北海道・東北の灯油18Lの2025年5月平均価格は2247円で、前年同月比9.1%上昇。函館や旭川は高価格帯を維持し、青森や秋田、仙台で特に上昇が顕著。寒冷地特有の高需要と物流制約が価格変動を促進し、地域間で価格差と変動率の差が見られる。今後も季節性や輸送コストが価格に影響を与える見込み。
都市別の灯油18Lの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
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平均 | 2173 | +5.49 | |
1 | 函館 | 2368 | +3.406 |
2 | 旭川 | 2340 | +6.267 |
3 | 青森 | 2265 | +9.792 |
4 | 札幌 | 2232 | +6.286 |
5 | 福島 | 2178 | +3.419 |
6 | 郡山 | 2153 | +6.69 |
7 | 山形 | 2109 | +2.23 |
8 | 仙台 | 2097 | +11.66 |
9 | 秋田 | 2094 | +6.728 |
10 | 盛岡 | 2082 | +2.36 |
11 | 八戸 | 1986 | +2.16 |

詳細なデータとグラフ
北海道・東北の小売価格の相場と推移
2025年5月時点で、北海道・東北地方の灯油18Lの平均価格は2247円となっています。これは全国平均(約2301円)よりやや低い水準ですが、寒冷地であるため、需要が高く価格変動の影響も大きい地域です。前年同月比で約+9.083%と大きな上昇が見られ、燃料価格の世界的高騰や輸送コストの増加が反映されていることがうかがえます。
都市別価格の特徴と地域差
高価格都市(2300円以上)
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函館(2427円)、旭川(2370円)、青森(2350円)、札幌(2304円)
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これらの都市は北海道および青森県内の主要都市で、特に函館は全国でも上位の価格帯を示します。交通網の距離や物流の複雑さがコストに影響しやすい地域であり、寒冷地での冬季需要の高さも価格を押し上げています。
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中価格帯都市(2200~2300円)
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福島(2256円)、秋田(2238円)
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東北地方内でも比較的高い価格を示し、寒冷地であることに加え、都市規模と物流効率の関係で価格が安定的に高い傾向があります。
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低価格帯都市(2100~2200円)
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郡山(2183円)、山形(2183円)、盛岡(2160円)、仙台(2127円)
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これらは東北地方の比較的大きな都市でありながら、他の地域に比べて価格がやや抑えられています。仙台は東北最大の都市であり、供給網の整備や競争が価格安定に寄与している可能性があります。
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前年同月比価格上昇の動向
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全体平均で+9.083%の上昇は、世界的な原油価格の変動と国内の輸送コスト増加が主な要因と考えられます。
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都市別で見ると、青森(+15.25%)、秋田(+13.03%)、仙台(+13.26%)といった地域で特に価格上昇が顕著です。
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これらの地域は供給インフラや天候による物流制約の影響を受けやすく、価格変動が大きくなる傾向があります。
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1方、函館(+5.983%)、山形(+5.817%)は比較的穏やかな上昇率であり、流通効率や競合の状況が影響していると推察されます。
灯油価格に影響を与える地域特有の要因
気候と需要の季節性
北海道・東北は冬季の寒さが厳しく、暖房用灯油の需要が高いため、季節変動の影響が大きい。特に寒波や長期的な低温は消費を押し上げ、価格上昇要因となる。
輸送コストと物流環境
広大な地域であるため、輸送距離が長く、交通事情や道路状況の影響も大きい。特に雪害や凍結による物流制約は、供給の安定性と価格に直結する。
地方市場の競争状況
札幌や仙台といった大都市は複数の販売業者が競争し価格を抑える傾向がありますが、郡山や函館などでは供給業者の数が限られ、価格競争が制限されることもあります。
今後の展望と課題
北海道・東北地方では、エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの導入が進む1方で、冬季の灯油需要は依然として高いため、価格変動リスクは続くと考えられます。物流インフラの強化や競争環境の整備が、価格安定化のカギとなるでしょう。
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