園芸用肥料1本の全国平均は692.9円で、前年比+3.591%の上昇。那覇や富山、金沢で高値を示し、原材料費や輸送コストの上昇が主因。特に離島・雪国・北陸地方で価格が高騰。今後も輸入依存による原料価格や為替、物流の影響を受けやすく、価格の不安定化が懸念される。
都市別の園芸用肥料1本の相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 694.2 | +3.667 | |
1 | 那覇 | 948 | +8.716 |
2 | 京都 | 886 | -4.009 |
3 | 富山 | 827 | +19.86 |
4 | 名古屋 | 808 | +6.878 |
5 | 金沢 | 804 | +24.46 |
6 | 福井 | 804 | +4.824 |
7 | 甲府 | 767 | +1.455 |
8 | 松山 | 767 | +1.455 |
9 | 仙台 | 767 | +1.455 |
10 | 札幌 | 762 | +2.282 |
11 | 山形 | 760 | +15.85 |
12 | 津 | 744 | +8.931 |
13 | 大津 | 731 | +11.26 |
14 | 盛岡 | 730 | -2.013 |
15 | 横浜 | 726 | +27.59 |
16 | 高知 | 712 | +8.371 |
17 | 長野 | 712 | +3.942 |
18 | 熊本 | 711 | +5.804 |
19 | 水戸 | 711 | +4.1 |
20 | 神戸 | 709 | +5.663 |
21 | 岐阜 | 694 | +1.611 |
22 | 青森 | 693 | -1.141 |
23 | 奈良 | 693 | -2.669 |
24 | 大阪 | 679 | +4.462 |
25 | 東京都区部 | 678 | +6.27 |
26 | 秋田 | 674 | +1.659 |
27 | 和歌山 | 674 | +6.142 |
28 | 高松 | 662 | -2.216 |
29 | 徳島 | 662 | -11.14 |
30 | 福島 | 658 | +16.67 |
31 | 千葉 | 657 | +6.139 |
32 | 岡山 | 655 | -1.207 |
33 | 山口 | 654 | -4.246 |
34 | さいたま | 652 | +8.306 |
35 | 前橋 | 646 | -1.674 |
36 | 宇都宮 | 637 | +1.433 |
37 | 福岡 | 629 | +1.616 |
38 | 松江 | 618 | -1.592 |
39 | 新潟 | 610 | -1.135 |
40 | 長崎 | 609 | -7.306 |
41 | 静岡 | 599 | +0.167 |
42 | 佐賀 | 599 | -0.167 |
43 | 宮崎 | 598 | |
44 | 大分 | 598 | |
45 | 広島 | 585 | +2.094 |
46 | 鹿児島 | 565 | -1.396 |
47 | 鳥取 | 564 | +2.92 |

詳細なデータとグラフ
園芸用肥料の小売価格の相場と推移
2025年5月時点における園芸用肥料1本の全国平均価格は692.9円です。過去1年で+3.591%の上昇となっており、全体として緩やかなインフレ傾向を示しています。都市別に見ると、最も高いのは那覇(948円)で、以下、京都(841円)、富山(827円)、名古屋(808円)、金沢・福井(804円)などが上位を占めています。特に那覇は全国平均を大きく上回り、唯1900円台に達しています。
都市別の価格変動傾向と特異点
大幅上昇の都市
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金沢(+24.46%):近年のガーデニング人気や、園芸需要の高まりと流通コスト増が反映されたと考えられます。
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富山(+19.86%):農業資材価格の上昇とともに、家庭用園芸への影響が現れています。
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那覇(+8.716%):輸送コストや物流制約の影響が強く出る地域で、特に肥料価格に顕著な影響を与えています。
上昇幅が控えめな都市
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甲府・松山(+1.455%)や札幌(+2.282%)などでは価格変動が比較的緩やかで、安定供給や競合店舗の存在が価格を抑制していると見られます。
唯1の下落地域
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京都(-1.059%):地場の供給網が安定している可能性が高く、逆に価格が調整されたと見られます。
価格上昇の背景と構造的要因
園芸用肥料は、以下のような外部要因によって価格の変動を受けやすい品目です。
国際的な原料価格の高騰
肥料の主成分となる窒素、リン酸、カリウムなどの原料価格が、世界的な農業需要の増加や地政学的リスク(特にウクライナ紛争以降)により上昇し、日本にも影響を及ぼしています。
輸送・物流コストの増加
特に那覇など離島地域では、輸送コストが本土に比べて高く、商品の仕入れ価格に直接反映される傾向があります。
園芸ブームの継続
新型コロナウイルス以降、自宅での園芸や家庭菜園に取り組む人が増えたことで、園芸関連用品の需要が底堅く推移しています。この傾向は2024年以降も続いており、需要に伴って価格も維持または上昇傾向にあります。
地域別の供給体制と価格差の要因
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金沢・富山・福井など北陸地域では、雪解け後の短期間に需要が集中するため、販売店が値上げに踏み切る傾向が見られます。
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那覇や松山などの島嶼・地方都市では、肥料が本州から運ばれるため、輸送費や小売コストの積み上がりが価格に反映されやすいです。
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1方、京都・仙台・札幌などは大型ホームセンターや園芸用品店の競争があるため、比較的価格が抑制されている傾向があります。
今後の展望と課題
今後も肥料価格は、為替動向(円安)、エネルギー価格の変動、国際的な需給バランスによって左右される見通しです。特に日本は肥料原料の多くを海外に依存しており、輸入コストが上昇すれば価格転嫁が避けられない状況です。
また、有機肥料や環境配慮型製品の登場により、プレミアム価格帯への需要も増えることで、平均価格が引き上げられる可能性もあります。
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