2025年4月時点で大都市のガソリン価格は平均187円となり、都市ごとに最大10円の差があります。広島や静岡では193円前後と高騰し、輸送コストや流通構造が影響しています。一方、千葉や仙台などは183円で、競争環境や供給拠点への近さが価格に反映されています。背景には原油高、円安、補助縮小があり、今後はEV普及や政策対応も含めて価格動向に注目が集まります。
自動車・交通の都市別小売価格
大都市価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 広島 | 静岡 | 京都 | 神戸 | 浜松 | 大阪 | 岡山 | 東京都区部 | 川崎 | 堺 |
最新値[円] | 187 | 193 | 192 | 191 | 190 | 190 | 190 | 189 | 187 | 187 | 187 |
平均比[%] | 100 | 103.2 | 102.7 | 102.1 | 101.6 | 101.6 | 101.6 | 101.1 | 100 | 100 | 100 |
前年月同比[%] | +7.01 | +6.63 | +7.865 | +6.704 | +6.742 | +8.571 | +5.556 | +9.884 | +6.857 | +9.357 | +6.857 |
大都市価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 仙台 | 千葉 | 相模原 | さいたま | 北九州 | 札幌 | 新潟 | 名古屋 | 横浜 | 福岡 |
最新値[円] | 187 | 183 | 183 | 183 | 184 | 184 | 184 | 185 | 186 | 186 | 186 |
平均比[%] | 100 | 97.86 | 97.86 | 97.86 | 98.4 | 98.4 | 98.4 | 98.93 | 99.47 | 99.47 | 99.47 |
前年月同比[%] | +7.01 | +7.018 | +7.018 | +7.018 | +5.747 | +8.876 | +3.371 | +6.936 | +6.286 | +7.514 | +5.682 |
これまでのガソリンの推移


詳細なデータとグラフ
大都市の現状と今後
2010年から2025年にかけて、大都市部におけるガソリン価格は世界的なエネルギー需給の変化、為替相場、地政学的要因などの影響を受けて変動してきました。特に2022年以降はウクライナ侵攻や原油減産合意、円安などが重なり、ガソリン価格が急上昇。2025年4月時点では大都市の平均価格は187円と高水準で、消費者への影響が懸念されています。
1方で、都市間に最大で10円の価格差が存在しており、地域特性や供給構造の違いが反映されています。
ガソリン価格が高い大都市の特徴
高価格都市(上位10都市):
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広島(193円)
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静岡(192円)
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京都(191円)
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神戸、大阪、浜松(190円)
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岡山(189円)
これらの都市に共通する特徴としては、以下の点が挙げられます:
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流通網と地理的制約 山間部や海沿いに立地し、石油製品の流通経路が制限される傾向があり、輸送コストが価格に反映されやすい。
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小売競争の密度が相対的に低い 広島や岡山、静岡などは地域内の大手チェーン数が限られており、価格競争が起きにくい市場構造にあります。
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価格上昇率の高さ 特に岡山(+9.88%)や川崎(+9.36%)は全国的にも上昇率が高く、急なコスト転嫁が起きている可能性があります。
ガソリン価格が低い大都市の特徴
低価格都市(下位10都市):
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仙台・千葉・相模原(183円)
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さいたま・北9州・札幌(184円)
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新潟(185円)
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名古屋・横浜・福岡(186円)
これらの都市の特徴は次の通りです:
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競争が激しい都市圏 首都圏(千葉、相模原、さいたま)や中京圏(名古屋)では、ガソリンスタンドが多く、価格競争が自然に生まれやすい。
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石油インフラが整備されている 名古屋や新潟は、石油基地に近く、供給コストが比較的低いため、消費者価格も抑えられています。
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上昇率は必ずしも低くない たとえば、北9州(+8.88%)や横浜(+7.51%)は価格は低くとも、前年比での上昇幅は大きく、コスト圧力が顕在化しています。
ガソリン価格上昇の背景要因
国際原油価格の高騰
中東情勢やOPEC+の生産制限により、原油価格が持続的に高水準を保っており、日本の調達コストが上昇。
円安の継続
2022年以降の円安基調により、ドル建てで輸入する石油製品の価格がさらに上乗せされる結果に。
政府の補助縮小
かつて導入されていた燃料価格高騰対策の補助金が段階的に縮小され、実勢価格への影響が表面化。
都市構造と交通依存度
都市ごとの移動スタイルや車両依存度も価格構造に影響。郊外を多く含む都市圏では自動車利用率が高く、価格転嫁が進みやすい傾向にあります。
今後の展望と都市部の対応策
EV・PHEV普及による中期的な需要変化
都市部を中心にEVの普及が進むことで、ガソリン需要は減少しつつあります。これは将来的に価格の安定要因となり得ますが、短期的には供給側の利益確保のために値上げ圧力が強まる可能性も。
地域間格差への政策的対応
都市部でも価格格差が10円以上存在しており、交通インフラや消費活動への影響が懸念されます。公平性の観点から、政府による価格調整策や交通補助政策が検討される可能性があります。
消費者行動の変化
価格上昇に対応する形で、カーシェアリングや公共交通利用の見直し、ハイブリッド車やEVへの買い替え需要が顕在化し始めています。
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