北海道・東北のスイカ卸売価格動向と地域別特徴、今後の市場展望解析

すいか

北海道・東北のすいか市場は、仙台市と札幌市が価格・数量ともに全国トップクラス。ブランド品種の集積や輸送コストの影響で価格は高め。生産面では高品質な地域特性が強みだが、気象変動と人手不足が今後の供給に課題を残している。

すいかの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1仙台市286.7+5.007
2札幌市282-0.469

市場価格の推移

すいかの市場価格

北海道・東北の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[k円/kg]前年同月比[%]
1仙台市0.287+5.007
2札幌市0.282-0.469

卸売数量の推移

すいかの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

すいかの卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点において、仙台市のすいか市場価格は286.7円/kgで、前年同月比+5.007%と上昇しています。1方、札幌市は282円/kg-0.469%の微減となっています。両都市とも全国平均(263.3円/kg)を上回り、高値圏での取引が続いています。卸売数量は仙台市が0.287k円/kg、札幌市が0.282k円/kgと、販売規模も全国水準以上です。


価格と数量の過去の推移

北海道・東北地域では、すいかの価格はおおむね250~290円/kgの範囲で安定推移してきました。特に仙台市は東北産地からの集荷が集まりやすい流通拠点であり、毎年初夏から夏にかけて供給量と価格がともに高水準を維持します。1方、札幌市では気候特性から出荷時期が本州より遅れやすく、地元産のすいかが本格的に出回るのは7月以降が中心。そのため6月時点では道外産の高品質すいかが多く、価格がやや高めに出る傾向があります。


都市別の特徴

  • 仙台市:価格・数量ともに地域内トップ。山形県尾花沢市などからのブランドすいかが多く集まることで、品質の高さが評価され、価格が堅調です。近年は小玉すいかや冷蔵保存向け商品も増え、需要が多様化しています。

  • 札幌市:北海道産すいかは、「らいでんすいか」や「でんすけすいか」といったブランドが全国的にも高評価を得ています。これらはプレミアム価格がつきやすく、価格水準の高さに寄与しています。ただし数量面では生産者の高齢化や農地縮小の影響が出始めており、減少傾向が続いています


価格高騰の背景要因

  1. 高品質ブランドの集積 北海道・東北のすいかは全国的に見ても糖度が高く、大玉傾向が強い品種が多いため、市場価格も相対的に高くなります。

  2. 輸送コストの上昇 遠隔地からの輸送が必要な地域では、燃料価格の高騰や物流人員不足の影響で価格が上がりやすくなっています。

  3. 気候変動と生産リスク 近年、春先の寒暖差や豪雨・雹害などで生育に影響が出る年もあり、収量不足による価格高騰の要因にもなっています。


すいかの生産動向

北海道では、主に北空知・石狩・後志地区が主産地で、「らいでんすいか」などがJAを通じて広く流通しています。ただし、作付面積は減少傾向にあり、産地の再編や法人農業への移行が進められています。東北では、山形県尾花沢市が圧倒的な存在感を持ち、盆地特有の昼夜の寒暖差が糖度の高さを生むため、高価格帯のすいかが多く生産されています。いずれの地域でも、ハウス栽培による出荷の前倒しや、カット販売・小玉品種の需要拡大が進行中です。


今後の展望と課題

今後も北海道・東北のすいかは、品質とブランド価値によって高価格を維持する傾向が続くと予想されます。1方、気象の影響と人手不足による生産リスク、物流コストの上昇は価格形成における不確実性を増しています。需要面では、家庭向けの消費減に対応する商品の多様化(小玉・冷蔵・カット)が鍵となるでしょう。

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