841 | +4.11 | -15.86 | +4.597 |
婦人用衣類支出の世帯割合
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 四国 | 東海 | 中都市 | 関東 | 小都市B | 全国 | 北陸 | 中国 | 近畿 | 大都市 |
最新値[%] | 0.549 | 1.03 | 0.79 | 0.64 | 0.6 | 0.55 | 0.55 | 0.54 | 0.54 | 0.52 | 0.51 |
前年同月比[%] | -0.774 | +114.6 | +64.58 | +23.08 | -10.45 | -9.836 | -1.786 | +14.89 | -10 | +40.54 | -15 |
婦人用衣類の推移


詳細なデータとグラフ
婦人用衣類の衣類・履物現状と今後
2025年4月時点における日本の世帯の婦人用衣類への月間平均支出額は9.911万円であり、衣類カテゴリ全体の中でも比較的高水準を維持しています。前年同月比では+7.008%と増加しており、物価上昇や季節的な要因に加え、外出機会の回復による需要が影響していると考えられます。
地域別の支出額と変動の特徴
最も支出が高いのは北海道(17.51万円)で、前年同月比で+80.15%と著しい増加が見られました。続いて近畿(11.95万円)、大都市(11.32万円)が続いています。これらの地域では消費意欲が回復し、外出着やイベント向け衣類の購入が活発になっていることがうかがえます。
1方、東海(9.502万円)のみが前年同月比-15.86%と減少を示しており、地域によって消費動向に大きな差が見られることも明らかです。
支出世帯の割合とその傾向
婦人用衣類を支出した世帯の全国平均割合は0.549%と低水準ですが、衣類カテゴリでは比較的安定した割合です。地域別では北海道(0.28%)や9州・沖縄(0.31%)などが低く、1方で小都市B(0.55%)や北陸(0.54%)などが全国平均を上回っています。
しかし、前年比では全国的に減少(平均-0.774%)しており、特に北海道(-68.18%)や9州・沖縄(-49.18%)の減少幅が大きいのが特徴です。これは、高額支出が1部世帯に集中しているため、全体としては「買う世帯」は減っているものの、「買う人の支出額」は増えている構造を示しています。
これまでの課題と消費者行動の変化
婦人用衣類市場は、以下のような課題と変化に直面しています:
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実店舗の減少とECの拡大:試着の機会が減り、高価格帯の衣類の購買ハードルが上がっています。
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コロナ禍の影響からの回復途上:長期的な外出自粛の影響で、衣類需要が1時的に大きく落ち込んだ反動も見られます。
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高齢化とシンプル志向:ファッション性より機能性・快適性を重視する層の増加により、衣類の消費スタイルが変化しています。
こうした変化は、支出額が高くても、実際に支出する世帯が少ないという現象に繋がっていると考えられます。
今後の婦人用衣類支出の展望
今後の婦人用衣類支出は、以下のような傾向が予測されます:
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機能性とファッション性の両立が求められる中で、高価格帯でも満足度の高い商品への支出は維持される見込みです。
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地域差の拡大:都市部や高所得層を中心にファッション需要は回復する1方、低所得層や地方では支出が抑えられる傾向が続く可能性があります。
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個別需要の深化:イベント用、季節用、特定ブランド志向といったターゲット別の購買が主流になり、購買者の「少数・高支出化」が加速していくと予想されます。
中長期的には、全体支出の回復というよりも、ニッチ市場での拡大や高付加価値商品の選別消費が中心になるでしょう。
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