婦人用スーツ支出の世帯別傾向と今後の予測:多人数世帯が高額傾向

婦人用スーツ・ワンピース

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婦人用スーツ・ワンピース支出は、多人数世帯や共働き家庭で高く、就業者が多いほど支出も大きい傾向が見られる。ただし全体としてはテレワーク化やカジュアル化、既存品の再利用などにより減少傾向。今後は行事や職業的必要に応じた「必要最小限の購入」にシフトし、着回しやレンタルといった合理的な衣服選びが主流となっていく見込み。

世帯別の婦人用スーツ・ワンピース

1世帯当りの月間使用料

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9
名称 平均 世帯4人 世帯5人 世帯6人~ 就業者3人~ 就業者2人 世帯3人 就業者1人 世帯2人 就業者0人
最新値[円] 1259 2061 2049 2044 1567 1388 1166 735 355 217
前年月同比[%] -18.54 -11.13 -38.23 7.128 -34.57 -10.16 -1.437 -7.197 -28.71 -26.19

 

これまでの世帯別の推移

婦人用スーツ・ワンピース
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

世帯別の現状と今後

婦人用スーツやワンピースは、仕事着・式典用・外出着として女性の社会活動や生活様式と密接に結びついています。家計調査の支出データからは、単なる衣類の購入動向にとどまらず、家庭の構成や就業状態、社会参加の形が浮かび上がります。本章では、2002年〜2025年3月までのデータを踏まえ、世帯別の支出傾向とその背景、今後の展望について詳細に分析します。


支出額トップ ― 多人数世帯(4人以上)の特徴と減少の兆し

  • 支出上位:世帯4人(2,061円)、世帯5人(2,049円)、世帯6人以上(2,044円)

  • 増減率:-11.13%、-38.23%、+7.128%(順に)

多人数世帯が婦人用スーツ・ワンピースへの支出額で上位を占めています。これは、以下のような背景から説明できます。

主な要因:

  • 働く母親や子どもの成長イベント(入学式・卒業式)でのスーツ需要。

  • 子どもが多いほど社会参加機会も多く、外出着が必要に。

  • 共働き率の高さ:特に40〜50代の女性が仕事と家庭の両立をしている家庭で、仕事着需要が高まる。

一方で、世帯5人は大きく減少しており、家計全体の支出抑制やフォーマルウェアの“再利用・共有”が進んでいる可能性があります。特に冠婚葬祭以外での“きっちりした装い”の必要性が薄れているため、複数着持つニーズが減っているとも考えられます。


就業者数と支出の相関 ― 家庭内就業人数による差

  • 就業者3人以上:1,567円(前年比 -34.57%)

  • 就業者2人:1,388円(前年比 -10.16%)

  • 就業者1人:735円(前年比 -7.197%)

  • 就業者0人:217円(前年比 -26.19%)

世帯内の就業者数と婦人用スーツ支出には明確な相関が見られます。就業者が多い家庭ほど、通勤や外出の機会が多く、見た目に気を配る必要性が高まるためです。

近年の変化:

  • テレワークや職場のカジュアル化が進み、就業者がいてもスーツ需要が減少。

  • 女性就業率の高まりと共に、機能性重視の服装へのシフト(例:ジャージー素材のワンピース、カーディガンとの組み合わせ)。

  • 子育て世代のファッションコスト見直し:保育料や教育費の上昇が被服費を圧迫。

また、就業者0人の世帯では、スーツ・ワンピース支出が最も低く、基本的に外出や社会参加が少ない高齢夫婦や単身世帯が含まれていると考えられます。


中間層 ― 世帯3人、世帯2人の穏やかな縮小

  • 世帯3人:1,166円(前年比 -1.437%)

  • 世帯2人:355円(前年比 -28.71%)

この層では支出の額も中間的で、また減少も比較的穏やかです。世帯3人は子育て期の家庭が多く、行事や仕事用に一定のスーツ需要が残りますが、繰り返し着回しや使いまわしで新規購入頻度は低め。世帯2人では高齢者世帯やDINKs(子どもを持たない共働き夫婦)など、消費行動の二極化が見られ、平均値としては減少が進んでいます。

傾向として:

  • ファッションへの意識が高いDINKs世帯では購入額が高いケースもあるが、少数派。

  • 高齢夫婦世帯では礼服などの既存アイテムでまかなう傾向。


今後の展望 ― 婦人用スーツ・ワンピース支出はどう変わるか

今後の支出動向は、以下のように予測されます。

① 全体としては支出縮小傾向

・仕事や式典でのフォーマル服着用の必要性が薄れ、需要は全体的に減少。・レンタル市場やサブスクリプション型サービスの普及も支出抑制に寄与。

② 多人数・共働き世帯での一定需要の残存

・子どもの成長に伴う行事や、母親の就労機会でスーツが必要とされる場面は存続。・「1着は持っておきたい」が「何着もはいらない」へと価値観の変化。

③ 機能性・着回し重視の服装の普及

・洗濯可能で動きやすい素材のスーツ・ワンピースの人気上昇。・カジュアルとフォーマルの中間的スタイルの市場拡大。

 

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