2025年4月時点で日本の女性用スラックスの平均価格は5,861円。鳥取や広島では1万円超えとなる一方、福井や鹿児島では3,000円台と、地域差が顕著。価格上昇の背景には素材高騰、ブランド戦略、地域購買力の違いなどがある。今後は高価格化と低価格志向の二極化が進む見通し。
衣類・美容の都市別小売価格
スラックス価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鳥取 | 広島 | 熊本 | 松山 | 金沢 | 札幌 | 長崎 | 岐阜 | 神戸 | 静岡 |
最新値[円] | 5861 | 11990 | 11990 | 10460 | 10410 | 9790 | 9790 | 9046 | 8657 | 8077 | 8059 |
平均比[%] | 100 | 204.6 | 204.6 | 178.5 | 177.7 | 167 | 167 | 154.4 | 147.7 | 137.8 | 137.5 |
前年月同比[%] | +0.897 | +30.91 | +3.81 | +0.105 | -2.069 | +2.299 | +19.86 | -8.181 | -4.131 | -3.293 | +75.73 |
スラックス価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 鹿児島 | 甲府 | 高松 | 佐賀 | 大分 | 松江 | 那覇 | 徳島 | 山形 |
最新値[円] | 5861 | 2915 | 3062 | 3087 | 3175 | 3266 | 3316 | 3323 | 3323 | 3426 | 3515 |
平均比[%] | 100 | 49.74 | 52.25 | 52.67 | 54.17 | 55.73 | 56.58 | 56.7 | 56.7 | 58.46 | 59.98 |
前年月同比[%] | +0.897 | -11.18 | +7.627 | +0.184 | -8.296 | -16.72 | -16.72 | +5.839 |
これまでの女性服の推移


詳細なデータとグラフ
スラックスの現状と今後
2010年1月から2025年4月にかけて、日本国内における女性用スラックスの平均小売価格は緩やかな上昇傾向を示してきました。最新の2025年4月の全国平均価格は5,861円で、10年前と比較しても数百円〜千円単位での上昇が確認されます。この上昇の背景には、素材価格や人件費の上昇、縫製の国内回帰によるコスト高などが関係しています。
都市別価格上位の特徴と要因
2025年4月時点でスラックスの価格が高い都市は以下の通りです:
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鳥取:11,990円(前年比 +30.91%)
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広島:11,990円(+3.81%)
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熊本:10,460円(+0.105%)
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松山:10,410円(-2.069%)
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金沢・札幌:9,790円(+2.299%、+19.86%)
特に鳥取の30%以上という増加率は注目に値します。鳥取や広島の価格上昇には、地場百貨店の高級ライン強化、物価高に伴う衣料品の高付加価値化(素材・縫製)といった要素が強く影響していると考えられます。
札幌のような都市でも19%以上の増加が見られ、冬用衣料としての機能性や保温性を重視した商品構成が価格を押し上げている可能性があります。
都市別価格下位の傾向と背景
1方、最も価格が安い都市は以下の通りです:
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福井:2,915円(前年比 -11.18%)
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鹿児島:3,062円(+7.63%)
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甲府:3,087円(データなし)
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高松:3,175円
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佐賀:3,266円(+0.18%)
これらの都市では、価格の低さが顕著であり、地域の購買力、ローカルチェーン店舗の多さ、ブランドに依存しないベーシックな商品ラインナップの維持などが影響していると見られます。
また、松江・那覇のように前年同期比で-16.72%と大幅な下落を示す都市もあり、これは在庫過多やアウトレット主導のセールが影響している可能性があります。
地域差の拡大と要因の多様化
価格が高騰する都市と、むしろ下落傾向にある都市の乖離は年々広がっています。その要因は以下のように多岐にわたります:
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地域経済の回復度合いの差
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購買層の年齢・志向の違い
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EC利用比率とリアル店舗比率の差
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ローカルブランドの流通体制
特に静岡では前年比+75.73%という急騰が見られますが、これは高級ブランドの展開や、季節商品の切り替えによるデータ上の誤差的な側面も考慮すべきです。
価格変動の背景にある社会・経済要因
女性用スラックス価格の変動には、以下の社会的・経済的背景が影響しています:
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物価全体の上昇(インフレ)
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円安による輸入コストの増加
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高機能繊維・ストレッチ素材の普及
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消費者の「長く着る」志向の高まり
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働く女性の増加とビジネスウェア需要の継続
「価格が高い=割高」ではなく、むしろ品質や持ちの良さを重視する流れが強くなっており、1本1万円近くするスラックスでも1定の需要があるのが現在の市場傾向です。
今後の展望と課題
今後もスラックス価格は都市によって2極化が続くと予想されます。サステナブル素材の普及や、製造過程での脱炭素化の流れが進めば、平均価格はさらに上昇する可能性もあります。1方、若年層や地方での価格重視志向に対応する「低価格・機能重視」路線も残るため、多様化がより1層進んでいくでしょう。
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