2025年6月時点で、北海道・東北では仙台市が409円/kgと全国でも高価格の傾向を示し、札幌市は338.3円/kgと安定。卸売数量は両市とも前年比で約1割増加しており、需要拡大がうかがえる。高級果実の需要や流通体制の強化が、価格や数量の変動に影響を与えている。
輸入果実の市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 仙台市 | 409 | +4.071 |
2 | 札幌市 | 338.3 | -3.243 |
市場価格の推移

北海道・東北の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 札幌市 | 0.799 | +9.153 |
2 | 仙台市 | 0.787 | +12.11 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
輸入果実の卸売り市場の現状と今後
2025年6月現在、北海道・東北地方の輸入果実市場における価格と数量の主要都市は以下の通りです:
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仙台市:409円/kg(前年比 +4.071%)
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札幌市:338.3円/kg(前年比 -3.243%)
価格では仙台市が突出しており、全国的にも高値の部類に入る水準です。1方、札幌市は全国平均(350.3円/kg)をやや下回っているものの、安定した価格帯で推移しています。
卸売数量では:
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札幌市:0.799kt(前年比 +9.153%)
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仙台市:0.787kt(前年比 +12.11%)
両市とも前年から大きく数量を伸ばしており、輸入果実の需要が地域内で拡大していることが読み取れます。
価格の推移と要因
輸入果実の価格は全国的に下落傾向にある中、仙台市では価格が上昇しています。これは以下のような要因が考えられます:
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高級輸入果実(例:チェリー、マンゴー)の取扱比率が増加
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贈答・観光需要に伴う高単価果実の流通拡大
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地元市場の購買力と選別意識の高さ
1方、札幌市では価格がやや下落していますが、これは低価格帯果実(例:バナナ、オレンジ)を中心とした流通量増加が価格を押し下げた可能性があります。
卸売数量の動向と地域性
卸売数量が前年比で2桁増となっている背景には、以下の点が挙げられます:
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流通の効率化:特に札幌市では冷蔵・冷凍物流の強化により、鮮度を保ったままの果実供給が可能となった。
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輸入先の安定化:フィリピンやチリ、アメリカなどからの輸入が安定し、供給量が増加。
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小売ニーズの多様化:健康志向やスムージー需要の高まりで果実全体の消費が増加。
仙台市では特に生鮮輸入果実の販路拡大が進み、首都圏との物流連携強化も数量増に寄与していると見られます。
都市別の市場構造と流通の特徴
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仙台市 東北地方の玄関口として、関東圏や北海道との結節点に位置。季節を問わず多様な輸入果実が流通し、消費者の価格許容度も比較的高い。観光都市でもあり、高単価果実の需要が強いのが特徴。
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札幌市 北海道の最大市場として、道内各都市への分配拠点を担う。特にバナナやオレンジなどの定番果実の扱いが多く、安定した価格と数量を維持。ホテル・外食産業向けの業務需要も堅調。
価格変動の構造と将来展望
価格変動には以下の要因が影響しています:
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為替の変動:円安時には価格上昇が顕著になりやすいが、全体としては価格競争の圧力で抑制される傾向。
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輸入果実の原産地状況:南米やアジアの気象災害、物流障害が供給不安定を招く。
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地域の需要特性:寒冷地では輸入果実への依存が高く、国産果実より安定供給できるメリットが支持される。
今後は以下の展望が見込まれます:
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輸入果実の2極化(定番・高級)の進行
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地産地消と輸入の共存:地域農産物とのバランスをとる政策的動き
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販路のデジタル化:ネットスーパー等での果実消費が増加し、市場価格への反映も多様化へ
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