北海道・東北の2025年4月時点での電気料金は全国平均を上回る1.487万円で、札幌・旭川・函館が特に高く1.692万円。一方、東北の多くの都市は1.41万円と横並びで安定している。寒冷地ゆえの暖房需要の高さや送電コスト、再生可能エネルギー導入の課題が要因。今後も電化製品の省エネ化や再エネ政策の進展により、安定もしくは微減が期待されるが、燃料価格の影響を受けやすく、注意が必要である。
小売物価統計
電気料金の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 札幌 | 旭川 | 函館 | 青森 | 郡山 | 秋田 | 福島 | 盛岡 | 山形 | 八戸 |
最新値[万円] | 1.487 | 1.692 | 1.692 | 1.692 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 |
前年同月比[%] | +1.472 | -0.0709 | -0.0709 | -0.0709 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 |
電気料金の安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 仙台 | 八戸 | 山形 | 盛岡 | 福島 | 秋田 | 郡山 | 青森 | 函館 | 旭川 |
最新値[万円] | 1.487 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.41 | 1.692 | 1.692 |
前年同月比[%] | +1.472 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | +2.182 | -0.0709 | -0.0709 |
北海道・東北の推移


詳細なデータとグラフ
北海道・東北の電気料金現状と今後
2025年4月時点での北海道・東北地方の1か月の平均電気料金は14,870円。これは全国平均の13,510円を上回り、地域として電気代が高い傾向にあります。特に札幌・旭川・函館が1.692万円と際立って高く、他の東北地方の都市(青森、郡山、秋田、福島、盛岡、山形、8戸、仙台)はすべて1.41万円で横並びとなっています。
高価格の要因分析
寒冷地の特性と暖房需要
北海道・東北は、冬季の寒さが厳しく、暖房の使用頻度が他地域より圧倒的に高いです。とくに札幌・旭川・函館などは降雪量も多く、エアコンだけでなく電気式のヒーターや床暖房の使用が1般的です。これが電力消費量を押し上げ、1か月の料金が高額になる大きな要因です。
配送電コストの地域差
広大な面積に対して人口密度が低いため、送配電のインフラコストが高いのも特徴です。これにより北海道電力や東北電力の原価が高くなり、それが料金に転嫁されています。
再生可能エネルギーと設備投資
北海道は風力発電の導入が進んでいますが、送電線の容量不足や蓄電設備の不足により、効率的にエネルギーを利用しきれていない点も課題です。これがコスト高の1因となっています。
前年比で見た増減の傾向
全体の増加幅は小幅
2024年同月比で見ると、北海道・東北全体では+1.472%の上昇となっており、全国平均の+3.087%より穏やかな伸びにとどまっています。
北海道内はむしろ微減傾向
札幌・旭川・函館は-0.0709%と前年同月比で微減。これは、エネルギー効率の高い家電製品の普及や、燃料価格の1時的な落ち着きによる影響とみられます。
東北各都市は1律の微増
青森、郡山、秋田、福島、盛岡、山形、8戸、仙台はすべて+2.182%と、同じ上昇率で価格改定がなされていることがうかがえます。電力会社が地域単位で料金設定を調整した可能性があります。
今後の電気料金の見通し
燃料価格の影響は依然として大きい
北海道・東北では火力発電への依存も大きいため、原油やLNG価格の変動が料金に直結します。国際情勢の不安定化があれば、今後も上昇リスクは残ります。
再エネの拡大と効率化が鍵
特に北海道では風力や太陽光の導入拡大が期待されています。これが順調に進めば中長期的には料金の安定化も期待できますが、送電網整備と蓄電システムの構築が課題です。
家庭側の省エネ対応も重要
ヒートポンプ式暖房や断熱リフォームの普及により、使用電力量そのものを削減する取り組みが進めば、電気代の実質的な抑制が可能です。自治体による補助金制度の拡充なども今後のカギになります。
地域ごとの注目点
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札幌・旭川・函館は冬季暖房において最も電力負担が大きく、料金の高止まりが続くと予想される。
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東北主要都市(仙台など)は1.41万円と安定しており、今後も大幅な変動は起こりにくい。
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地域間格差は今後のエネルギー政策次第で是正される可能性があるが、現状では大きな開きがある。
まとめ
北海道・東北の電気料金は、地域特性・寒冷地特有の需要・インフラ整備のコストによって全国的にも高水準にあります。再生可能エネルギーや省エネ機器の普及が今後の鍵を握っており、長期的には安定化が期待されますが、国際的な燃料価格や政策動向に左右されるリスクも残ります。ユーザー側としては、今後の省エネ対策や料金プランの見直しが経済的負担を軽減する重要な手段となるでしょう。
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