北海道・東北のピーマン価格最新動向|都市別価格差と今後の予測

ピーマン

2025年6月時点で、札幌市のピーマン市場価格は612.3円/kgと全国でも最高水準。仙台市も557.3円/kgで高値推移を示している。北海道では数量が前年同月比で減少し供給不足が価格を押し上げたと考えられる一方、東北の仙台市では数量が増加しつつ価格も上昇。気象条件、生産地の動向、物流コストの上昇などが両都市での価格上昇の背景にあるとみられる。

ピーマンの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1札幌市612.3+8.44
2仙台市557.3+8.641

市場価格の推移

ピーマンの市場価格

北海道・東北の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1札幌市0.204-7.692
2仙台市0.131+7.377

卸売数量の推移

ピーマンの卸売数量

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

ピーマンの卸売り市場の現状と今後

2025年6月現在、札幌市のピーマン市場価格は612.3円/kgと全国で最も高い価格帯を示しています。続く仙台市も557.3円/kgであり、いずれも高水準です。前年同月と比較しても札幌市が+8.44%、仙台市が+8.641%と、共に堅調な上昇傾向を示しています。

1方、卸売数量に目を向けると、札幌市は0.204kt(前年同月比-7.692%)、仙台市は0.131kt(+7.377%)と、数量面では対照的な動きを見せています。


都市別の価格と数量の傾向と違い

札幌市の特徴

札幌市は、北海道の中でも最大の集積市場であり、広大な土地と冷涼な気候を背景に農業が盛んな地域です。しかし、ピーマンのような温暖な気候を好む作物では、北海道では露地栽培期間が限られ、冬季は他地域からの仕入れに頼らざるを得ません。そのため、流通経費の高さや輸送距離が価格を押し上げる要因となっています。

また、2025年6月は数量が減少傾向にあり、供給不足による価格高騰の圧力が強まったと考えられます。

仙台市の特徴

1方、仙台市では卸売数量が前年比で増加しつつも価格は上昇しており、需要の堅調さと、仕入れ価格の上昇、あるいは品質の向上によって単価が高くなっている可能性があります。東北地方は福島・山形・岩手など、近隣県にピーマンの産地が点在しており、地場流通網の強さが供給を支えている背景もあります。


価格高騰の主な要因

北海道・東北の市場におけるピーマン価格高騰の要因は以下の通りです:

  • 気象条件の影響:特に2025年春以降は全国的に高温傾向が続き、生育に影響が出た産地も多く、供給が不安定化。

  • 燃料費・物流費の上昇:北海道からの流通、あるいは本州からの輸送コストの上昇が価格に反映されている。

  • 生産者減少・高齢化:ピーマンは手間がかかるため、高齢化が進む地方での生産者数減少が供給減を招いている。

  • 輸入依存度の低さ:ピーマンは国内産の比率が非常に高いため、国内生産の変動が価格に直結しやすい。


北海道・東北におけるピーマン生産の動向

北海道は本州に比べて冷涼な気候のため、ピーマンの栽培は限定された期間に行われます。そのため、温室栽培や高床式栽培などの工夫が必要で、コストの高さが市場価格に反映されやすいという特性があります。

東北地域では、特に福島県や秋田県での施設栽培が増加傾向にあり、夏季を中心とした出荷が安定してきています。これにより、仙台市場などへの供給が比較的堅調に保たれており、数量増が可能になっていると考えられます。


今後の見通しと対策

北海道・東北のピーマン市場は今後も気象の変動や物流のコスト、さらには後継者不足といった構造的課題の影響を受けることが予想されます。そのため以下のような対応が必要とされます:

  • スマート農業による効率化と省力化

  • 施設園芸の推進と省エネ型設備の導入

  • 地産地消と地場流通の強化

  • 若手生産者の育成支援と定着策


まとめ

北海道・東北のピーマン市場は、価格・数量の両面で都市ごとに異なる動きを見せており、札幌では供給減による高騰、仙台では数量増でも価格上昇という動きが確認されました。いずれも、気候変動と物流、地域特性を反映した動向であり、今後の安定供給に向けた対応が重要となっています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました