味付け肉の小売価格が全国で高騰、都市別の価格差と要因とは

肉類



2025年3月時点の味付け肉100gの全国平均価格は203.1円で、地域による価格差が顕著です。秋田や津では300円前後と高く、静岡や前橋では130円台と安価ながらも、価格上昇率は70~80%と急騰しています。背景には、飼料費や物流コストの高騰、加工調味料の原料価格上昇があり、今後も価格は高止まりする可能性があります。特に低所得世帯への影響が懸念されます。

食料品の都市別小売価格

味付け肉の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 秋田 宮崎 甲府 大津 福井 佐賀 福島 名古屋 松山
最新値[円] 203.1 311 307 296 263 258 257 251 245 242 236
平均比[%] 100 153.1 151.1 145.7 129.5 127 126.5 123.6 120.6 119.1 116.2
前年月同比[%] 6.693 50.97 0.656 0 0 2.789 26.6 21.26 2.941 4.762 23.56

味付け肉の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 静岡 前橋 大分 鹿児島 札幌 熊本 長崎 広島 山口 山形
最新値[円] 203.1 131 149 149 152 155 156 164 165 167 167
平均比[%] 100 64.48 73.35 73.35 74.82 76.3 76.79 80.73 81.22 82.21 82.21
前年月同比[%] 6.693 -7.092 -2.614 -37.39 3.401 3.333 0 0 1.852 -8.242 0

 

これまでの肉類の推移

味付け肉の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

味付け肉の現状と今後

2025年3月時点における味付け肉(100g)の全国平均小売価格は203.1円と、過去5年間で大きく上昇しています。2020年当初は平均価格が150円前後で推移していたものの、近年のインフレ、原材料費の高騰、物流コストの増加などにより上昇基調が続いています。


都市別価格の傾向と地域差

高価格帯の都市

  • 秋田:311円(前年比+50.97%)

  • 津:307円(+0.656%)

  • 宮崎:296円(※前年比未記載)

  • 甲府:263円

  • 大津:258円(+2.789%)

秋田では全国平均を大きく上回る価格となっており、前年比でも50%以上の上昇と突出しています。津や大津は価格は高いものの、前年比ではそれほどの変動は見られません。これは需要と供給のバランスや地域の流通経路の違いが要因と考えられます。

低価格帯の都市

  • 静岡:131円(+64.48%)

  • 前橋・大分:149円(+73.35%)

  • 鹿児島:152円(+74.82%)

  • 札幌:155円(+76.3%)

一方、静岡などの低価格帯地域でも、前年同期比で60~80%近い上昇が確認されており、「もともと安かったが急激に値上がりした」という傾向が読み取れます。特に静岡・鹿児島・札幌・熊本では、相対的に安価ながらも、価格上昇率ではトップクラスとなっています。


価格高騰の背景と構造的要因

飼料・原材料の価格高騰

円安やウクライナ危機、世界的な物流の混乱により、鶏肉や豚肉など味付け肉のベースとなる原材料費が高騰しています。日本の畜産業は輸入飼料に依存しており、コスト転嫁が価格に影響。

労働力不足と物流費増加

人手不足に加え、2024年からの物流2024年問題(ドライバーの時間外労働制限)によって、輸送コストが上昇。冷蔵流通を必要とする味付け肉のような商品には特に打撃。

調味料・加工コストの増加

味付け肉には、醤油・みそ・砂糖などの加工調味料が使われており、これらの原材料費や電気代・ガス代の高騰もコストに反映されています。


消費者への影響と今後の見通し

味付け肉は調理の手間が省け、家庭での時短ニーズにも応える商品として人気ですが、価格上昇によって「手軽さ」と「コスト」のバランスが崩れつつあります。特に低所得世帯や一人暮らし世帯にとっては影響が大きく、代替手段(生肉+自家製タレなど)へのシフトも進みそうです。

今後については、以下の点が注目されます:

  • 円高への転換があるか

  • 食品ロス削減や業務効率化によるコスト低減

  • 地場産業・直販ルートの拡充


まとめ

味付け肉の価格は、全国平均で200円を超え、地域によっては300円以上の水準となっています。静岡や鹿児島のような安価地域でも、前年比で60~80%という異常な上昇率が見られ、消費者への負担は大きくなっています。価格高騰の背景には、輸入コスト、物流、加工経費のすべてが複合的に作用しており、短期的な価格低下は見込みづらい状況です。

 

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