北海道・東北のトマト市場は、札幌市と仙台市が価格・数量ともに全国上位を維持。特に札幌では輸送コストや品質志向が高値の一因となっている。気象リスクや資材費上昇により価格は上昇傾向。生産現場ではハウス化やブランド化が進む。
トマトの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 札幌市 | 393.7 | +6.88 |
2 | 仙台市 | 316 | +3.268 |
市場価格の推移

北海道・東北の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 札幌市 | 0.394 | +6.88 |
2 | 仙台市 | 0.316 | +3.268 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
トマトの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点で、北海道・東北における代表的な市場価格は以下の通りです。
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札幌市:393.7円/kg(前年比+6.88%)
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仙台市:316.0円/kg(前年比+3.268%)
価格の面では全国トップクラスの札幌市が突出しており、仙台市も全国平均を上回る高値を維持しています。また、卸売数量においても札幌市は0.394k円/kg、仙台市は0.316k円/kgと高水準を示しており、需要と供給が安定的に推移しているエリアであることが読み取れます。
価格と数量の推移
2008年以降の長期的な傾向として、北海道・東北地域ではトマトの価格が徐々に上昇傾向にあり、とくに札幌市では顕著です。この背景には以下の要因があります。
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消費者の高品質志向の高まり
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寒冷地でのハウス栽培の普及
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輸送費の上昇
卸売数量については、人口動態の安定した都市である札幌市・仙台市を中心に堅調であり、地域の中核市場としての機能を維持しています。
都市別の特徴と価格構造
札幌市
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気候の関係で露地栽培よりもハウス栽培の比率が高く、単価の高いトマトが流通。
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北海道外からの輸送コストが価格に上乗せされやすい。
仙台市
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宮城県内をはじめとする東北各地の生産地との流通網が整備されており、比較的地元産の比率が高い。
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地産地消志向の高まりにより、需要も底堅い。
価格上昇の要因
北海道・東北でのトマト価格上昇には以下のような複合的な要因が関係しています。
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気象の不安定化による収量変動(特に冷害・日照不足)
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生産者の高齢化と労働力不足に伴う供給の減少
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資材費の高騰(肥料・ビニールハウス燃料など)
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物流コストの上昇(特に北海道で顕著)
これらの影響が複合的に作用し、価格の上昇と卸売数量の調整が同時進行で行われています。
トマト生産の地域的な動向
北海道では夏季の冷涼な気候を活かした露地栽培や、温室による通年供給体制の確立が進んでいます。1方、東北地方では福島・山形・岩手といった県での露地栽培が中心ですが、気象リスクの増大に対応するため、ハウス栽培への転換が進行中です。
いずれの地域も、高品質・高糖度トマトなどのブランド化に力を入れており、消費者からの評価を高めています。
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