北海道・東北のガソリン価格動向|都市別の特徴と上昇要因を解説

ガソリン



2025年4月時点で北海道・東北の平均ガソリン価格は185.1円。山形や福島など内陸都市で価格が高く、輸送コストや供給構造が要因。一方、港湾都市の八戸や函館、盛岡などは価格が低め。背景には原油高、円安、寒冷地特有の物流コストがあり、EV普及や地域物流の効率化が今後の鍵となる。

自動車・交通の都市別小売価格

北海道・東北価格の高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 山形 福島 旭川 郡山 青森 札幌 仙台 秋田 函館 八戸
最新値[円] 185.1 195 191 189 187 186 184 183 182 182 180
平均比[%] 100 105.4 103.2 102.1 101 100.5 99.41 98.87 98.33 98.33 97.25
前年月同比[%] +5.602 +4.839 +4.945 +5 +5.056 +9.412 +3.371 +7.018 +6.433 +4.598 +4.651

北海道・東北価格の低い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 盛岡 八戸 函館 秋田 仙台 札幌 青森 郡山 旭川 福島
最新値[円] 185.1 177 180 182 182 183 184 186 187 189 191
平均比[%] 100 95.63 97.25 98.33 98.33 98.87 99.41 100.5 101 102.1 103.2
前年月同比[%] +5.602 +6.627 +4.651 +4.598 +6.433 +7.018 +3.371 +9.412 +5.056 +5 +4.945

 

これまでのガソリンの推移

北海道・東北の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

北海道・東北の現状と今後

2010年から2025年にかけて、北海道・東北地方のガソリン小売価格は全国と同様に国際原油市場や為替、国内政策の影響を受けて変動を続けてきました。2025年4月時点での地域平均価格は185.1円と、全国平均(187円)をやや下回っています。

地域的な特性として、寒冷地であるため暖房用灯油やガソリンへの依存度が高く、冬季の需要期には価格が上昇しやすい傾向があります。


価格が高い都市の特徴と背景

上位5都市(2025年4月):

  • 山形(195円)

  • 福島(191円)

  • 旭川(189円)

  • 郡山(187円)

  • 青森(186円)

これらの都市には以下の特徴が見られます:

  1. 内陸型の都市で輸送コストが高い 山形や福島、旭川などは港湾から距離があるため、陸上輸送のコストが価格に転嫁されやすい構造です。

  2. スタンド間競争が限定的 人口密度が低く、給油所数も限定されているため、価格競争が緩やかで価格が高止まりしやすい傾向があります。

  3. 価格上昇は相対的に緩やか 山形(+4.83%)や福島(+4.94%)の前年比増加率は中程度で、急激な高騰というより持続的なコスト上昇の影響と見られます。


価格が低い都市の特徴と構造的要因

下位5都市(2025年4月):

  • 盛岡(177円)

  • 8戸(180円)

  • 函館・秋田(182円)

  • 仙台(183円)

これらの都市には以下の要素が関係しています:

  1. 港湾都市として供給拠点に近い 函館、8戸、秋田などは港を有する都市で、燃料供給コストが抑えられやすくなっています。

  2. 都市規模が中程度でスタンド数も1定 仙台や盛岡では価格競争が働きやすく、他地域よりも低価格で安定していると見られます。

  3. 盛岡は最安値(177円)ながら増加率は高め(+6.63%) これまで価格が抑えられていた反動もあり、価格転嫁の波が遅れて到達した可能性が考えられます。


ガソリン価格上昇の背景要因

国際原油価格と輸送コストの影響

 中東情勢やOPECプラスの減産継続により、原油価格は高止まり。加えて北海道・東北では積雪・寒冷期の配送コストが他地域よりも高く、その分が価格に反映されています。

円安と燃料輸入コスト

 円安の進行により、原油のドル建て輸入価格が増大。特に地方においては輸送回数や中継点が多いため、その負担は大きくなります。

灯油との需要競合

 寒冷地であるため冬季の灯油需要が非常に高く、精製施設や輸送網が灯油中心に稼働する中で、ガソリン供給がやや後回しにされるケースも存在します。

給油所の減少による価格硬直化

 過疎化や車離れの影響で、給油所の廃業が進行。供給側の選択肢が減ったことで、地域内での価格調整力が低下しています。


今後の展望と地域における対応策

EV・ハイブリッド車の普及促進

 寒冷地ではEVの航続距離問題などもありますが、技術改善が進めば普及は加速し、ガソリン需要は減少傾向に入る見通しです。

地域物流の効率化と共同配送の推進

 燃料の供給にかかるコストを削減するために、自治体や事業者間での共同配送や物流最適化の動きが始まっています。

冬季に向けた備蓄や価格平準化策の検討

 季節要因による価格の急変動を抑えるため、価格補助や安定供給への仕組みが重要になります。政府や地方自治体の介入も議論されています。

 

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