2025年5月時点で北海道・東北のガソリン平均価格は180.8円/L。福島・山形・青森で価格が高く、札幌・仙台は競争激化により低め。全体的に前年同月比+3.9%の上昇。原油高や物流コストが価格を押し上げ、今後も高値圏での推移が見込まれる。
都市別のガソリン1Lの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 168.6 | -3.335 | |
1 | 福島 | 177 | -2.747 |
2 | 山形 | 176 | -5.882 |
3 | 郡山 | 175 | -1.685 |
4 | 青森 | 169 | +0.595 |
5 | 秋田 | 168 | -1.176 |
6 | 仙台 | 168 | -2.326 |
7 | 八戸 | 167 | -1.183 |
8 | 函館 | 166 | -5.143 |
9 | 盛岡 | 165 | -0.602 |
10 | 札幌 | 164 | -6.286 |
11 | 旭川 | 160 | -9.605 |

詳細なデータとグラフ
北海道・東北の小売価格の相場と推移
2025年5月現在、北海道・東北地方のガソリン平均価格は180.8円/Lと、全国平均(184.1円)および大都市平均(183.5円)をやや下回っています。寒冷地という特徴から、暖房用や車移動に伴う燃料需要は大きいものの、地方特有の競争環境や物流構造が価格に影響を及ぼしています。
都市別価格とその傾向
高価格帯:福島・山形・青森(184〜188円)
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福島(188円)は地域内最高値。郡山(184円)も高めで、福島県内全体の価格帯が上昇傾向。この背景には、物流コストの上昇や流通網の構造的制約があると考えられます。
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青森(184円)は前年同月比+8.876%と急騰。遠隔地での仕入コスト上昇に加え、冬季の備蓄需要も影響している可能性があります。
中価格帯:函館・秋田(180〜181円)
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函館(181円)・秋田(180円)はやや平均に近い水準。秋田は前年同月比+5.88%と上昇幅が大きく、交通インフラへの依存や地場供給の不安定さが価格に影響していると推察されます。
低価格帯:旭川・8戸・仙台・札幌(177〜178円)
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札幌(177円)は地域最安値で、前年同月比+2.312%。人口密度の高さ、スタンド数の多さ、価格競争の激しさなどが価格抑制につながっていると見られます。
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仙台(178円)も同様に流通の拠点都市として安定的な価格が形成されており、8戸・旭川も177〜178円でこれに続きます。
これまでの価格推移と背景
2007年以降、ガソリン価格は世界的な原油価格の影響を大きく受けながらも、地域ごとに差異のある価格構造が維持されてきました。2011年の東日本大震災直後は1時供給混乱がありましたが、その後安定。2020年のコロナ禍で大きく下落した後、2022年以降は再び上昇傾向へ。2025年も前年比で+3.973%と上昇を続けています。
ガソリン価格を左右する要因
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物流コスト:山間部や離島などでは配送距離が長く、仕入れコストが上昇傾向。
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スタンド数と競争:都市部(札幌、仙台など)では競争が激しく、価格は抑制されやすい。
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需要構造:寒冷地では冬場の車利用が増えるため、需要が底堅く価格が維持される傾向。
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為替と原油価格:円安と世界的な原油高が続くことで、地方でも価格がじわじわと上昇。
今後の展望
北海道・東北地域では、今後も物流費の高止まりや原油高の影響が続けば、180円台前半の水準が維持される見通しです。1方、EVやハイブリッド車の普及、地域内の再生可能エネルギー導入などにより、長期的にはガソリン依存が低下し、価格安定化の可能性もあります。
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