北海道・東北のだいこん価格は札幌市138.7円/kg、仙台市129.7円/kgと高値で推移し、函館や旭川などは80円台前後と地域差が大きい。2025年5月は室蘭・青森・八戸で価格が大幅上昇した一方、いわき市では下落。気候や流通条件が価格差の要因であり、今後は季節変動や需給調整による安定化が期待される。
だいこんの卸売り市場価格
だいこんの高い順
札幌市 | 仙台市 | 函館市 | 旭川市 | 室蘭市 | 盛岡市 | 秋田市 | 青森市 | 八戸市 | いわき市 | |
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最新 | 2025年5月 | 2025年5月 | 2016年12月 | 2021年12月 | 2011年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2018年1月 | 2018年1月 | 2012年4月 | 2018年1月 | 2010年4月 | 2018年1月 | 2018年1月 | 2018年1月 | 2018年2月 | 2018年1月 |
最新値[円/kg] | 138.7 | 129.7 | 93 | 84 | 84 | 81 | 78 | 73 | 71 | 69 |
最大値[円/kg] | 211 | 193 | 164 | 248 | 148 | 187 | 233 | 196 | 197 | 191 |
前月比[%] | -9.761 | -3.713 | -10.58 | +12 | +42.37 | -4.706 | +23.81 | +40.38 | +61.36 | -12.66 |
前年同月比[%] | -22.24 | -13.74 | +57.63 | -2.326 | +20 | +5.195 | +8.333 | +15.87 | -2.74 | +18.97 |
だいこんの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
だいこんの価格についての推移と展望
北海道・東北地方は日本の主要なだいこん産地として知られ、気候条件や地理的要因が価格形成に大きく影響しています。2025年5月時点での主要都市の価格は、札幌市が138.7円/kgで最高値を示す1方、いわき市は69円/kgと地域内でも大きな価格差が見られます。
これまでの特徴 ― 北海道・東北の価格形成要因
2-1 北海道の特徴
札幌市の価格が高水準で推移する背景には、主に都市部への流通コストや冬季の供給制約があります。1方、旭川市(84円/kg)や函館市(93円/kg)は比較的安価ですが、地理的に札幌に比べ流通経路や生産量に差があります。
2-2 東北地域の特徴
仙台市(129.7円/kg)は東北地方の中で最も高価格帯であり、周辺地域に比べて流通量や消費需要が高いことが影響しています。盛岡市、秋田市、青森市、8戸市などは70円台から80円台の価格帯で推移し、産地近接性や気候条件が価格に反映されています。
最近の価格動向と問題点
3-1 前月比の増減
全体として札幌市や仙台市では若干の価格下落(-9.761%、-3.713%)が見られる1方で、室蘭市(+42.37%)、秋田市(+23.81%)、青森市(+40.38%)、8戸市(+61.36%)では大幅な上昇が観測されています。この急激な変動は、1時的な需給の乱れや天候不順、物流の遅延などの影響と推察されます。
3-2 前年同月比の動向
前年同月比でも似た傾向が確認され、特に東北の1部地域での価格上昇が顕著です。1方、いわき市(-12.66%)は前年比で下落しており、地域間の需給バランスの差異が明確です。
地域別の価格特色
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札幌市・仙台市:都市圏としての高い需要と物流コストにより価格は高め安定。
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函館市・旭川市・室蘭市: 北海道内で中間的な価格帯。特に室蘭市は前月比・前年比で大幅上昇が目立つ。
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盛岡市・秋田市・青森市・8戸市: 東北北部の価格変動が大きく、季節や天候影響を強く受けやすい。
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いわき市: 価格が低く、前月・前年ともに下落傾向で需給過多の可能性。
今後の価格推移の期待と予想
5-1 季節変動と供給調整
夏場に向けた生育環境の変化や出荷調整の効果で、価格の急激な変動は緩和される見込みです。特に寒冷地の生産減少は価格の底上げ要因となる可能性があります。
5-2 気象リスクと市場の不確実性
今後も天候不順や異常気象が頻発すれば、価格の乱高下が続く恐れがあります。地域ごとに異なる気候の影響が価格差を拡大させることも想定されます。
5-3 流通改善と需要変化
物流効率の向上や地産地消の推進により、価格の安定化が期待される1方で、消費者の嗜好変化や野菜全般の需要低迷が価格にマイナス影響を与える可能性もあります。
まとめ
北海道・東北地方のだいこん価格は地域ごとの気候や流通条件により大きな差があり、2025年5月現在では札幌市と仙台市が高価格帯を維持しています。最近は1部地域で価格の急激な上下が見られ、需給バランスの不安定さが課題です。今後は季節要因と市場調整が価格安定のカギとなるでしょう。
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