2025年5月時点の回転ずし1皿の全国平均は199.3円で、山口(530円)や富山(410円)などは高価格帯に属します。一方で都市によっては大幅な価格上昇(横浜+29.26%、札幌+21.65%)も見られ、観光需要や原価高騰が要因。今後は地域ごとの価格格差が拡大する見通しです。
都市別の回転ずし1皿の相場価格
| 都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
|---|---|---|---|
| 平均 | 200.9 | +4.596 | |
| 1 | 山口 | 541 | +17.61 |
| 2 | 富山 | 410 | -9.692 |
| 3 | 青森 | 404 | +1.253 |
| 4 | 横浜 | 374 | +38.52 |
| 5 | 佐賀 | 347 | +2.36 |
| 6 | 松江 | 310 | +9.155 |
| 7 | 福井 | 305 | +18.22 |
| 8 | 札幌 | 281 | +21.65 |
| 9 | 広島 | 278 | +5.703 |
| 10 | 名古屋 | 275 | +4.167 |
| 11 | 宇都宮 | 272 | +1.873 |
| 12 | 鹿児島 | 264 | +1.931 |
| 13 | 津 | 253 | |
| 14 | 秋田 | 248 | |
| 15 | 仙台 | 231 | +23.53 |
| 16 | 高松 | 223 | +14.36 |
| 17 | 宮崎 | 214 | |
| 18 | 岡山 | 205 | +28.13 |
| 19 | 京都 | 202 | +8.602 |
| 20 | 東京都区部 | 201 | +8.649 |
| 21 | 鳥取 | 195 | +8.333 |
| 22 | 高知 | 194 | |
| 23 | 新潟 | 187 | -28.63 |
| 24 | 甲府 | 184 | +2.793 |
| 25 | 福島 | 176 | +10 |
| 26 | 山形 | 155 | |
| 27 | 長崎 | 154 | |
| 28 | さいたま | 142 | |
| 29 | 水戸 | 131 | |
| 30 | 神戸 | 120 | |
| 31 | 徳島 | 120 | |
| 32 | 千葉 | 120 | |
| 33 | 長野 | 118 | |
| 34 | 金沢 | 118 | |
| 35 | 熊本 | 118 | |
| 36 | 松山 | 118 | |
| 37 | 岐阜 | 118 | |
| 38 | 那覇 | 115 | |
| 39 | 盛岡 | 115 | |
| 40 | 奈良 | 115 | +1.77 |
| 41 | 大阪 | 115 | |
| 42 | 大津 | 115 | |
| 43 | 大分 | 115 | -4.167 |
| 44 | 前橋 | 115 | |
| 45 | 静岡 | 113 | |
| 46 | 福岡 | 110 | -4.348 |
| 47 | 和歌山 | 110 |

詳細なデータとグラフ
回転ずしの小売価格の相場と推移
回転ずしは、2000年代以降に急速に普及し、日本の外食文化を代表する存在となっています。価格は1皿100円から高級志向まで幅広く、地域性や仕入れの構造、店舗の業態、観光ニーズの有無などが価格に大きな影響を与えます。2025年5月時点の全国平均は199.3円で、過去20年にわたりゆるやかな上昇を続けてきましたが、都市によっては300円~500円超の価格も見られます。
突出する高価格帯 ― 山口・富山・青森
最も高いのは山口市(530円)で、全国平均の約2.7倍にも達します。これは「100円均1」のチェーンではなく、地魚や地元産鮮魚を使った高品質な回転ずし店が多いことが要因と考えられます。山口の価格は前年比+15.22%と大きく上昇しており、価格転嫁が進んだ結果とも言えるでしょう。
富山市(410円)と青森市(404円)も高価格帯に位置しており、これらの地域では日本海や3陸沖など、漁業資源に恵まれた立地を活かして、地元の魚を使った高付加価値型の回転ずしが主流です。ただし富山は前年比-9.692%と大きく下落しており、価格調整や業態転換の可能性がうかがえます。
都市型・観光型の価格上昇 ― 横浜・札幌・松江
横浜市(349円)は、2024年からの価格上昇が著しく、前年比+29.26%という急騰を示しています。これは、原材料コストの上昇に加え、都市部の外食産業における人件費や地代の上昇、観光客増による価格強気化が影響していると見られます。
札幌市(281円、+21.65%)と松江市(310円、+21.09%)も、観光需要の回復と共に価格が上昇した典型例です。地元の海鮮資源を活かしながらも、観光地価格としての側面が加わり、1皿の価格帯が上振れしています。
中価格帯と安定傾向 ― 広島・福井・名古屋
広島市(278円)は、価格が比較的安定している都市の1つですが、前年比+5.703%と全国平均に近い水準で上昇しています。都市部としての人件費増加や物流コストが背景にあると推測されます。
福井市(275円、+7.422%)と名古屋市(275円、+4.167%)も中価格帯に位置しており、チェーン店舗と地元密着型のバランスがとれた市場構造と考えられます。価格の上昇率も中庸で、全体として安定した推移が見て取れます。
価格上昇の構造的要因
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仕入れ原価の上昇 世界的な水産物価格の上昇、円安による輸入原材料の価格増が、仕入れコストに直結。
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人件費とエネルギー費の増大 最低賃金引き上げや労働力不足による人件費増、電気・ガス料金の上昇が運営コストを押し上げています。
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観光需要の回復とプレミアム志向 インバウンド需要の復活により、観光地や都市部では「質重視」「見た目重視」のメニュー構成が強化され、1皿の価格も上昇傾向に。
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業態の多様化と価格帯の広がり 回転ずしでも、100円均1ではなく、150円~500円と価格帯が広がっており、平均価格もそれに引っ張られています。
今後の見通しと地域格差の広がり
回転ずし業界は今後も、品質と価格のバランスを模索しながら変化していくと予想されます。特に地元資源を活かす地方都市では、今後も高価格帯を維持または拡大する傾向が続くでしょう。1方で、全国チェーンが多く進出する都市では、価格維持や値下げ圧力も存在するため、2極化がさらに鮮明になる可能性があります。



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