日本の塀工事費は地域により大きく異なり、2025年3月の1回あたりの全国平均は20.17万円。最も高い旭川では65.34万円と平均の約3.2倍に達し、寒冷地特有の施工条件が影響。一方、宇部など温暖で施工環境が安定している地域では6.27万円と低水準。全体的には資材価格の上昇や人件費増加が価格に反映されており、今後も高止まり傾向が予想される。
住宅関連の都市別小売価格
塀工事費の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 旭川 | 山形 | 札幌 | 秋田 | 宮崎 | 水戸 | 枚方 | 盛岡 | 長崎 | 西宮 |
最新値[万円] | 20.17 | 65.34 | 51.59 | 41.2 | 39.54 | 38.58 | 38.02 | 35.05 | 33 | 27.66 | 27.45 |
平均比[%] | 100 | 323.9 | 255.7 | 204.2 | 196 | 191.2 | 188.5 | 173.7 | 163.6 | 137.1 | 136.1 |
前年月同比[%] | 5.248 | 10 | 12.2 | 0 | 15.23 | 16.51 | 60.28 | 0 | 0 | 0 | 9.162 |
塀工事費の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 宇部 | 東大阪 | 堺 | 所沢 | 宇都宮 | 徳島 | 小山 | 福山 | 金沢 | 鹿児島 |
最新値[万円] | 20.17 | 6.27 | 7.92 | 8.67 | 9.742 | 10.73 | 11.37 | 12 | 12 | 12.09 | 12.44 |
平均比[%] | 100 | 31.08 | 39.26 | 42.98 | 48.29 | 53.17 | 56.37 | 59.49 | 59.49 | 59.93 | 61.67 |
前年月同比[%] | 5.248 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10.75 | 0 | 0 | 0 |
これまでの住宅工事費の推移


詳細なデータとグラフ
塀工事費の現状と今後
最新の2025年3月時点での塀工事費の全国平均は20.17万円となっており、これは過去数年の物価上昇や建築資材価格の高騰、職人不足の影響を受けて高止まりしている状況です。コロナ禍以降の供給制約や円安なども影響を及ぼしています。
高価格地域の特徴
高価格帯の地域は以下の通りです。
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旭川:65.34万円(全国平均の約324%)
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山形:51.59万円
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札幌:41.2万円
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秋田:39.54万円
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宮崎:38.58万円
これらの地域は主に寒冷地であり、耐凍結性や積雪への対応が必要となるため、施工手間が多くなり工事費が高騰しやすい傾向があります。また、北海道や東北では資材調達コストや物流費もかさむことが、価格上昇の一因とされています。
低価格地域の特徴
一方、工事費が比較的安価な地域は以下の通りです。
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宇部:6.27万円(全国平均の約31%)
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東大阪:7.92万円
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堺:8.67万円
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所沢:9.742万円
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宇都宮:10.73万円
これらの地域は温暖で比較的施工条件が安定しており、簡易的な構造の塀でも十分な機能を果たせる環境にあることから、費用が抑えられていると考えられます。また、都市部では人件費が高騰する一方で、一定の規模経済や効率的な流通によってコストが抑制されるケースもあります。
塀工事費に影響を与える要因
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気候条件:寒冷地では凍結対策が必要なため施工費が増加。
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地形と地盤:傾斜地や軟弱地盤では施工の難易度が高くなりコストに影響。
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人手不足:特に地方では職人不足が深刻化しており、高価格化の要因に。
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資材価格の変動:コンクリート、鉄筋、石材などの価格変動が工事費に直結。
今後の展望と課題
塀工事費は今後も高止まり、あるいは緩やかな上昇が続くと予想されます。特に高齢化や職人の引退による人材不足、資材価格の国際的な影響などが継続的なリスクとして存在します。一方で、省施工技術やプレハブ型の塀材の普及により、一定のコスト削減が期待される場面もあります。
おわりに
塀工事費の価格には地域ごとの多様な要因が絡んでおり、一概に高い・安いと評価するのは難しいものの、今後の社会・経済動向をふまえて賢い選択と対策が求められます。特に寒冷地や地方都市における課題に対しては、技術革新や補助制度の活用が鍵となるでしょう。
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