北海道・東北の柿価格動向|地域別市場差と今後の価格見通し

果物価格(都市別)



北海道・東北地方における柿の市場価格は、主産地ではないことから輸送コストの影響が大きく、都市間で価格差が大きいのが特徴です。2025年2月時点では山形・秋田で急騰が見られ、札幌市では逆に下落。全体として需給バランスの変化や健康志向の高まりが価格に影響しています。今後も価格は高止まり傾向で推移する可能性があります。

柿の卸売り市場価格

柿の高い順

山形市 秋田市 仙台市 札幌市 青森市 盛岡市 函館市 いわき市 旭川市 室蘭市
最新 2021年12月 2021年12月 2024年12月 2025年2月 2023年12月 2023年12月 2016年12月 2023年12月 2021年12月 2011年12月
最大期 2017年7月 2011年7月 2013年6月 2011年7月 2011年7月 2012年7月 2010年7月 2011年7月 2016年1月 2011年7月
最新値[円/kg] 488 484 476.7 447 400 393 366 364 346 311
最大値[円/kg] 1652 1334 1547 1089 1155 980 1082 1345 1809 1085
前月比[%] +111.3 +79.26 +24.56 -22.44 +21.21 +25.16 +46.99 +25.95 +2.065 +16.48
前年同月比[%] -24.11 +35.2 +15.42 -26.96 +56.25 +48.86 -5.67 +26.39 +3.284 -7.164

 

柿の推移

柿価格の推移

最新の価格データ

最近の柿価格

 

その他のデータとグラフ

 

柿の価格についての推移と展望

北海道・東北は、気候的に柿の主産地ではない地域です。特に北海道は冬季の寒冷により露地栽培が難しく、流通する柿はほぼ全てが他県産の輸送品に頼っています。東北地方でも、福島県や宮城県南部を除き、生産規模は小さめです。したがって、価格は他地域からの輸送コストや需要動向に左右されやすい傾向があります。


2025年2月時点の価格水準と特徴

最新データによると、山形市(488円/kg)、秋田市(484円/kg)、仙台市(476.7円/kg)が高価格帯に位置しており、室蘭市(311円/kg)、旭川市(346円/kg)が低価格帯となっています。全体的に価格帯の幅は177円/kgと地域差が大きいのが特徴です。


直近の価格変動から見える需給の変化

前月比・前年同月比の数値は多くの都市で大幅な上昇を示しています。特に山形市は+111.3%、秋田市も+79.26%と急騰しました。この背景には以下の要因が推察されます:

  • 他地域での不作や災害の影響による供給不足

  • 柿の需要回復(贈答用・健康志向)

  • 北海道・東北内での品薄による単価上昇

  • 販売単位や規格の高級化(大玉や甘柿の比率上昇)

一方、札幌市のみが-22.44%と価格下落を記録しており、これは大量入荷や販促による価格調整の可能性が考えられます。


地域別の価格特色と流通構造

  • 山形市・秋田市・仙台市:比較的流通拠点に近く、一定の高価格帯を維持。特に山形は周辺地域からの集荷・販売の中心地であり、価格が安定しやすい反面、需要が供給を上回ると急騰しやすい。

  • 青森市・盛岡市・いわき市:中価格帯に位置し、他県からの輸送コストが影響していると見られる。

  • 函館市・旭川市・室蘭市:物流面の制約が大きく、仕入れルートや量販店依存度により価格が上下しやすい。


今後の価格推移の展望

短期的見通し(2025年春まで):

  • 冬から春にかけての在庫調整や販促により、価格は一時的に落ち着く可能性があります。

  • ただし、物流費の高騰や電気料金の上昇が価格の下支え要因となるでしょう。

中長期的見通し:

  • 消費者の健康志向の高まりや、高品質柿のブランド化が進めば、引き続き価格は堅調に推移する可能性があります。

  • 北海道や東北での簡易ビニールハウスなどによる試験栽培の拡大が今後の供給を安定させ、価格変動を緩やかにすることが期待されます。

 

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