【園芸用品の都市別支出ランキング】佐賀市・浜松市が突出！

園芸用品の世帯支出では、佐賀市（2,003円）や浜松市（1,688円）が全国平均（745円）を大きく上回る。これらの地域では園芸が日常に根付いており、購入頻度も高い。特に佐賀市や水戸市は月1回以上の購入があり、道具や資材の需要が旺盛。住宅環境や地域文化が消費行動に反映されている。

園芸用品への支出は、草花の育成や家庭菜園など園芸活動を支える基盤的な支出であり、暮らしの中で自然との関わりや心のゆとりを象徴する消費項目でもあります。2025年4月時点での全国平均は745円であり、園芸用植物と比較してもやや高い傾向にあります。これは、道具・用土・肥料・支柱・鉢など多様な用品が含まれるためです。

支出金額の上位都市とその地域的特徴

園芸用品の支出金額で全国平均を大きく上回っている都市の筆頭は、佐賀市（2,003円）です。全国平均の2.7倍に達し、前年比+161.1%と急増しています。この地域では家庭菜園文化が盛んで、耕作面積も比較的広く、用土・農具などの継続的な購入が背景にあると考えられます。

続く浜松市（1,688円）も前年比+147.9%と大幅な増加。温暖な気候とともにガーデニング愛好者が多く、広い住宅敷地を生かして積極的に園芸に取り組んでいると推測されます。

水戸市（1,302円）、長野市（1,268円）、福井市（1,100円）、富山市（1,094円）なども上位を占めています。これらの都市は家庭菜園や庭木の手入れが生活の1部として根づいており、季節の変化に対応した消耗品の需要が安定しています。

購入回数から見る習慣的利用の実態

支出金額だけでなく、購入回数の多さも注目に値します。最も購入頻度が高いのは水戸市（1.29回）で、月に1回以上の買い物をしていることになります。佐賀市（1.2回）、福井市（1.04回）も続いており、単発的ではなく継続的な園芸用品の利用が読み取れます。

興味深いのは、支出額が比較的控えめな都市でも、回数が高い例があることです。たとえば松江市（0.96回）や鳥取市（0.91回）は、園芸用品の単価はやや低めながらも、日常的に購入されている点で地域住民の園芸への関心が高いことが伺えます。

変動傾向と地域ごとの背景要因

前年比の動きを見ると、佐賀市（+161.1%）や堺市（+153.7%）のように急伸している地域がある1方で、福井市（-9.91%）や鳥取市（-8.05%）のように前年を下回った都市もあります。前者は家庭菜園ブームや市民農園の活性化などの背景が考えられ、後者は1時的な需要の反動減や、気候条件の影響も否定できません。

購入回数の伸び率を見ると、浜松市（+36.67%）や松江市（+26.32%）、前橋市（+22.06%）などが堅調です。これは園芸用品の定期的な購入が習慣化している地域の増加傾向を示しています。

都市規模と住宅形態の影響

園芸用品の支出が多い都市は、いずれも比較的地方都市であり、戸建て住宅の割合が高く、庭やベランダでの園芸活動がしやすいという共通点があります。たとえば、佐賀市・水戸市・浜松市などは、都市規模が中程度で、土地の広さを活かした園芸ライフが実現しやすい環境にあります。

都市型マンション居住が多い大都市部では、園芸用品の支出は相対的に低くなる傾向がありますが、代わりにベランダガーデンやプランター向け用品の需要が存在します。

今後の展望と地域支援の可能性

園芸用品支出の今後の動向としては、高齢化社会における健康維持活動としての園芸の再評価や、食料価格の高騰に対する自給志向の高まりが、需要を支える要素になると予測されます。

また、行政による「緑のまちづくり」政策や、地域の園芸教室、子ども向け体験イベントなどと連動した取り組みによって、今後も地域別の支出格差が顕著になっていくことが見込まれます。