南北アメリカ政府純貸出の動向と課題|2025年GDP比の国別比較と今後展望

南北アメリカ

南北アメリカの政府純貸出はジャマイカを筆頭に複数国でプラスを示し、経済支援や資金循環の役割を果たしている。スリナムやエルサルバドルでは前年比で急増が見られ、政策の変化や財政再建が背景にある。一方、ニカラグアやアルゼンチンなどでは減少傾向も見られ、各国で財政健全化と経済成長促進のバランス調整が重要となっている。

政府純貸出、今年の予想ランキング

2025年
降順昇順
名称最新値[%]前年比[%]
1ジャマイカ5.16-13.64
2バルバドス4.35+13.34
3バハマ2.8-4.339
4スリナム2.7+728.2
5ニカラグア2.502-37.5
6エルサルバドル1.902+5664
7アルゼンチン1.794-28.21
8メキシコ1.561+684.4
9セントルシア1.431-31.2
10コスタリカ1.339+26.32
11アンティグアバーブーダ0.702-84.79
12ベリーズ0.587-11840
13ドミニカ共和国0.548+85.14
14パラグアイ0.477-429
15プエルトリコ0.388+1.837
16ドミニカ0.371+129
17トリニダード・トバゴ0.345-115.3
18ホンジュラス0.184-60.52
19ハイチ-0.066-101
20コロンビア-0.236-70.57
21パナマ-0.524-88.27
22ブラジル-0.593+77.01
23ウルグアイ-0.719-24.4
24グアテマラ-0.825-234.6
25ペルー-0.849-60.4
26チリ-1.089-44.92
27カナダ-1.308-32.26
28アメリカ-2.614-26.66
29グレナダ-4.353-143.6
30ガイアナ-4.489-36.09
31セントビンセント・グレナディーン-5.027-47.94
32セントクリストファーネイビス-7.338-22.28
33ボリビア-9.51+30.56
政府純貸出、高い国

政府純貸出、低い国ランキング

2025年
降順昇順
名称最新値[%]前年比[%]
1ボリビア-9.51+30.56
2セントクリストファーネイビス-7.338-22.28
3セントビンセント・グレナディーン-5.027-47.94
4ガイアナ-4.489-36.09
5グレナダ-4.353-143.6
6アメリカ-2.614-26.66
7カナダ-1.308-32.26
8チリ-1.089-44.92
9ペルー-0.849-60.4
10グアテマラ-0.825-234.6
11ウルグアイ-0.719-24.4
12ブラジル-0.593+77.01
13パナマ-0.524-88.27
14コロンビア-0.236-70.57
15ハイチ-0.066-101
16ホンジュラス0.184-60.52
17トリニダード・トバゴ0.345-115.3
18ドミニカ0.371+129
19プエルトリコ0.388+1.837
20パラグアイ0.477-429
21ドミニカ共和国0.548+85.14
22ベリーズ0.587-11840
23アンティグアバーブーダ0.702-84.79
24コスタリカ1.339+26.32
25セントルシア1.431-31.2
26メキシコ1.561+684.4
27アルゼンチン1.794-28.21
28エルサルバドル1.902+5664
29ニカラグア2.502-37.5
30スリナム2.7+728.2
31バハマ2.8-4.339
32バルバドス4.35+13.34
33ジャマイカ5.16-13.64
政府純貸出、低い国

詳細なデータとグラフ

政府純貸出の現状と今後

政府純貸出とは、政府の貸出額から借入額を差し引いた純額をGDP比で示したもので、財政政策の中で政府が金融機関や他国に対して貸出をどの程度行っているかを表す指標である。プラスであれば政府が純貸し手として経済に資金を供給していることを示し、マイナスの場合は政府の純借り手を意味する。政府の財政健全性や資金循環の把握に有用である。


南北アメリカにおける政府純貸出の現状

2025年のIMF予測によると、政府純貸出(GDP比)が最も高いのはジャマイカの5.16%であり、次いでバルバドス4.35%、バハマ2.8%、スリナム2.7%、ニカラグア2.502%、エルサルバドル1.902%、アルゼンチン1.794%、メキシコ1.561%、セントルシア1.431%、コスタリカ1.339%となっている。

特にジャマイカが最も高い値を示す1方、前年比では13.64%の減少と大きな変動があり、スリナム(+728.2%)やエルサルバドル(+5664%)、メキシコ(+684.4%)は前年からの急激な増加が目立つ。


過去の動向と変動要因

過去数十年にわたり、南北アメリカの多くの国は財政赤字や債務増加の影響で政府純貸出が低調あるいはマイナスで推移する傾向にあった。これは公共事業や社会保障費の増加に伴い政府が資金調達を増やすためである。

しかし近年、1部の国では財政改革や資産運用の積極化、あるいは国際支援による流動性改善が見られ、純貸出がプラスに転じるケースが散見される。特にバルバドスやエルサルバドル、メキシコでの前年比大幅増加は、政府の貸出拡大または債務削減努力の表れとも解釈できる。


国別特徴と課題

  • ジャマイカ 5.16%の純貸出を誇るが前年比-13.64%。高い純貸出率は過去の積極的な融資や国際機関からの資金配分が影響。減少は財政調整の兆候。

  • バルバドス 前年比+13.34%で増加。経済再建過程での財政資産の活用が進んでいると考えられる。

  • スリナム、エルサルバドル、メキシコ 前年比で大幅増(特にエルサルバドルは+5664%)が目立ち、これは過去の低基準からの回復や新規貸出の急増による。

  • ニカラグア、アルゼンチン、セントルシア 前年比で大幅な減少。財政悪化や融資回収問題が影響している可能性がある。


政府純貸出の特徴と財政運営の意味合い

政府純貸出の高い国は、通常、政府が経済の特定部門へ積極的に資金を提供していることを示す。これはインフラ投資や金融支援を通じて経済成長を促す政策の1環となるが、過度の貸出は財政資産の流動性リスクや回収リスクを伴う。

1方、純貸出が急減する国は財政悪化のリスクを抱え、資金不足や財政均衡のため貸出規模縮小を余儀なくされている可能性がある。


今後の推移と展望

南北アメリカでは、グローバル経済の不透明感や金利上昇圧力の中で、財政健全化と経済成長促進の両立が課題となる。政府純貸出は政策スタンスの指標となりうるが、過剰な貸出拡大は慎重に管理されるべきである。

特にスリナムやエルサルバドルの急増は持続可能性を検証する必要があり、ジャマイカのように高水準ながら減少傾向にある国の動きも注視される。

各国は、経済成長の下支えとしての貸出戦略と財政リスク管理のバランスを図ることが求められる。

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