北海道・東北のじゃがいも価格動向|地域別差と今後の見通しを解説

じゃがいも

北海道・東北における2025年6月のじゃがいも価格は下落傾向で、特に仙台市では154.3円/kgと前年比-43%。一方で卸売数量は同市で23%増と大幅増加。供給過多が価格を押し下げ、今後は需給バランス調整や販路多様化が課題となる。

じゃがいもの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1仙台市154.3-43.26
2札幌市149.3-3.453

市場価格の推移

じゃがいもの市場価格

北海道・東北の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1札幌市0.946-3.764
2仙台市0.593+23.28

卸売数量の推移

じゃがいもの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

じゃがいもの卸売り市場の現状と今後

2025年6月現在、北海道・東北地方のじゃがいも市場価格は以下の通りです。

  • 仙台市:154.3円/kg(前年比 -43.26%)

  • 札幌市:149.3円/kg(前年比 -3.453%)

価格水準は全国平均(156円/kg)と大きな差はないものの、仙台市では大幅な価格下落が確認されており、1方で札幌市は比較的価格が安定しています。

卸売数量の多さは以下の通りです。

  • 札幌市:0.946kt(前年比 -3.764%)

  • 仙台市:0.593kt(前年比 +23.28%)

数量面では、仙台市での取り扱い量が大幅に増加しており、地域的な流通や需要の変化が伺えます。


過去の価格・数量の推移と変動要因

北海道・東北地方におけるじゃがいもの価格と数量は、以下のような推移を見せています。

  • 価格面では、例年北海道産が全国流通をリードする中で、物流や天候要因による波はあるものの、2023年以降はやや高止まり傾向が続いていました。

  • 2025年に入ってからの価格急落は、全国的な豊作と需給緩和が主因と見られます。

  • 特に仙台市では、前年と比べて数量が増加したにもかかわらず価格が急落していることから、供給過剰と地場需要の頭打ちが重なって価格低下を招いたと考えられます。


都市別の流通構造と特徴

札幌市
  • 北海道最大の都市として、北海道内産のじゃがいも流通の中心地です。

  • 生産地と市場が近いため、流通コストが低く価格は比較的安定しています。

  • 2025年6月時点では数量がわずかに減少したものの、価格の下落は限定的で、地場需給が比較的保たれているといえます。

② 仙台市
  • 東北地方の流通拠点として、近隣県からの出荷と北海道からの転送品が混在しています。

  • 2025年は前年より23%以上の数量増となっており、外食産業・加工業向け需要の回復が影響した可能性があります。

  • しかし供給増により価格が急落しており、受け皿としての市場機能が限界に近づいたとも読み取れます。


価格変動の主な背景

2025年のじゃがいも価格下落には、次のような全国的・地域的要因が絡んでいます。

  1. 北海道での大豊作 全国シェア7割以上を占める北海道で生産が好調だったため、東北方面への流通量が増大

  2. 輸送網の改善による流通圧力 物流の正常化により、じゃがいもの流通が再活性化。流入量が需要を超過しやすい状況に。

  3. 地場需要の伸び悩み 家庭需要の鈍化や外食需要の構造変化により、市場での消費が伸びず、価格低下圧力が強まった


北海道・東北におけるじゃがいも生産の特色

  • 北海道は春〜夏にかけての主産地であり、品種多様化・機械化・契約栽培が進展しています。高収量・高品質品が全国へ出荷されています。

  • 東北地方(特に青森・秋田・岩手)では、秋冬出荷を見据えた栽培が拡大しており、貯蔵性の高い品種も普及しています。

  • 近年は異常気象への対応として、排水性改善や耐病性品種の導入が進行中です。


今後の展望と課題

今後のじゃがいも流通と価格安定のためには、以下の点が重要です。

  • 契約出荷や価格連動型の販売方式の普及による、急激な価格変動の緩和。

  • 地場消費の拡充策(学校給食・地産地消運動)の推進。

  • 長期保存・加工品向けの販路開拓を通じた過剰供給の緩衝。

  • 気候変動に強い生産体系(排水強化、日照不足対応技術)の構築。

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