北海道・東北のバナナ市場では、札幌市が266.7円/kgと全国平均を大きく上回り、仙台市も243円/kgと高水準。価格は安定しているが、為替や輸送コスト、産地の気候変動に影響を受けやすい。卸売数量は両都市とも高水準を維持し、地域の流通拠点としての役割が際立つ。今後も安定供給と価格動向に注視が必要である。
バナナの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 札幌市 | 266.7 | -0.744 |
2 | 仙台市 | 243 | -1.352 |
市場価格の推移

北海道・東北の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 札幌市 | 0.267 | -0.744 |
2 | 仙台市 | 0.243 | -1.352 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
バナナの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点における北海道・東北地方の代表的な市場である札幌市のバナナ市場価格は266.7円/kg、仙台市は243円/kgと、全国平均(224円/kg)を上回る高水準にあります。両市とも前年同月比では微減(札幌 -0.744%、仙台 -1.352%)となっており、安定した価格帯にとどまっています。
都市別の価格と数量の特徴
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札幌市:価格が全国でも上位に位置し、流通数量は0.267k円/kgと北海道地方における主要な流通拠点です。物流距離の長さや保管コストが反映され、価格が高止まりする傾向にあります。
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仙台市:札幌よりやや低価格ではあるものの、0.243k円/kgという数量から、東北地方最大の消費・流通拠点であることがうかがえます。仙台もまた、他地域と比較して卸売量の水準が高く、都市圏需要を反映しています。
価格推移と安定要因
2008年からの長期的な傾向として、バナナ価格は大きな上下動が少なく、全体的に安定的です。特に北海道・東北では、輸入果物であるバナナの国内再流通における安定供給ルートの確立が功を奏し、極端な価格変動は避けられています。また、バナナは他果物と比べて価格弾力性が小さく、1定の需要が常にあることも安定性の1因です。
価格高騰の要因と地域差
2025年6月の数値では微減が見られますが、全体的に価格水準は依然として高い状態です。これは以下の要因によるものです:
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円安の進行:輸入品であるため、為替の影響が価格に直結します。
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現地輸出国(主にフィリピン)の気候変動:台風や異常気象による供給不安が価格の上昇圧力となっています。
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輸送費・保管費の増加:特に札幌は本州からの輸送距離が長く、冷蔵輸送のコストも高いため、全国的に見ても高価格となる傾向があります。
バナナの生産・流通の構造と今後
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生産国の集中:日本で流通するバナナの大半はフィリピンに依存しており、そのため現地の政情・天候が日本の市場に直接影響します。
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サプライチェーンの改善:港湾からの配送効率や保冷流通網の整備が進んだことにより、東北・北海道でも1定の品質と価格安定が実現しています。
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今後の展望:需要は今後も堅調と予想されますが、国内輸送費や人件費の上昇が価格に転嫁されやすく、再び価格上昇の兆しが出る可能性があります。特に地方市場では、少量流通による単価上昇リスクが顕著です。
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