北海道・東北のきゅうり価格上昇と地域別の特徴・今後の展望

きゅうり
穀物統計野菜価格(都市別)



北海道・東北地方のきゅうり価格は、寒冷な気候や流通コストの影響で全国平均より高い傾向があります。2025年3月は、いわき市や室蘭市で大幅な価格上昇が見られました。生産者の高齢化や燃料費高騰などの課題が価格に影響を与えており、今後は季節の変化により価格安定が期待される一方、持続的な農業支援が必要です。

きゅうりのデータとグラフ

きゅうりの高い順

いわき市 室蘭市 函館市 青森市 八戸市 盛岡市
最新 2023年12月 2011年12月 2016年12月 2023年12月 2023年12月 2023年12月
最大期 2020年1月 2011年12月 2011年12月 2020年1月 2020年1月 2018年12月
最新値[円/kg] 593 567 533 465 447 441
最大値[円/kg] 727 567 606 641 604 595
前月比[%] 73.9 32.79 13.16 45.31 35.05 34.45

きゅうりの安い順

山形市 盛岡市 八戸市 福島市 函館市 青森市
最新 2021年12月 2023年12月 2023年12月 2021年12月 2016年12月 2023年12月
最大期 2020年1月 2018年12月 2020年1月 2020年1月 2011年12月 2020年1月
最新値[円/kg] 371 441 447 326 533 465
最大値[円/kg] 706 595 604 606 606 641
前月比[%] 56.54 34.45 35.05 38.72 13.16 45.31

 

きゅうりの推移

きゅうり価格の推移

最新の価格データ

最近のきゅうり価格

 

その他のデータとグラフ

 

きゅうりの価格についての推移と展望

北海道・東北地方では、寒冷な気候や長い冬の影響により、露地栽培が限られ、ハウス栽培が主流となるため、他地域と比較してきゅうりの価格が高くなる傾向があります。2025年3月の時点では、いわき市が593円/kgと非常に高く、全体的に都市ごとの差が大きいのが特徴です。


 最近の価格動向と変化

直近のデータによると、いわき市(+73.9%)、青森市(+45.31%)、室蘭市(+32.79%)など、軒並み前月比で30〜70%超の大幅な上昇が見られます。これは、冬季から春先にかけての端境期で供給が一時的に減少した影響や、流通コストの高騰、生育の遅れが影響している可能性があります。函館市や盛岡市でも20%〜30%以上の上昇が確認されています。


 地域別の価格の特色

地域ごとの価格には顕著な差異が見られます。

  • 高価格帯:いわき市(593円/kg)、室蘭市(567円/kg)、函館市(533円/kg)は、いずれも輸送費・燃料費・施設栽培費の影響が大きいと考えられます。

  • 中価格帯:青森市(465円/kg)、八戸市(447円/kg)などは、地元産が比較的安定供給されている可能性があります。

  • 低価格帯:盛岡市(441円/kg)、福島市(326円/kg)は、地場流通が強く、コスト抑制に成功している可能性があります。

都市によって供給体制や流通の構造が異なるため、価格に差が生じています。


 現在の課題と背景

この地域では以下のような課題が顕在化しています。

  • 生産者の高齢化と担い手不足:特に寒冷地では、施設管理に手間がかかるため後継者不足が深刻です。

  • 資材費・燃料費の上昇:冬季加温が必要なハウス栽培では、燃料費の高騰が価格に直結します。

  • 流通コストの地域差:本州中心部と比較して、輸送コストの影響を受けやすい点も価格の上昇要因です。


 今後の推移と展望

今後、春から夏にかけて露地栽培が本格化すると供給が増加し、価格は徐々に安定、または下落すると予想されます。しかし、天候不順や資材費の継続的な高騰がある場合、価格が高止まりする可能性も否定できません。

中長期的には、以下の対応が期待されます:

  • 地元品種や直売体制の強化

  • 効率的なハウス栽培技術の導入

  • 若手就農者支援による生産体制の持続性確保


 まとめ

北海道・東北地域のきゅうり価格は、寒冷な気候条件、燃料コスト、地域流通構造の違いなどにより、全国平均より高めで推移しやすい傾向にあります。近月では大幅な価格上昇が見られましたが、季節の進行とともに安定が期待されます。今後は、持続可能な栽培技術と地域に合った流通体制の強化が求められます。

 

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