北海道・東北地方のさつまいも市場価格は、都市別に見ると札幌市が355.3円/kgで最も高く、いわき市や函館市は200円前後と低価格帯にあります。近年は札幌や仙台での価格上昇が著しい一方、秋田や福島などでは価格が下落傾向にあります。気候変動や物流課題が地域差を生み、今後も価格の二極化や不安定な推移が予想されるものの、地場産業の振興や技術革新が価格安定化に寄与する可能性も期待されます。
さつまいもの卸売り市場価格
さつまいもの高い順
札幌市 | 仙台市 | 旭川市 | 秋田市 | 山形市 | 福島市 | 八戸市 | 青森市 | いわき市 | 函館市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 |
最大期 | 2021年6月 | 2021年6月 | 2021年6月 | 2021年5月 | 2021年5月 | 2019年6月 | 2021年5月 | 2021年5月 | 2021年5月 | 2010年7月 |
最新値[円/kg] | 355.3 | 307 | 283 | 252 | 245 | 222 | 221 | 216 | 201 | 199 |
最大値[円/kg] | 383 | 372 | 419 | 443 | 400 | 375 | 388 | 390 | 362 | 304 |
前月比[%] | +30.32 | +25.14 | -3.741 | -9.677 | -2.39 | -9.388 | -3.913 | +3.349 | -11.06 | -3.398 |
前年同月比[%] | +29.06 | +14.84 | +10.98 | +25.37 | +4.255 | +16.84 | -13.33 | +1.408 | -12.99 | -9.545 |
さつまいもの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
さつまいもの価格についての推移と展望
2008年以降、北海道・東北地方のさつまいも価格は比較的安定してきましたが、近年は大きな価格変動が見られます。全体的に札幌市や仙台市といった大都市圏で価格が高めに推移しており、地方都市では低価格での取引が目立ちます。北海道のさつまいも生産は、気候的な制約があるものの技術革新により徐々に拡大してきました。東北では農業基盤がしっかりしているものの、天候不順や人口減少が価格に影響を与えています。
都市別の価格動向と地域特性
2025年5月時点の価格(円/kg)および前月・前年同月比の動向は以下の通りです。
都市名 | 価格 (円/kg) | 前月比 (%) | 前年同月比 (%) |
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札幌市 | 355.3 | +30.32 | +30.32 |
仙台市 | 307 | +25.14 | +25.14 |
旭川市 | 283 | -3.741 | -3.741 |
秋田市 | 252 | -9.677 | -9.677 |
山形市 | 245 | -2.39 | -2.39 |
福島市 | 222 | -9.388 | -9.388 |
8戸市 | 221 | -3.913 | -3.913 |
青森市 | 216 | +3.349 | +3.349 |
いわき市 | 201 | -11.06 | -11.06 |
函館市 | 199 | -3.398 | -3.398 |
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札幌市・仙台市では大幅な価格上昇が見られ、流通の集中や消費需要の増加が影響しています。
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旭川市や秋田市は逆に価格が下落傾向にあり、収穫量の増加や流通調整によるものと推測されます。
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函館市やいわき市の価格が低迷しているのは、地域の生産過剰や需要減少、物流コストの低減も1因と考えられます。
北海道・東北の市場における最近の課題
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気候変動の影響北海道・東北は寒冷地であるため、さつまいも生産は気温・降水量の影響を受けやすく、近年の異常気象は収穫量の不安定化を招いています。
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物流と流通の効率化問題広域での流通を要する地域特性から、燃料費や人手不足による物流コストの増大が価格に反映されています。
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地域間価格格差の拡大都市部での価格高騰と地方都市の価格低迷が同時に進行しており、需要・供給の地域偏在が深刻化しています。
今後の価格推移の見通しと期待
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短期的には、札幌や仙台など都市圏の需要増加により価格上昇が継続すると予想されます。
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1方で、生産技術の向上や農業の効率化で地方の供給過剰感が緩和されれば価格の安定化も期待されます。
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気候変動対策や農業支援政策の充実が地域間格差是正の鍵となるでしょう。
まとめと今後の課題
北海道・東北のさつまいも価格は、都市別に顕著な差異があるものの、全体としては変動が大きい局面にあります。気候や物流、人手不足といった複合的な課題に対応しつつ、地域産業の振興や流通の効率化を図ることが重要です。今後は地域間格差の是正とともに、持続可能な生産体制の構築が求められています。
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