園芸用土1袋の全国平均は354.7円で、九州や都市部で高値傾向、東北・北海道で安値が目立ちます。資材費や人件費の上昇、地域ブランド化が価格上昇を招いています。一方、ブーム後の反動や地元供給で価格が急落する地域も。今後は価格安定と資源の持続性が課題です。
エンタメの都市別小売価格
園芸用土価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 長崎 | 熊本 | 岐阜 | 神戸 | 仙台 | 東京都区部 | 高知 | 鹿児島 | 横浜 | 福岡 |
最新値[円] | 354.7 | 657 | 602 | 523 | 465 | 461 | 457 | 452 | 419 | 418 | 410 |
平均比[%] | 100 | 185.2 | 169.7 | 147.4 | 131.1 | 130 | 128.8 | 127.4 | 118.1 | 117.8 | 115.6 |
前年月同比[%] | -1.623 | +10.05 | -22.76 | -5.533 | +6.032 | -15.36 | -14.31 | +2.757 |
園芸用土価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 山形 | 青森 | 福井 | 水戸 | 札幌 | 松山 | 大分 | 千葉 | 岡山 | 和歌山 |
最新値[円] | 354.7 | 216 | 216 | 239 | 244 | 245 | 250 | 254 | 261 | 261 | 272 |
平均比[%] | 100 | 60.9 | 60.9 | 67.38 | 68.79 | 69.07 | 70.48 | 71.61 | 73.58 | 73.58 | 76.68 |
前年月同比[%] | -1.623 | -50.46 | -4.4 | +2.092 | +11.54 | +4.4 | -28.8 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
園芸用土の現状と今後
2025年4月時点での園芸用土1袋の全国平均価格は354.7円。2010年からのデータを見ると、長期的には300円前後で安定していた時期が長く、2020年以降にやや上昇傾向に転じたことが確認できます。
要因としては以下が挙げられます:
-
資材価格の上昇(ピートモス、腐葉土、再生土などの輸入・加工費)
-
園芸需要の拡大(コロナ禍でのベランダ・家庭菜園ブーム)
-
労働力不足による流通・袋詰めコストの上昇
しかし、直近では再び価格のばらつきが顕著で、地域ごとの事情が強く影響しています。
高価格地域にみる構造的要因
以下は、園芸用土の価格が高い地域です(2025年4月時点):
都市名 | 価格(円) | 前年比増減率(%) |
---|---|---|
長崎 | 657 | ― |
熊本 | 602 | +10.05 |
岐阜 | 523 | ― |
神戸 | 465 | -22.76 |
仙台 | 461 | -5.533 |
東京都区部 | 457 | +6.032 |
高知 | 452 | -15.36 |
鹿児島 | 419 | -14.31 |
横浜 | 418 | ― |
福岡 | 410 | +2.757 |
地域別の特徴と価格上昇の理由
-
長崎・熊本などの9州地域では、地元産の火山灰土や特殊配合土が販売されており、高品質・地域特化型商品が多いことが価格を押し上げています。
-
東京都区部や横浜など都市圏では、袋詰・運搬コストが高いため、中間流通マージンの存在が価格上昇の1因です。
-
岐阜や神戸など内陸地域は、物流ルートや地域需要の偏りが価格に影響しており、特に神戸は前年から大幅下落(-22.76%)していますが、依然として全国的には高価格帯。
低価格地域にみる価格安定の要因
園芸用土の価格が低い地域は以下の通りです:
都市名 | 価格(円) | 前年比増減率(%) |
---|---|---|
山形 | 216 | -50.46 |
青森 | 216 | ― |
福井 | 239 | -4.4 |
水戸 | 244 | +2.092 |
札幌 | 245 | ― |
松山 | 250 | ― |
大分 | 254 | ― |
千葉 | 261 | +11.54 |
岡山 | 261 | +4.4 |
和歌山 | 272 | -28.8 |
地域別の特徴と価格維持要因
-
山形・青森・札幌などの東北・北海道地域では、地元で採取される土を混合した簡易用土が主流で、輸送コストを抑えて安価に供給可能。
-
山形(-50.46%)や和歌山(-28.8%)などでの大幅下落は、前年の高騰(需要集中や物流遅延など)からの反動減とみられます。
-
千葉・岡山など生産地近郊では、土壌供給が安定しており、地域での価格調整が働きやすく価格が比較的安定しています。
価格上昇要因の分析
土壌資源と加工コストの増加
-
ピートモス、バーク堆肥などの主要資材が輸入依存で価格上昇。
-
加工・袋詰め・配送にかかる人件費や燃料費の高騰が価格に転嫁されています。
地域ブームとブランド化
-
1部地域では「○○産有機用土」といったブランド志向が高まり、高価格帯の商品が増加。
-
特に都市部では、初心者向けの“完成品パック”の需要があり、割高な傾向。
価格の反動変動
-
2022〜2023年の園芸ブームに伴う急騰後、2024〜2025年にかけて需要が落ち着き、価格が急落した地域もあります。
今後の課題と対策
資源の持続可能性と再利用
-
ピートモスや腐葉土の乱用による環境負荷の懸念があり、再生土・地域堆肥の活用促進が必要です。
価格の安定化と情報提供
-
地域ごとの供給バランスに左右されやすいため、需要予測と供給調整の強化が今後重要に。
-
初心者向けには価格の見通しや選び方のガイド提供も消費者支援策として有効。
地産地消と地元資源活用
-
各自治体による堆肥センターや土壌再生プロジェクトなどが、地域内循環の活性化に寄与し、価格安定にもつながる可能性があります。
コメント