北海道・東北のキャベツ価格の地域差と今後の動向|2025年春の分析

キャベツ

北海道・東北では札幌市のキャベツ価格が高く、流通コストや地域生産量が影響しています。数量は札幌・仙台ともに大幅減少し、特に仙台市は前年比-35.89%。気象条件や生産体制、物流の変化が需給バランスを左右しており、今後の安定供給には課題も多い状況です。

キャベツの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1札幌市97.67-11.75
2仙台市77.67-7.171

市場価格の推移

キャベツの市場価格

北海道・東北の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1札幌市1.445-11.62
2仙台市0.586-35.89

卸売数量の推移

キャベツの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

キャベツの卸売り市場の現状と今後

2025年6月現在、北海道・東北におけるキャベツの市場価格は、札幌市で97.67円/kg、仙台市で77.67円/kgとなっており、全国平均(77.67円/kg)に比べて札幌市は非常に高い水準です。これは札幌市の地理的条件、すなわち本州からの輸送コストの高さや、道内の自給率の変動によって価格が押し上げられていることが1因です。

1方、仙台市は全国平均と同等であり、比較的安定した供給体制が整っていると考えられます。東北地方には生産拠点が点在し、仙台市場においては地場供給が価格の安定に寄与しているとみられます。


卸売数量の現状と推移

卸売数量では、札幌市が1.445ktと東北・北海道で最大の取扱量を誇り、仙台市は0.586ktとそれに次ぐ規模です。しかし、前年同月比でみると、札幌市は-11.62%、仙台市は-35.89%といずれも大幅に減少しています。

この背景には、2025年春〜初夏にかけての気象条件や、生産地での病害被害、または人手不足による収穫量の減少などが考えられます。特に仙台市の数量減少は深刻で、供給体制の再編が必要となる状況とも読み取れます。


地域ごとの価格・数量に関する特徴

●札幌市:

価格が高く、数量も比較的多いですが、需給のバランスが崩れると価格が大きく変動する傾向にあります。道内の産地リレー(例:空知・石狩など)に依存しているため、局地的な天候の影響を強く受けやすいのが特徴です。

●仙台市:

価格は安定していますが、数量の減少が目立ちます。福島・宮城県内などの生産地からの安定供給が可能な地域であるため、本来は安定供給が強みですが、2025年は流通の変化や需給ギャップが影響していると考えられます。


価格変動の要因分析

キャベツの価格変動には以下の要素が大きく影響します:

  • 輸送コストの影響:特に札幌市は本州からの輸送に依存しており、燃料費の高騰などが価格に直結します。

  • 気候変動の影響:冷涼な地域であるがゆえに、生育期間が限られ、天候不順や低温の影響を受けやすいです。

  • 市場競争の影響:生産量の少ない年は、供給量の減少によって価格が高騰しやすく、逆に豊作年は価格が暴落しやすい傾向があります。


キャベツ生産の動向と展望

北海道では、夏季の冷涼な気候を活かし高原野菜としてのキャベツが広く栽培されています。空知・上川地方を中心とした1大産地があり、主に本州向けの出荷も行われています。仙台市に供給されるキャベツは、福島県や宮城県南部などで栽培される平地野菜が中心です。

今後の課題としては、生産者の高齢化と労働力不足、異常気象の頻発、輸送網の不安定化などが挙げられ、安定した市場供給には産地の集約化や効率的な物流構築が求められるでしょう。

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